世界で最も人気があり、多くの人を魅了し続けるアルコール飲料、それがワインです。そして、そのワインは、古くから健康に良いとされていて、適量であれば毎日飲むことで日々の生活を健康的に過ごせるとも言われています。
そんなワインですが、日本でも日常的に飲む方も増えてきていて、ますます健康との関連性が注目されてきています。
もし日常生活においてコンスタントにワインを飲む習慣があるのであれば、ワインの健康におけるメリットを見ておきましょう。きっと、もっとワインが好きになるはずです!
- なぜワインが健康のためにおすすめなのか?
- フレンチ・パラドックスとは
- ワインに含まれる健康に寄与する成分とは?
- ワインがもたらす健康上のメリット
- 動脈硬化の予防になる
- 認知症の予防になる
- 血圧を下げる
- ワインで健康になるための一日の量
なぜワインが健康のためにおすすめなのか?
日本では古来から、「酒は百薬の長」と言われ、日々お酒を適量飲むことで、長生きができると言われています。それと同様に、ヨーロッパでも、「ワインは最高の薬」というフレーズがあります。西洋人の生活に密着したお酒であるワインもまた、健康に良いとされ、日々のお酒として選ばれ続けているのです。
ワインは食事とのバランスを考えながら飲むことで、多くの健康上のメリットがあるとされています。もちろん、至福の時間を酔いが与えてくれるということは、ワインが持つ一番の魅力であることは言うまでもありません。
そして、ワインは人間の健康にとって非常に重要な栄養成分が豊富に含まれていることで知られています。
フレンチ・パラドックスとは
フレンチ・パラドックスというのは、フランス人の食生活と病気の関連性が医学上の定説と異なっていることを指します。
といいますのも、食生活と病気には医学上の定説があります。
具体的には肉やバターといった動物性食品を摂取しすぎたり、喫煙したりしていると、動脈硬化を起こしやすくなります。
その結果、心筋梗塞などの心臓病にかかりやすくなります。
しかし、肉やバターをよく食べるフランス人はこの医学上の定説とは相反して、心臓病による死亡率が非常に低い結果となっています。
その理由を解き明かすと赤ワインを嗜好しているという点に帰着しました。
赤ワインに含まれるポリフェノールが動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの酸化を和らげてくれるのです。
このフレンチ・パラドックスが世界を驚かせたとともに、赤ワインは健康に良いということに気づかされるきっかけとなったのです。
ワインに含まれる健康に寄与する成分とは?
ワインの成分として注目されているのが、フラボノイドとレスベラトロールです。これらは、抗酸化作用、抗炎症作用、血管拡張作用を持つ成分です。
そしてワインには私たちの健康にとって非常に重要な栄養成分であるポリフェノールが豊富に含まれています。動脈内のコレステロールや脂肪性プラークの沈着を減らす作用があり、体全体でその効果を発揮するとされています。
さらに、心臓病、癌、骨粗鬆症および老化に対しても作用するとされていて、免疫システムをうまく機能させ、感染症から保護し、代謝のスピードを向上させます。ワインに含まれるアルコールは、自然の血管拡張剤として作用し、血圧を制御するのにも役立つとされています。
また、記憶力、運動能力、肝臓と腎臓の機能、そして胃腸系の機能を改善するなど、万能薬ともいえる効果が期待されます。
ワインがもたらす健康上のメリット
ワインは私たちの健康に対して様々な効果があるとされています。
その栄養に関する特性の多くは、たとえば動脈や心臓の機能に影響をもたらします。それらの成分が体内できちんと作用すると、ワインを適量飲む人に、
次のようなメリットがあると言われています。
・HDL(善玉コレステロール)数値を上昇させ、動脈内のLDL(悪玉コレステロール)の酸化を阻害するため、アテローム性動脈硬化症のリスクが軽減される。
・血管が弛緩されることで血圧が下がる。
・フリーラジカル(活性酸素)と戦う抗酸化作用により、がんの予防につながる。
・抗炎症作用により、関節炎や皮膚の問題などの慢性疾患による炎症が軽減される。
・抗血栓作用、抗酸化作用、血小板凝集抑制作用があるため、血栓症、脳卒中の発症リスクを低下させる。
・コレステロール値を下げ、血圧が下がることで、血液が薄まり、心臓発作などの心疾患リスクを軽減させる。
・胃液の生成を増やし、胆嚢を刺激し、消化機能を向上させる。
以上のメリットが期待されますが、妊娠中の女性や、肝臓や膵臓の病気の方、処方薬や体重管理をしている人などには、ワインを飲むことで、健康に悪影響を与える可能性があることも忘れないでください。そのような方は、信頼できる医師の指示に従ってください。
動脈硬化の予防になる
まずは動脈硬化の予防から。
動脈硬化の原因となるのは悪玉コレステロールが酸化することにあります。
ですから、酸化しないようにすれば、動脈硬化の予防になるというわけです。
赤ワインに含まれるポリフェノールには抗酸化作用がありますので、悪玉コレステロールの酸化を防げるといいます。
また、ポリフェノールの含有量は若いワインよりも熟成させたもののほうが多いことが分かっています。
ですから、なるべくなら熟成の進んだワインを選ぶと良いでしょう。
認知症の予防になる
ポリフェノールの一種であるレスベラトロールという成分は、認知症の予防になるようです。
現に、ボルドー大学中央病院の疫学研究として、レスベラトロールには記憶力が回復したり、認知症やアルツハイマー病などの病気のリスクを下げたりするという効果があると報告されています。
報告によると、1日に3~4杯ワインを飲んでいる方の認知症やアルツハイマー病の罹患率、死亡率が最も低いという相関関係が発見されました。
1日に5杯以上飲む方は、飲まない方よりも死亡率が上がってしまう可能性があるので、適度な飲酒に留めておきましょう。
血圧を下げる
高血圧の最大の原因は塩分の摂り過ぎにあります。
食塩の過剰摂取は血圧を上げるのです。
ですから、塩分の摂取を控えれば良いのですが、摂りすぎてしまうこともあるでしょう。
そんなときに役立つのが、カリウムです。
カリウムには利尿作用があり、尿とともに塩分を排出してくれる効果があるとされています。体内の塩分が減り、血圧を下げることができるというわけです。
赤ワインには、このカリウムが豊富に含まれています。ですから、赤ワインを飲むことによって、血圧を下げることを期待できるのです
ワインで健康になるための一日の量
食べ物や飲み物の摂取は、人間の健康にどのように有益であっても、常に注意して行う必要があります。栄養素やカロリーの過剰摂取は、不十分な摂取と同様に健康に害を及ぼす可能性があります。
過剰なアルコール飲料の摂取に関しては、健康上の利点よりも多くの欠点をもたらす可能性があるため、摂取量が自分の健康状態にとって適量であるか常に気を付ける必要があります。
毎日ワインを飲む方の推奨量は、それぞれの人が、どれくらいの栄養を必要としているかによって大きく異なります。ただし、一般的に、健康な成人の場合、1日の摂取量が150mlカップを超えない程度が好ましいとされています。この量を毎日摂取すれば、健康上のメリットを得るのに十分な量だといわれています。
日々の生活を楽しく、健康的に過ごすために選ばれるワイン。毎日飲むには美味しくなければ続きません。世界でテーブルワインとして親しまれている、