6〜8月の夏にかけて旬を迎える枝豆は、そのまま茹でておつまみにしたり、枝豆ごはんやピューレにしてソースに活用したりするなど、店舗メニューに活用できる野菜です。
- 枝豆の成長について
- 枝豆の種類と主な産地
- 枝豆を便利に使うための保存方法
- 枝豆の正しい下処理方法
- 枝豆
- 枝豆の子実
- 『健やか肌キープに欠かせない「ビタミンC」』
- むくみ解消の立役者「カリウム」
- お通じ改善に大活躍「食物繊維」
- 女性の美しさキープに必要不可欠「イソフラボン」
- むくみ解消を促すカリウム
- 腸内環境を整える食物繊維
- 筋肉を作り脂肪を燃焼させるタンパク質
- 美肌に欠かせないビタミンC
- 女性の美しさを助けるイソフラボン
- 美容効果があるアミノ酸
- 糖質が少ない
- 日本のスーパーフード「枝豆」をおいしく食べてキレイになろう!
枝豆の成長について
「枝豆」とは大豆の未成熟の豆のことを指し、完熟すると大豆になります。
大豆が熟す前の緑色の状態のときに収穫したものが枝豆なのです。植物分類学上、枝豆は野菜類に属しますが、完熟した大豆は豆類となります。
枝豆という名前は、枝付きのまま収穫されることが多かったことに由来するといわれています。また、普通の大豆だけでなく、黒豆の未熟豆のことも枝豆と呼ぶのが特徴です。
枝豆は1本の主茎から100個あまりの実を収穫することができます。しかし、実は花の7〜8割は落ちてしまい、実になるのは2〜3割程度だとされているのです。一つの葉の付け根に房がついて、房一つにつき花が3〜4つ咲きます。 その後、花の子房(しぼう)が莢になり、胚珠が実に成長する仕組みです。
枝豆の実は緑色の莢に包まれていて、莢には実を守る働きがあります。さらに、莢は実を大きくするために光合成も行っているのです。実は莢と結合しており、へそから養分を吸収して大きく成長していきます。実を構成しているのは90%が子葉、残りは胚軸となっています。
枝豆の種類と主な産地
一般的な枝豆以外に、丹波地方特産の黒豆「丹波黒豆枝豆」や、山形県特産の「だだちゃ豆」などの種類があります。
また、だだちゃ豆の中にも、甘みが強い早生品種の「甘露」や「白山」などの種類があることでも知られています。
千葉県君津市で栽培されている「小糸在来」は晩生種の品種で、栽培が難しいこともあり一時生産が衰退していました。
しかし、品質の高さに注目が集まったことでブランド化が進められ、2004年には6戸だった農家数が2011年には108戸へ増えるなど、その生産量が大幅に増えたのです。
枝豆は全国各地で生産されていますが、もっとも有名なのは千葉県の野田市です。
だだちゃ豆は山形県の特産品として知られており、山形県鶴岡市と新潟県黒崎町で主に栽培されています。また、黒豆枝豆は京都の丹波地方の特産品となっているのは有名です。
枝豆を便利に使うための保存方法
おいしい枝豆の特徴としては、枝つきで売られているもの、一枝にたくさんの莢が付いているもの、莢がふっくらとしていて実が詰まっているものなどが挙げられます。
また、枝や枝に付いている葉が茶色く枯れているものは避けたほうがよさそうです。
さらに、莢に産毛がびっしりと付いていて産毛が立っているものは新鮮な枝豆の証です。
基本的に莢がふっくらとしているものはおいしいですが、あまりにも実が大きいものは枝豆特有の香りが薄く、味も落ちている可能性があります。枝豆は収穫後、時間が経つにつれてどんどん糖分が減り味が落ちていきます。そのため、生のまま保存するのはあまりおすすめできません。
できれば、購入した日に食べるのが理想ですが、翌日くらいまでなら乾燥しないように新聞紙に包み、冷蔵庫に入れておくことができます。さらに数日保存するのであれば、固めに茹でて水を切り、ジップロックなどの保存袋で莢のまま冷凍保存しておくことをおすすめします。
冷凍したものは1カ月程度はおいしく食べることが可能です。
冷凍した枝豆を食べるときには、一度沸騰しているお湯の中に入れてさっと茹でるか、電子レンジで解凍して食べましょう。
冷凍保存した枝豆のビタミンCの量は、生の枝豆を茹でたものと比べてほとんど変わらないという実験結果があります。
再加熱を考慮し、冷凍前に茹でる場合は茹でる時間を短めにすることもポイントです。
枝豆の正しい下処理方法
枝豆は鮮度が落ちるのが早いので、購入後はすぐに茹でましょう。
下処理の方法としては、まずキッチンバサミで枝から莢を切り落とし水でよく洗います。茹でるお湯の量に対して4%の量の塩を用意し、そのうちの3分の1の量を枝豆にまぶしてこすります。こうすることで、莢についている産毛を落とすことができるのです。
産毛が落ちたらバットなどに広げ、10分程度おきましょう。枝豆から出る水分と一緒に、汚れやアクなどが浮いて出てきます。特に枝つきのまま売られているものは、汚れやホコリが多く残っている場合があります。
その後、沸騰したお湯に残りの塩と塩が付いたままの莢を入れ、固さを見ながら4〜8分程度茹でましょう。莢の口がほんのすこし開いてきたら茹で上がりの目安です。
茹で上がったら枝豆をザルに上げ、手早くうちわなどであおいで冷ますと色鮮やかになります。
ただし、早く冷ましたいからといって水をかけるのは禁物です。
枝豆に塩味をほんのり付けたいという場合は、豆を茹でる前に莢の両端を少しだけ切っておくことで、莢の中に塩分を浸透させることができます。
また、購入した当日に茹でることができず甘みが落ちてしまった豆の場合は、茹でる際に塩とほんのすこしの砂糖を加えることで、甘みのある枝豆に仕上がります。
枝豆
ひとつの葉のつけ根にふさが付き、ふさ1つに花が3~4つ付きます。
花の子房(しぼう)が莢(さや)に、胚珠(はいしゅ)が実に成長するのです。
枝豆の子実
莢は実を守り、実を太らせるために光合成も行っています。実はへそを通じて莢と結合し、へそから養分を受け取り成長していきます。
実の中は子葉が重さの90%を占め、残りは胚軸(はいじく)等で形成されています。
枝豆に秘められた栄養素・美容効果とは?
『健やか肌キープに欠かせない「ビタミンC」』
枝豆には、メラニンの抑制や肌細胞の活性化に働きかけてくれるビタミンCが豊富に含まれています。夏は強い紫外線がたくさん降り注いでいるため、メラニンが生成されやすくシミやそばかすなどができやすい季節ですが、このような肌トラブル対策に枝豆が役立ってくれるのです。
むくみ解消の立役者「カリウム」
夏は紫外線と同じくらいにむくみが気になる季節でもあります。水分の摂取量が増え、冷房などによる冷えが加わると、足や顔がパンパンになってしまうことも珍しくありません。
しかし、枝豆には体内の塩分を排出する作用や利尿作用があるカリウムが含まれています。女性の大敵といえるむくみを解消し防ぐ効果が期待できます。
お通じ改善に大活躍「食物繊維」
大豆には多くの食物繊維が含まれているため、お通じ改善のために食べるのもおすすめです。お通じが改善されると痩せやすくなることはもちろん、腸内環境がよくなるために肌荒れ対策にもなります。
女性の美しさキープに必要不可欠「イソフラボン」
女性らしい体つきや美しい肌、髪のツヤなどをキープするためには、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌を促すことが大切ですが、加齢や生活習慣の乱れがあると分泌量は低下します。そこでぜひ摂取してほしいのが、枝豆に含まれるイソフラボン。
この栄養素はエストロゲンと似たような働きをしてくれるので、乱れがちなホルモンバランスを整えることができます。若々しさをキープしたいという女性には必須の栄養素です。
枝豆はダイエット向き!ダイエットや美容に効果的な栄養素とは?
枝豆には、ダイエットや美容に効果的な栄養素が豊富に含まれています。
さらに低カロリーで糖質も少ないという、まさにダイエット向きの女性には嬉しい食材なんです。
むくみ解消を促すカリウム
女性は男性に比べむくみやすく、太りやすい方はむくみやすい体質も伴っていることが多いです。
塩分や糖分の摂取量が増え、冷えによる血流の滞りも加わると、水分が排出されずにむくみが足や顔に出てきてしまうこともあるでしょう。
枝豆には体内の塩分・糖分を排出したり、利尿作用があるカリウムが含まれていますので、むくみを予防したり改善することが期待できます。
腸内環境を整える食物繊維
枝豆には多くの食物繊維が含まれており、便秘解消にも有効です。
便通が良くなると、腸内に溜まっていた有毒なガスや老廃物が排出され、腸内の悪玉菌と善玉菌のバランスが正常になります。
腸内環境が整うと、代謝の効率がアップし痩せやすくなることはもちろん、肌荒れ防止や老化対策にもなります。
筋肉を作り脂肪を燃焼させるタンパク質
枝豆にはタンパク質も多く含まれます。
タンパク質は人間の筋肉や臓器やホルモンなどを形成する材料となり、エネルギー源にもなる、人体になくてはならない栄養素です。
タンパク質を多く摂取することで身体や脳に栄養が届けられ、心身の不調を防いだり、記憶力や思考力が低下するのを防ぐことができます。
さらに、タンパク質を多く取り入れる食生活に適度な運動習慣を組み合わせることで、筋肉量を効果的に増やして基礎代謝を上げ、脂肪を燃焼させやすくする効果も期待できます。
美肌に欠かせないビタミンC
枝豆には、シミ・そばかすの元となるメラニンを抑制したり、肌細胞へのダメージを防いでくれるビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは、自身が酸化されることで他の物質を還元する作用があり、体内での様々な酵素反応に必要な金属イオンと反応して酵素の働きを助けています。
特に美容面では、ビタミンCはタンパク質とともに皮膚や骨、血管に多く含まれるコラーゲン繊維を作るために重要な成分です。
コラーゲンは、皮膚や骨、血管の弾性や潤いを保ち強度を高めるので、お肌の若々しさを維持するのに役立っています。
ヒトを含む霊長類などは、体内でビタミンCを作る酵素を持たないため、食事からビタミンCを摂り続ける必要があります。
女性の美しさを助けるイソフラボン
美しい肌や髪のツヤなど、女性ホルモンの正常なバランスをキープするためには、女性らしいからだづくりを助けるホルモンである「エストロゲン」の分泌を促すことが大切です。
生活習慣の乱れや老化によって、このホルモン分泌量は低下したり、バランスが崩れたりします。
枝豆に豊富に含まれるイソフラボンという栄養素は、エストロゲンと似たような働きをしてくれますので、エストロゲンの不足を補い乱れがちなホルモンバランスを整えます。
若々しさや女性らしい美しさを望む女性には必須の栄養素です。
美容効果があるアミノ酸
枝豆に含まれる「メチオニン」は必須アミノ酸の一種で、肉や魚などの動物性食品に多く含まれますが、植物性食品として多く含まれるのは珍しい栄養素です。
メチオニンの効果として、肝機能改善作用、免疫増強作用などが報告されています。
メチオニンは体内で「グルタチオン」や「タウリン」に変換され、脂肪燃焼に関わる「カルニチン」を構成する原料ともなります。
「グルタチオン」は免疫力に関わる成分、「タウリン」はコレステロール分解を促進し肝機能を助ける成分です。
二日酔い防止やダイエットに良いため、お酒のおつまみには最適なのですね。
また、お肌の一番外側にある角質層の潤い成分の半分以上はアミノ酸でできていますので、 アミノ酸を補うと角層の保湿力やバリア機能を高めることができます。
アミノ酸は角質層の健康状態を整え、お肌本来の回復力を引き出します。
アミノ酸が十分に足りていることで、お肌のターンオーバーが正常に働き、美しいお肌になります。
糖質が少ない
どんなにダイエットに効果的な栄養素がたくさん含まれている食材でも、糖質が多いと効果的に痩せることは難しいでしょう。
枝豆は、そら豆やスイートコーンなど他の食材と比べても1gあたりの糖質は比較的少ないです。
日本のスーパーフード「枝豆」をおいしく食べてキレイになろう!
枝豆は茹でて塩をふって食べるのが主流ですが、味に飽きてしまうこともありますよね。
「枝豆と鰹節のたたき和え」のレシピ
1.枝豆1袋をざっと水洗いしてから小さじ1/2の塩をふり、塩もみする
2.2リットル程度のたっぷりの熱湯で4~5分程度茹で、ザルにあげる
3.うちわなどで粗熱を取り、さやから豆を出す
4.豆をビニール袋に入れて綿棒などで軽く叩き、豆の食感が残る程度に砕く
5.4を皿に出して鰹節1パックとしょうゆ大さじ1、みりん小さじ1/2、生姜チューブ小さじ1を混ぜて完成
調理が簡単な枝豆は他にもたくさんのアレンジレシピがあります。意外な調理法かもしれませんが、オリーブオイルと鷹の爪、ニンニクとあわせて焼き、ペペロンチーノ風に仕上げた枝豆料理も人気です。
また、枝豆の栄養をあますことなく摂取したいという場合には、茹でや焼きではなく蒸して調理するのがおすすめです。 おいしく枝豆をたくさん食べて、肌ストレスが多い夏を乗り切りましょう!