今月最後の『無料診断』です。

訪問のきっかけ

先日、墨田区にある洋食店オーナー様から「集客が頭打ちになっている」「人件費がかさんで利益が残らない」とのご相談をいただき、無料の店舗診断を実施しました。
当日は約2時間、ランチ営業後の時間帯にお邪魔して、現場を拝見しながらヒアリングを行いました。
お店の印象と強み

まず第一印象は、「料理のクオリティが高い!」ということ。
特にデミグラスソースの香りと仕込みの丁寧さが際立っていました。
地元のお客様が多く、常連比率も高め。つまり“味”と“人柄”で信頼を得ているお店です。
入店直後に感じたのは、清潔感と料理の香りの良さ。
実際に人気のハンバーグプレート(1,180円)を試食しましたが、デミグラスソースの深みはまさに“職人の味。
常連比率が全体の約70%を占めており、リピーターに強いお店です。
課題として見えてきたポイント

対面ヒアリングと現場観察の中で、主に以下の3つの課題が見えてきました。
動線とオペレーションのムダ
ホールと厨房の連携が少し非効率で、ピーク時にストレスがかかっていました。
→ 提案:「ホール側で注文をまとめる導線設計」「配膳導線の再設計」
- 厨房からホールまでの移動距離が約8m。
- ピーク時(12:00〜13:30)は1人当たり平均往復回数が20回以上。
➡︎ 作業導線の短縮で、1日あたり約30分の時短が可能。
=月間で約15時間分の労働コスト削減(約2万円の人件費圧縮効果)
メニュー構成のバランス
人気メニューと採算の取れないメニューの差が大きい。
→ 提案:「原価率を見える化」「限定メニューで利益率UP」
- 全28品中、原価率が40%超のメニューが10品。
- 人気No.1「オムライスセット」は原価率46%で利益が薄い。
➡︎ 原価調整と付加メニュー提案により、 利益率を平均5%改善=月3〜4万円の利益アップ見込み。
情報発信の不足
SNS更新が止まっており、新規客の入り口が狭い。
→ 提案:「週1更新ルール」「お客様の写真活用」「Googleビジネスプロフィールの最適化」
- Instagram更新が3ヶ月以上停止。
- Google口コミ数:15件(評価4.2)
➡︎ SNS・Googleビジネスプロフィールを週1更新すれば、 検索経由の来店が月10〜15組増加する可能性あり。
オーナーとの対話で感じたこと

オーナーは職人気質で、料理への情熱が強く、スタッフ想いな方。
ただ、数字管理や広報活動には少し苦手意識があるご様子でした。
そのため「美味しさを伝える仕組み作り」=“売れる導線”を整えることが重要だと感じました。
オーナーは調理歴25年のベテラン。
「料理には自信があるが、数字管理は苦手」とのことでした。
実際に損益表を一緒に見てみると、
FL比率が68%(理想は60%前後)と、利益を圧迫している現状。
➡︎ 仕入れの見直し+定番メニューの再構成で、
3ヶ月以内にFL比率63%を目指す計画を提案しました。
まとめと今後のサポート

今回の無料診断では、
- 店舗動線の見直し
- メニューと原価の整理
- 発信の強化
この3点を中心に改善提案をさせていただきました。
次回は「数値化と改善計画シート」を使って、1ヶ月後の売上変化を一緒に見ていく予定です。
今後のサポート計画
今回の無料診断の結果を踏まえ、以下の3点を重点サポート予定です。
・動線改善マップ作成(1週間以内)
・メニュー別利益率表の導入(11月実施)
・Googleビジネス最適化+Instagram週1投稿(継続)
目標は、3ヶ月で売上10%アップ(+月12万円)を目指します。
最後に

飲食店は「味」だけでなく「仕組み」も大切。
今回のように、客観的な目線で店舗を見ることで、オーナー自身も気づいていなかった課題が見えてきます。
うん、このお店は大丈夫!
