「最初が肝心だから全部教えよう」は本当に正しいのか
新人が入社すると、多くの店長や先輩スタッフはこう考えます。
「早く戦力になってほしい」
「ミスをしてほしくない」
「最初にしっかり教えよう」
その気持ちはよく分かります。
飲食店経営において人手不足は深刻です。
一日でも早く仕事を覚えてもらいたいと思うのは当然です。
しかし実際の現場を見ると、不思議なことが起きています。
新人教育が上手い店ほど、最初から仕事を教えすぎないのです。
反対に新人が定着しない店ほど、一度に大量の仕事を教えようとします。
一見すると逆のようですが、そこには大きな理由があります。

- 「最初が肝心だから全部教えよう」は本当に正しいのか
- 新人は思っている以上に不安でいっぱい
- 最初に必要なのは知識ではなく安心感
- 教えすぎると「できない人」が完成する
- 上手な店は「一つできたら次」を徹底する
- 「覚える力」より「質問できる力」を育てる
- 飲食店経営でよくある失敗
- 優秀な教育担当者は教えるより観察する
- 辞めない新人を育てる店の特徴
- 教育とは教えることではなく成長を支えること
- まとめ
新人は思っている以上に不安でいっぱい
新人が初出勤した日を想像してみてください。
職場のルールが分からない。
誰がどんな人なのか分からない。
仕事の流れも分からない。
お客様への対応も分からない。
頭の中は不安でいっぱいです。
そんな状態で、
「あれも覚えてね」
「これも覚えてね」
「次はこれ」
「その後はこれ」
と大量の情報を詰め込まれたらどうなるでしょうか。
本人は必死に聞いているつもりでも、実際にはほとんど残りません。
教えた側は、
「ちゃんと説明したよね」
と思います。
しかし新人側は、
「何を言われたか覚えていない」
という状態になっています。
これは能力の問題ではありません。
人間の脳の仕組みの問題なのです。
最初に必要なのは知識ではなく安心感
新人教育が上手い店はここを理解しています。
新人に最初に必要なのは知識ではありません。
安心感です。
職場に馴染めそう。
質問しても怒られなさそう。
失敗しても大丈夫そう。
まずはそう感じてもらうことを優先します。
なぜなら安心感がない状態では、人は学習できないからです。
常に緊張している状態では、覚えるよりも失敗しないことばかり考えてしまいます。
結果として成長スピードも遅くなります。
