ラム肉は、北海道では比較的よく食べられている肉ですが、全国的には牛・豚・鶏肉に比べてまだまだ身近な食品とはいえません。しかし、ラム肉は他の肉に比べて健康効果が高く、健康に対する意識が高い層やダイエッターの注目を集めている食品です。
- ラム肉とマトンの違いとは?
- 必須アミノ酸
- 不飽和脂肪酸
- たんぱく質
- 脂肪燃焼を助ける!カルニチン
- 糖質の代謝を助ける!ビタミンB1
- 脂質の代謝をサポートする!ビタミンB2
- 味覚を正常に保つ!亜鉛
- 体の老化を防ぐ!ビタミンE
- 貧血予防に効果的!鉄
- ビタミン
- ラム肉の健康効果とは?
- 低カロリーで脂肪燃焼効果が高い!ラム肉はダイエットにも最適!
ラム肉とマトンの違いとは?
北海道を代表する郷土料理ジンギスカンでもおなじみの羊肉。
「ラム」と「マトン」と呼ばれるものがありますが、違いをご存知ですか?この違いは羊の年齢に関係しています。生後1年未満の仔羊の肉を「ラム」、2歳以上の大人の羊の肉を「マトン」といいます。
ラム肉はキメが細かい肉質で、やわらかくクセがないため人気があり流通量も多いです。
一方、マトンは肉質がしっかりとしていて羊肉独特の臭みやクセがありますが、コクと旨味が強いことが特徴です。ラムに比べると流通量も少なく、主にジンギスカンや加工用に用いられます。
必須アミノ酸
ラム肉には必須アミノ酸が多く含まれています。例えば、免疫力をアップさせるリシン、アレルギーを和らげるメチオニン、食欲を抑えてくれるフェニルアラニンなどです。
ラム肉には、体内で合成することのできない必須アミノ酸がバランス良く含まれており、健康づくりに役立つ良質なたんぱく質といえるでしょう。
不飽和脂肪酸
油脂にはいくつかの種類があり、それぞれ体への影響が異なります。良い油、悪い油という言葉を聞いたことがあると思いますが、ラム肉に多く含まれているのは、良い油とされる不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸は、魚や植物性食品に多く含まれており、動脈硬化や血栓予防、血圧を下げる、悪玉コレステロールを減らす作用があるといわれています。
たんぱく質
羊肉には他の肉類と同じようにたんぱく質が豊富に含まれています。100gあたりではラムのもも肉で20.0g、マトンのロースでは19.8g含まれています。
たんぱく質は筋肉や内臓、骨、皮膚、髪の毛、血液などを作るもとになります。これらは毎日新しく作られているので毎日摂取することが大切です。
脂肪燃焼を助ける!カルニチン
カルニチンは脂肪からエネルギーを生産するのを助ける働きがあるため、ダイエットに効果的な栄養素です。体内でも生産されていますが、加齢によって減少します。赤身肉に多く含まれており、羊肉に特に豊富です。
糖質の代謝を助ける!ビタミンB1
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝にかかわっており、疲労回復を助ける効果があります。また、脳と神経を正常に保つ働きもしています。
水に溶けやすいので、煮汁も一緒に摂れる料理にすると効果的に摂取できます。
脂質の代謝をサポートする!ビタミンB2
ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えるのに欠かせないビタミンです。脂質が新しい細胞を作る手助けをすることで、皮膚や粘膜などを健康に保つことができます。
子どもや胎児の発育を助ける働きがあることから「成長ビタミン」とも呼ばれています。
味覚を正常に保つ!亜鉛
亜鉛には細胞を作り成長を促す働きがあり、美しい肌や髪を保つためにも欠かせない栄養素です。また、インスリンや性ホルモンの合成にも関わっています。
さらに、亜鉛は舌の表面の味蕾にある味を感じる細胞を作る働きがあり、不足すると味覚異常の原因になります。
体の老化を防ぐ!ビタミンE
強い抗酸化作用を持ち、体の老化を抑える効果があります。
不飽和脂肪酸の酸化を防ぎシミやしわの増加を防ぐ、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防するなどの効果が期待できます。
貧血予防に効果的!鉄
鉄は酸素を全身に運ぶ赤血球を作るために欠かせないミネラルです。また、筋肉内に酸素を取り込む働きもあり、不足すると酸素を上手く取り込めずに筋力低下や疲労を起こす原因にもなります。
体内で吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンCを含む食材と一緒にとることで吸収率がアップします。
ビタミン
ラム肉に多く含まれているビタミンは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEです。肉類には意外と多くビタミンが含まれているのですが、ラム肉には特に肌に良いビタミンが含まれているので、美容効果も期待できます。
また、ラム肉に含まれるビタミンは、摂取した栄養素がスムーズにエネルギーに変換されるのを助け、脂肪の蓄積を防ぐことができます。このことからも、ラム肉はダイエットをしている人にもおすすめの肉であるといえるでしょう。
ラム肉の健康効果とは?
・ダイエット効果
羊肉がダイエットに効果的と言われる理由は、カロリーの低さと脂肪分が溶けにくいことにあります。羊肉のカロリーは牛肉に比べると半分程度。
さらに、羊肉の脂肪分の沸点は約44度と牛や豚に比べて高いので、人間の体内で溶けにくく吸収されにくいという特徴があります。
また、体内で脂肪燃焼を助ける効果があるカルニチンが牛肉の約3倍、豚肉の約9倍も含まれています。カルニチンの含有量はラムよりもマトンのほうが多く含まれていると言われています。
・貧血予防
羊肉には鉄も豊富に含まれています。羊肉の鉄は「ヘム鉄」という体に吸収されやすい鉄なので、効率的に摂取することができます。
また、赤血球を作るために必要なビタミンB12も含まれており、さらに貧血予防効果が期待できます。また、「非ヘム鉄」という体に吸収されにくい鉄を含む食材と一緒に食べることで、非ヘム鉄の吸収率をアップさせてくれる効果もあります。
非ヘム鉄が豊富な食材は、納豆や豆腐、ほうれん草や小松菜などの青菜類です。これらの食材と一緒に食べて貧血予防に役立てましょう。
・疲労回復効果
羊肉に豊富なカルニチンには疲労回復効果も期待できると言われています。
また、糖質をエネルギーに変えるのを助けるビタミンB1も含まれているので、さらに効果が期待できます。
効果をさらに高めるには、ビタミンB1と協力して糖質をエネルギーに変える効果がある玉ねぎやニラなど「硫化アリル」が含まれる食材と一緒に食べましょう。
低カロリーで脂肪燃焼効果が高い!ラム肉はダイエットにも最適!
ラム肉の大きな特徴として、L-カルニチンが含まれていることが挙げられます。L-カルニチンが脂肪細胞と結合してミトコンドリア内に取り込まれることによって脂肪燃焼が起こります。ラム肉には、このL-カルニチンが多く含まれているので、脂肪燃焼が促進されることが期待されています。
また、L-カルニチンは加齢とともに減少していく傾向にあります。年齢を重ねるとともに太りやすくなったという人は、L-カルニチンを摂ることで体質改善ができるかもしれないですね。
「肉=高カロリー」と考えてしまう方もいるかと思いますが、ラム肉は全体的に低カロリーでヘルシーなため、ダイエット中にもおすすめです。
例えば、牛肉100gあたりのカロリーは259kcalですが、ラム肉の100gあたりのカロリーは198kcalとなっています。割とヘルシーとされる鶏肉は204kcalなので、それよりも低いとは驚きますよね。
そのためラム肉は、カロリーを抑えながら量はしっかりと確保したいという人におすすめの肉といえるでしょう。また、脂肪燃焼効果のあるL-カルニチン、不飽和脂肪酸と一緒に摂ることができる点もメリットのひとつです。