煮物や鍋に入れると味が染みておいしい、しらたき。たくさん食べても問題はないのでしょうか? しらたきにはどんな栄養素が含まれるのか、食べ過ぎるとどんな影響が考えられるのか、一緒に考えてみましょう。ダイエットでしらたきを活用する際の大切なポイントを!
しらたきはどんな食材?
しらたきは低カロリー食材の代表ですが、どんな栄養の特徴があるのか。
しらたきは糸こんにゃくのこと
しらたきは別名、糸こんにゃくともいいますよね。こんにゃく芋から作ったこんにゃく粉に水酸化カルシウムなどを加えて固めたものがこんにゃくですが、これを糸のように細く押し出したものがしらたきです。
しらたきは白いものが多いですが、灰色の粒が入ったものもあります。これは海藻粉末を添加しているものとなり、こちらを糸こんにゃくと呼ぶことも多いかもしれませんね。 しかし本来は色で区別されていることはなく、どちらも同じ食べ物です。
しらたきは炭水化物なの?
しらたきの栄養成分をみてみると、100gあたり、たんぱく質が0.2g、脂質がほぼ0、炭水化物が3.0gとなっています。炭水化物は糖質と食物繊維に分けられますが、こんにゃくには糖質が含まれているのでしょうか?
実はこんにゃくの炭水化物のほとんどが食物繊維です。3.0g中2.9gが食物繊維であり、糖質はわずか0.1g。食物繊維は消化しにくい栄養素であり、エネルギー源としてははたらきません。そのため、実質的にエネルギーとして使えるのは糖質の分のみとなり、しらたきの炭水化物量をより正確に表すなら、「利用可能炭水化物として0.1g」となります。
簡単に考えると、したらきには糖質がほとんど含まれないということですね。
食物繊維「グルコマンナン」を含む
こんにゃくの成分であるグルコマンナンは、グルコースとマンノースという糖類からできている多糖類で、食物繊維の一種でもあります。しらたき(こんにゃく)に入っているグルコマンナンは不溶性食物繊維であり、しらたき(こんにゃく)には水溶性食物繊維はほとんど含まれていないのが特徴です。
低カロリーでダイエットの味方
鉄を含むしらたきは成分のほとんどが水分と食物繊維ですが、なんと鉄0.5mgを含みます。いも類や野菜類ではなかなか鉄が摂りにくいので、これは嬉しいですね。豊富といえる量ではありませんが、鉄は少しずついろいろな食材から摂りたいものなので、補給源の1つとして考えたいですね。
しらたきに含まれる鉄を上手に摂るためには、動物性たんぱく質を一緒に摂るのが効果的です。吸収率を上げることができます。肉や魚などと合わせたメニューにするといいですね。
しらたきを食べ過ぎるとどうなる?
食物繊維も豊富でダイエット効果も期待できるしらたきは、食べ過ぎるとどうなるのでしょうか。基本的には多少、多く食べたからといって特に問題ありませんが、次のようなことを注意しておくといいでしょう。
カロリー不足になる
しらたき自体に含まれる栄養素の影響などが問題になるということではなく、しらたきを食べ過ぎて他の食材を摂らなかった場合に考えられるリスクがあります。
たとえば、ダイエット目的で食事内容をしらたきメインにしてしまうと、エネルギー源となる糖質やからだをつくるたんぱく質が十分に摂れなくなってしまいます。このことによりからだを動かすためのエネルギー(カロリー)が不足し、体調にも影響することが考えられます。あくまでもご飯やおかずの一部をしらたきに置き換える程度にしましょう。
食物繊維が偏る
しらたきの食物繊維は不溶性食物繊維がおもであり、水溶性食物繊維をほとんど含みません。たとえばほかの食材を摂らずにしらたきだけを毎日たくさん食べていると、便のカサは増しても硬くなったりするなどし、排泄しにくい方向にはたらいてしまう可能性があります。腹痛や、便秘・下痢などにつながるかもしれません。
しらたきだけでなく、他の食材もあわせてしっかり食べていきましょう。不溶性食物繊維が多い食品を食べているなと思ったら、水溶性食物繊維を含む果物なども意識するとよいですね。食事はバランスが大切です。
ビタミン・ミネラルが不足する
食物繊維は野菜と同じくらい摂れるしらたきですが、野菜と比べてビタミン・ミネラル類がとても少ないという特徴があります。しらたき中心の食事だと、カロリーが摂れないだけでなく必要なビタミンやミネラルが不足し、からだの調子がととのわなくなることも考えられます。
しらたきの適量はどのくらい?
しらたきばかり食べ過ぎて他のものが食べられないと、からだの調子に影響する可能性があることがわかりましたね。では、食べ過ぎにならない適量はどのくらいでしょうか?
1日に150gまで
しらたきは1日だいたい1パック(150g)が適量ではないでしょうか。特に目安に意味があるわけではありませんが、バランスのよい食事をするために、他の食材を食べるのを邪魔しない程度の量で考えています。
「お肉を減らしてしらたきでカサ増しする」「ご飯の一部をしらたきに置き換える」といった使い方をする場合にもちょうどよい量でしょう。