エダマメは大豆(ダイズ)が完熟する前の若い状態で収穫して食べるもので、タンパク質やビタミン類を豊富に含んだ健康食としても注目されています。
サッと茹でるだけで食べられる手軽さと高い栄養価から、ビールのおつまみ、お子様のおやつとして愛されています。
- 大豆の起源
- 食文化
- 枝豆の名前の由来
- 日本での発祥
- エダマメの種類
- 枝豆は
- 枝豆=熟す前に収穫された大豆
- 枝豆の分類は「豆類」ではなく「野菜類」
- 茶豆や黒豆も!枝豆の種類とブランド
- 枝豆
- 枝豆の子実
- 枝豆と大豆は同じものか?
- 枝豆の主な栄養素の特徴と効果・効能
- 枝豆の薄皮や「さや」も栄養たっぷり!
大豆の起源
しかし近年ではイネ(稲)と同じ中国南西部の雲南省とする説が合理的であるとする研究者が多く、正確には特定されていません。
中国では古代から五穀(米、麦、アワ、キビまたはヒエ、豆)の一つとして大豆は栽培されており、文献的には、古代・周の時代の中国最古の詩篇「詩経(シキョウ)」(紀元前1046年)の中に、シュウ(大豆)が栽培され、煮て食べていたという記述があります。
このことから中国では4000年前から栽培されていたと考えられています。
食文化
枝豆(未成熟な大豆)として食べ始めた時期は定かではありませんが、奈良あるいは平安時代には食されていたのではないかともいわれており、江戸時代の中期の文献では、「大豆をサヤ葉の柔らかいうちから食べた」、「夏に枝豆売りの姿が町でみられた」などの内容の記述が残されています。
現在のように枝からサヤを外した状態ではなく、枝についたままの状態で茹でたものが売られており、当時はその状態で食べ歩いていることからファーストフードのような存在だったのではないでしょうか。
旧暦9月13日の月を「豆名月(マメメイゲツ)」とよんで、枝豆を供える習慣もこの頃から拡がったとされています。
枝豆の名前の由来
古くは庭先やあぜ道に栽培していたことから、「畦豆(アゼマメ)」と呼ばれていました。
その後、枝付きのまま売られ、食されていたことにより、「枝付き豆」と呼び、それが「枝豆」へと呼び方が変化したとされています。
日本での発祥
しかし近年、出土した土器内部の植物圧痕として発見され、縄文中期から後期にかけては日本列島における存在が確認されています。
この時期以前に大陸から栽培種大豆がもたらされたか、あるいは日本列島において独自にツル豆からの栽培化が起こったか等の、可能性が考えられていますが、正確にはわかっていません。
エダマメの種類
子実の色によって黄豆種、茶豆種、黒豆種、青豆種に分類されます。
黄豆種は最も一般的なエダマメ品種で、ダイズ用、エダマメ用としてそれぞれ改良されているため、品種の特性の幅は広い。色は黄色又は淡緑色。
茶豆種は新潟や山形地区などの在来品種で、独特の香りを持ち、甘みが強い。熟期は一般に遅く、莢は小さく茶毛で、倒伏しやすく病気にも弱いのが特徴です。
茶豆よりは作りやすく大莢だが、茶毛。
黒豆種は丹波地方の黒大豆枝豆が代表的で、茶豆のように特有の香りはないが、糖度が高く、種子がやわらかい。
青豆種の主な用途は、煮豆、浸し豆、豆腐、きなこ原料で、エダマメとして食べると独特の旨みがあります。
枝豆は
中国から稲作とともに日本に伝わり、江戸時代に枝付きのまま茹でて、売り歩かれていたところから、枝豆と呼ばれるようになりました。
“畑の肉”と呼ばれる大豆は良質なたんぱく質で、糖質、脂質、ビタミンB1、B2、カルシウムを多く含んでいますが、枝豆は大豆には無いビタミンCをたっぷり
含んでいます。
枝豆には
疲労回復や夏バテ防止、肝機能をアップさせる効果があります。冷えたビールのおつまみによく使われる枝豆は、夏にぴったりなおつまみですね。
枝豆をおいしく食べるには鮮度が大切です。
ちょっと手間はかかりますが枝付きがおすすめです。
そして、茹でたてを食べるのが一番おいしいのですが、枝付きでは量が多くて食べ切れそうにない時は、かために茹でて冷凍保存が可能です。
おつまみとして
そのまま食べるだけではなく、すりつぶして“ずんだ”として和え物にしたり、みそ汁やスープ、かき揚げ、ピラフの具にするなど、鮮やかな緑色を生かして、いろいろな料理に使ってみましょう。
枝豆=熟す前に収穫された大豆
枝豆とは、未成熟の状態で収穫された大豆のこと。
つまり、枝豆と大豆はもともと同じもので、まだ色が青いうちに収穫されたものを枝豆、完熟して茶色くなってから収穫されたものを大豆と呼んでいるのです。
実際には、枝豆として食べるのに適した枝豆専用の品種と、大豆としての利用に適した大豆専用の品種に分かれていることがほとんどで、目的に応じて使い分けられています。
枝豆の分類は「豆類」ではなく「野菜類」
植物分類上は同じ「マメ科ダイズ属」に属する枝豆と大豆ですが、栄養学の観点からは異なるカテゴリーの食品として扱われます。
大豆が豆類とされるのに対し、枝豆が分類されるのは野菜類。
体内での働きに基づいて食品を色分けする「三色食品群」の考え方でも、大豆は「赤(体をつくるもとになる)」のグループに、枝豆は「緑(体の調子を整えるもとになる)」のグループに分類されています。
茶豆や黒豆も!枝豆の種類とブランド
現在国内で栽培されている主な枝豆は、もっとも流通量が多い白毛豆(青豆)、豆の薄皮が茶色い茶豆、黒大豆を未熟なうちに収穫した黒豆の3種類。
特定の地域だけで栽培されている在来品種が多く、希少価値の高いブランド枝豆も数多く存在しています。
山形県庄内地方の「だだちゃ豆」や、兵庫県丹波篠山市などの「丹波黒(黒豆枝豆)」は、ブランド枝豆の代表格です。
枝豆
1本の主茎(しゅけい)から100個ちかくの実を収穫することができる枝豆ですが、花が咲くとそのほとんどが実になるイネ(稲)に比べて、枝豆は7~8割の花が落ちて、2~3割ほどしか実になりません。
ひとつの葉のつけ根にふさが付き、ふさ1つに花が3~4つ付きます。
花の子房(しぼう)が莢(さや)に、胚珠(はいしゅ)が実に成長するのです。
枝豆の子実
莢は実を守り、実を太らせるために光合成も行っています。実はへそを通じて莢と結合し、へそから養分を受け取り成長していきます。
実の中は子葉が重さの90%を占め、残りは胚軸(はいじく)等で形成されています。
枝豆と大豆は同じものか?
枝豆は、未成熟な大豆を収穫(しゅうかく)したものです。
大豆として収穫するための品種の若さやを食べていましたが、近年は、枝豆専用の品種が、400以上あるといわれています。
大豆は「畑の肉」とよばれるほど栄養価が高いものですが、枝豆にもタンパク質、カルシウム、ビタミン、食物繊維などの栄養分がたくさん含まれています。
枝豆の主な栄養素の特徴と効果・効能
枝豆は、大人のおつまみはもちろん、子どものおやつや赤ちゃんの離乳食にもぴったりな栄養満点の食材。
タンパク質:筋トレにもおすすめ
「畑の肉」と呼ばれる大豆と同様、枝豆も良質なタンパク質をたっぷりと含んでいます。
筋肉・骨などの体づくりや、体内のホルモン・酵素などの生成を担うタンパク質は、人体に欠かすことのできない重要な栄養素です。
枝豆に含まれる植物性タンパク質の特徴は、肉や魚などの動物性タンパク質に比べて脂肪が少ないこと。
高タンパクなのにヘルシーなので、筋トレの効果を引き出す食材としても注目されています。
イソフラボン:美肌・美容に役立つ女性の味方
イソフラボンは、枝豆の胚芽部分に多く含まれているポリフェノールの一種です。
体内で女性ホルモンに似た働きをして肌のハリ・ツヤを保ったり、しわやたるみを改善したりする美肌効果を発揮してくれます。
ホルモンバランスの乱れによる女性の心身の不調や、更年期障害の症状を和らげる効果も有名です。
メチオニン:アルコールを分解!二日酔いにも効果あり
肝臓の機能を司るアミノ酸・メチオニンも、枝豆の特徴的な栄養素。
枝豆は、野菜類の中でダントツのメチオニン含有量を誇ります。
肝臓でアルコールが分解されるときに欠かせない成分で、二日酔い対策の薬に含まれていることも。
ビールと枝豆の定番コンビは、アルコール分解の観点からも理にかなった組み合わせです。
ビタミンB1などのビタミン類:疲労回復・夏バテ防止
枝豆に含まれるビタミン類で代表的なのは、ビタミンB1・B2。
体内で糖質や脂質を分解してエネルギーをつくり出すので、疲労回復や夏バテ防止に役立つことで知られています。
枝豆はビタミンCも豊富に含んでいて、免疫力アップにも効果的。
これらのビタミン類は、メチオニンとともにアルコールの分解を助ける役割も果たしています。
カリウム:高血圧防止・むくみ解消
枝豆に含まれているカリウムは、細胞内液の浸透圧を調節するミネラル。
余計なナトリウム(塩分)を体外に排出するので、血圧を下げて高血圧を予防する効果があります。
むくみの解消や、筋肉の収縮を正常に保つのにも有効な成分です。
枝豆と大豆に含まれる栄養素の違い
野菜類に分類される枝豆と、豆類に分類される大豆の栄養素を比較してみると、両者の間にははっきりとした違いがあります。
それは、枝豆が野菜類に特徴的なビタミンCやβカロテン、葉酸などの栄養素を含んでいること。
これらは、大豆にはほとんど含まれていない成分です。
一方、豆類に特徴的なタンパク質やイソフラボン、メチオニンなどを豊富に含んでいることは、枝豆と大豆の共通点。
枝豆は、豆類と野菜類両方の栄養的特徴をあわせ持った、いいとこどりの食材です。
枝豆の薄皮や「さや」も栄養たっぷり!
普段は捨ててしまうことの多い枝豆の「さや」。
実は、食物繊維やβカロテンが豊富に含まれていて、捨ててしまうのはもったいない部分です。イチオシの食べ方は、さやのかたい筋を取ってから素揚げや唐揚げにする枝豆のさやチップス。
さやを30分ほど煮込んで作る栄養たっぷりの野菜だし(ベジブロス)は、スープや煮込み料理など、さまざまなメニューに活用することができます。
また、枝豆を1粒ずつ覆っている薄皮も、実は食物繊維の宝庫。
便秘予防に抜群の効果を発揮するので、薄皮はむいたり取り除いたりせず、そのまま食べるのがおすすめです。