特有の弾力とつるっとした食感が特徴で、おでんや煮物、炒め物などの家庭料理に大活躍のこんにゃく。
こんにゃくの成分のほとんどは水分でできていますが、私たちが健康に過ごしていくうえで欠かせない栄養素も豊富に含んでいます。
- こんにゃくはメタボリックシンドロームの救世主!
- こんにゃくは肥満防止に理想的なダイエット食品
- こんにゃくの主な栄養素と効能
- こんにゃくの健康効果
- 日本人の健康を支えてきたこんにゃく
- 今世界で見直されるこんにゃくのヘルシーパワー
- 「蒟蒻」は腸の「お掃除屋さん」
- 適正量を守って 食べ過ぎは腹痛の原因に
- こんにゃくはカルシウムを補給し骨粗しょう症予防に役立つ
こんにゃくはメタボリックシンドロームの救世主!
「生活習慣病」は、ふだんの食事などの生活習慣が発症や進行に深くかかわっている病気のことであり、その背景には「肥満」があります。「肥満」に加えて高血圧、糖尿病、脂質異常症が重なった状態を「メタボリックシンドローム」と呼びます。
こんにゃくは!
ヒトの消化酵素で消化されない食物繊維のグルコマンナンが多量の水分を取り込んで凝固した水分97%の食品なので、カロリーがほとんどなく食物繊維が豊富なことから、昔から知られている整腸作用、便秘解消だけでなく、現代人の悩みである肥満や生活習慣病の予防・改善などメタボリックシンドロームに役立つことが明らかになっています。
メタボに悩む人は!
美味しい料理は食べたいけれど糖質や脂質が気になります。料理にこんにゃくを取り込めば同じ分量の料理を食べてもこんにゃく分だけ糖質や脂質が減ってダイエットになります。食べる量を減らさず罪悪感なく食べられるこんにゃくは救世主のような食材です。
こんにゃくは肥満防止に理想的なダイエット食品
こんにゃくは無味無臭で形も自在な固形食品なので様々な料理に取り入れることが出来ます。料理に使うことでかさを増し、品数を増やし、独特の食感が料理にアクセントを加えますが、料理の栄養バランスが保たれ食べた分だけカロリーオフになる理想的なダイエット食品です。
また、弾力性と歯ごたえのあるプリプリとした食感からよく噛んで食べるので、脳の視床下部にある「満腹中枢」が刺激され、腹八分目の食事で満足感が得られ食べ過ぎを防ぎます。
こんにゃくは、噛めば噛むほどおいしく、ゆっくりと食べるのに好都合なのです。
こんにゃくの主な栄養素と効能
こんにゃくに含まれる代表的な栄養素は3つです。
食物繊維
食物繊維は、お腹の調子を整えて便秘解消の効果が期待できる栄養素で、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類が存在します。
とくに、こんにゃくに多く含まれている「グルコマンナン」はこんにゃくを凝固させる時に不溶性食物繊維に変化する成分で、便のカサを増やしながら排便を促します。
また、食物繊維は摂り過ぎた糖質や脂質などのコレステロールも一緒に排出する働きがあるため、肥満や糖尿病などの予防効果が期待できるでしょう。
カルシウム
こんにゃくに含まれるカルシウムは、骨や歯を丈夫に保つために欠かせない栄養素です。
カルシウムは、骨や歯を強くする効果の他にも、血液を固める効果や筋肉の興奮を抑制する効果があります。
カルシウムが含まれている食品といわれると、牛乳やチーズなどを想像する方が多いかと思いますが、こんにゃく(板こんにゃく1枚)にもコップ半分の牛乳と同じ含有量がありますので、こんにゃくでも十分なカルシウムの補給に役立ちます。
カリウム
カリウムは、ナトリウムの排出をサポートする働きがあるため、塩分の調整や塩分の取り過ぎで起こるむくみの改善効果が期待できる栄養素です。
塩分を摂り過ぎてしまうと、高血圧症や動脈硬化を引き起こしてしまうおそれがあります。
こんにゃくに含まれるカリウムをしっかりと摂取することで、高血圧症や動脈硬化を防ぐことが期待できるでしょう。
こんにゃくの健康効果
ここでは、こんにゃくが持つ健康効果について5つご紹介します。
腸内環境を整える
こんにゃくに含まれる食物繊維は、水と一緒になることで膨張しそのまま大腸に届いて腸内を刺激します。
腸内環境を整えてスムーズな排便のサポートを行うため、便秘などのお腹のトラブルを改善する働きがあります。
お腹のトラブルを改善する他にも、腸内環境が整うことで免疫効果が向上するため、風邪や感染症、アレルギーなどの予防効果も期待できるでしょう。
ダイエットに最適
こんにゃくの100gあたりのカロリーは約5Kcal、糖質は0gです。低カロリーで低糖質な食材であるため、ダイエット効果が期待できます。
1日の食事量を減らすダイエットを始めると便秘になりやすくなってしまいますが、こんにゃくには食物繊維やカリウムが含まれているため、便秘予防とむくみ防止に役立ちます。
このようなことから、こんにゃくは低カロリー低糖質な食材であり、便秘やむくみなど身体のトラブルも同時に解決することが期待できるので、ダイエットに最適な食材といえるでしょう。
骨や歯を強くする
こんにゃくに含まれているカルシウムは、骨や歯を強くする役割があります。
カルシウムは骨や歯を健康に、そして丈夫に保つためには欠かせない栄養素です。
こんにゃくに含まれるカルシウムを積極的に摂取することで、カルシウム不足が原因となって生じる骨粗しょう症も防止することが期待できるといわれています。
また、歯を健康に維持できれば、虫歯や歯周病を防ぐことにつながるため、歯を失わず自分の歯で食事を楽しみ続けることができるでしょう。
生活習慣病の予防
脂質や糖質、塩分などの多い食事が原因となり、肥満や糖尿病、高血圧症などの生活習慣病を引き起こす場合もあります。
しかし、こんにゃくは、先にお伝えしたように低カロリーで低糖質、そして脂質量もほぼ0gです。
こんにゃくを食事に取り入れたり、主食の代用にしたりすることで、過剰な脂質等を控えることができます。
さらに、カリウムも含まれているため余分な塩分を排出する効果もあるため、こんにゃくを取り入れた食事をすることで、生活習慣病の予防につながるでしょう。
動脈硬化のリスクを下げる
こんにゃくは、動脈硬化のリスクを低下させる効果が期待できます。
心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こす可能性がある動脈硬化は、コレステロール値の上昇が原因のひとつです。
こんにゃくに含まれる食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、コレステロールを下げる働きがあるため、動脈硬化の予防につながるでしょう。
こんにゃくは、大きな病気にかからないためにも、おすすめの食材といえます。
日本人の健康を支えてきたこんにゃく
こんにゃくは日本人が古くから食べてきた伝統食です。
実は昔から日本人の健康を支えてきました。
あまり味のないこんにゃくを食べていたのはなぜでしょう。
昔の日本人は、食事のあとの便通や身体の掃除を目的にこんにゃくを食べていたようなのです。「こんにゃくは砂払い」と言われます。日本人がこんにゃくの力を普段の食事の中から体感として知っていたことのあらわれです。
今世界で見直されるこんにゃくのヘルシーパワー
低糖質ダイエットのこんにゃくライスや、フランスでこんにゃくのパスタがブームになるなど、世界であらためて注目されているのです。
「蒟蒻」は腸の「お掃除屋さん」
適正量を守って 食べ過ぎは腹痛の原因に
食べ過ぎると胃腸の負担を増やし、腹痛や便秘の症状が現れる可能性があります。
1日に100g程度が適量とされているので、板こんにゃくだと1/3枚、しらたきだと1/2袋程度に抑えておきましょう。
こんにゃくは、ただ低カロリーなだけではなく、生活習慣病予防にもぜひ食べてほしい食材です。適正な量を守って、健康を目指しましょう。
こんにゃくはカルシウムを補給し骨粗しょう症予防に役立つ
また、食生活の中ではカルシウムの不足が長期にわたると、骨がスカスカになる骨粗しょう症を招きます。加齢によってさらに症状が進むと、転倒しただけでも骨折し、そのまま寝たきりになるため、日頃のカルシウム摂取の心がけが必要です。
こんにゃくには、牛乳の半分のカルシウムが含まれており、かつ、胃の中で溶出し吸収されやすいと言われています。