血液中のコレステロールと中性脂肪の数値が高くなると、動脈硬化の因子の一つになる可能性があります。コレステロールと中性脂肪の数値が高めになったら、対策することが重要です。
- コレステロールとは?
- コレステロールの働き
- 食事から摂取したコレステロールの行方は
- コレステロールが引き起こす病気
- コレステロール値の減らし方
- 高いコレステロール値が引き起こす悪影響とは?
- コレステロール値を下げる食品とは?
- コレステロール値を下げるには、食物繊維、豆類、緑黄色野菜が有効
- LDL(悪玉)コレステロール値を下げる食べ物・飲み物
- LDL(悪玉)コレステロール値を下げたい方におすすめ
コレステロールとは?
コレステロールには、LDLコレステロールとHDLコレステロールがあります。
LDLコレステロールは肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きがあり、増えすぎると動脈硬化を起こすので、悪玉コレステロールと言われています。HDLコレステロールは、余剰なコレステロールを回収するコレステロールで、善玉コレステロールと言われています。
通常、血液中のLDLとHDLは一定量に保たれています。
LDLコレステロールが過剰になると、HDLコレステロールが減ったり、動脈壁に取り込まれて蓄積され、動脈壁が厚くなります。
血液中の脂質によって血管が傷つけられると、血管修復のために血小板が集まり傷をふさぎますが、やがてはがれて血液中を流れる血栓となります。血栓は血管を詰まらせ、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。
コレステロールの働き
身体のなかには4種類の脂質(中性脂肪、コレステロール、リン脂質、遊離脂肪酸)が存在します。これらの脂質は、それぞれ身体を健康に保つ上で重要な役割があるため、すべてが有害というわけではなく、一定量は体内に維持する必要があります。
コレステロールは、細胞膜や身体の働きを微調整するホルモン、あるいは胆汁酸(脂肪を消化・吸収するもの)を形成するための物質として必要なものです。
肝臓でつくられたコレステロールは血液(血管)によって全身に運ばれ、余分なコレステロ ールは血液で肝臓に戻ってきます。その際、HDL(善玉)コレステロールは血管の壁などにたまったコレステロールを取り除いて集め、もち帰ります。
しかし、LDL(悪玉)コレステロールは、全身にコレステロールを運ぶだけで、使わないコレステロールを血管や末梢の組織に置いてきてしまいます。
食事から摂取したコレステロールの行方は
食事から摂取したコレステロールは全身をめぐり、肝臓などに取り込まれます。
食事から摂取した脂肪やコレステロールは、血液に溶けません。
タンパク質やリン脂質が小腸に取り込まれて「リポタンパク」に変化することで、血流に乗って全身への運搬が可能になります。リポタンパクは、カイロミクロン・HDL・LDL・VLDLに大別され、それぞれ中性脂肪・コレステロール・タンパクなどの構成が異なります。
中性脂肪が多い「カイロミクロン」、コレステロールの少ない「HDL」は小腸で合成され、全身をめぐります。
中性脂肪とコレステロールを含む「VLDL」は肝臓で合成され、エネルギーが必要な筋肉や脂肪組織に中性脂肪を渡すと、LDLに変化します。「LDL」は全身をめぐりながら、各組織にコレステロールを届けます。
「コレステロールは悪いもの」と認識されがちですが、人間の体になくてはならない役割を担っています。肌や髪をなめらかにしたり、各組織の細胞膜やステロイドホルモンの消化吸収を助けます。
肝臓に運ばれたコレステロールの一部は、胆汁酸となって小腸に排泄され、脂肪の消化・吸収を促進します。そしてほとんどの胆汁酸は肝臓に戻って再利用され、一部は便として排泄されていきます。
コレステロールが引き起こす病気
現代人に多くみられる「脂質異常症」 は血液検査を行なって診断します。血液中のLDL(悪玉)コレステロール(多すぎる場合)、HDL(善玉)コレステロール(少なすぎる場合)、中性脂肪(多すぎる場合)に脂質異常症とされ、下表の基準値にあてはめて判断されます。
さらに脂質異常症と 関連して、「コレステロール値が極端に高いと動脈硬化の原因になり、血栓ができやすくなる。つまり、脳梗塞などの病気を引き起こす要因になる」、「コレステロール値が極端に低いとガンや肺炎、脳卒中になる要因になる」などの可能性もありますので、注意が必要です。
コレステロール値の減らし方
脂質異常症などの診断を受けた場合は、専門医の指示を受ける必要がありますが、そうならないためにも「食生活を正す」、「適度な運動を行なう」、「禁煙する」など、日頃の生活習慣を改善することが第一です。
まず、食生活を正すには、暴飲暴食をやめ、1日のエネルギー摂取量を適切にするようにしましょう。同時に、栄養バランスの取れた食事を心がけてください。
次に、毎日運動を行ない、長期的に継続することが大切です。例えば、少し汗ばむくらいのウォーキングなどがお勧めです。
最後に禁煙ですが、喫煙は動脈硬化を高めるといわれています。その危険性を、少しでも下げるために、喫煙習慣はやめるようにしましょう。
また、脂質異常症と診断され専門医にかかると、薬物療法による治療を受ける場合もあります。その際には、専門医の指示をきちんと守り、服用することが肝要です。
高いコレステロール値が引き起こす悪影響とは?
コレステロール値が高くなると、動脈硬化が進み、放置すると脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。
脳や心臓など太い動脈で、コレステロール値が高いと起きる動脈硬化を、「粥状(じゅくじょう)動脈硬化(アテローム硬化)」と言います。
血管内膜にコレステロールが沈着した泡沫(ほうまつ)細胞が集まると、ドロドロしたおかゆのような塊(アテローム)ができます。
アテロームがどんどんたまって血管の内壁が盛り上がると、血液が通る隙間が狭くなります。
さらにカルシウムがたまって石灰化することで、血管の弾力性が失われ、もろく破れやすい状態に。
また血管内膜を傷つける高血圧や喫煙、糖尿病・肥満・ストレスなども、粥状動脈硬化を促進する原因となります。
コレステロール値を下げる食品とは?
脂質異常症の原因となる悪玉のLDLコレステロールはどのように減らしていけばよいでしょうか?
脂質異常症にならないために、バランスのよい食事を目指しつつ、食物繊維や大豆タンパクを積極的に摂取しましょう。
できるだけ多種の食品を毎日少量ずつ摂ることで、5大栄養素(タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)をバランスよく摂取することが、コレステロール値を正常に保つコツです。
そのうえで、食物繊維や豆類など、コレステロールを下げる食材を積極的に摂るよう心がけましょう。
コレステロール値を下げるには、食物繊維、豆類、緑黄色野菜が有効
コレステロール値を下げるには、1日25~30グラムの食物繊維の摂取が効果的です。
目安は、野菜350グラム以上、果物200グラム、いも類100グラム程度。
さらに穀物、海藻などもしっかり摂るようにしましょう。食物繊維にはコレステロール値を低下させ、糖質の急な吸収を抑える効果があります。
豆類や大豆製品もお勧めです。大豆タンパクがLDLコレステロール値を低下させます。
緑黄色野菜は、食物繊維が摂取できるだけでなく、抗酸化作用のあるβ-カロテン、ビタミンC・E がたっぷり含まれ、動脈硬化の予防にも効果的です。
LDL(悪玉)コレステロール値を下げる食べ物・飲み物
コレステロールのバランスが崩れた状態を改善するには正しい食生活を送ることが最も重要です。
3食バランスよく食べる、夜食や間食を控える、飲酒は控えるか適量、このルールを守るだけでも 、血液中のLDLコレステロール値や、HDLコレステロール値の改善が期待できるでしょう。悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロール値を下げるには一日の食事を適正量にしたうえで、食品から摂取するコレステロール量を減らします。・野菜や海藻
・大豆製品
・魚類
LDL(悪玉)コレステロール値を下げたい方におすすめ
先程述べたように大豆にはLDL(悪玉)コレステロール値を下げる役割があります。是非献立の参考にしてみてください。
<豆腐のグラタン>
材料・2人分
・木綿豆腐 1丁
・ベーコン 1枚
・ほうれん草 1束
・牛乳 1カップ
・片栗粉 小さじ2
・塩こしょう 少々
・チーズ 40g
作り方
①豆腐はペーパータオルに包んで10~15分おき、水気を切る。2㎝角に切る。
②ベーコンは5㎜幅に切り、ほうれん草は2~3㎝長さに切る。
③鍋にベーコンを入れて軽く炒め、片栗粉を加え牛乳を注ぎ、弱火で混ぜながら煮る。
④3に豆腐、ほうれん草を加えて一煮立ちさせ、塩こしょうで味を整える。
⑤耐熱皿に4を盛り、チーズを振りかけオーブントースターで8~10分焼く。