緑色が鮮やかで、料理をおいしく見せる素材としても人気があります。店頭には、サヤエンドウだけでなく、スナップエンドウ、サトウザヤ、グリーンピースなど、エンドウ豆類がいっせいに並びます。
緑鮮やかで身が薄くて柔らかいサヤエンドウは、サヤを食べるもので、サヤにシャキシャキとした食感と甘みがあります。一方、同じエンドウ豆類でもグリーンピースはさやではなく、中の実を食べるものです。
もともとはサヤエンドウとグリーンピースは同じ種
サヤエンドウとグリーンピースは、確かに見た目も異なりますし、さやを食べるか、実を食べるかという大きな違いがあるので、全く違う種類のように思われることも少なくありません。
しかし、もともとは同じ種で、昔はさやごと食べるサヤエンドウとして若いうちに収穫し、一部をグリーンピース用に残して実を成熟させていました。
今は品種改良が進んで、それぞれ専用の種を使っていますが、サヤエンドウを成熟させればグリーンピースになるわけですから、家庭菜園などで試してみるのもおもしろいですよ!
えんどう豆の収穫タイミング | 豆の名称 |
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エンドウの若い時期に収穫したもの | さやえんどう |
少し成長して中の豆が未成熟な状態で収穫したもの | グリーンピース |
中の豆が完全に成熟した状態で収穫したもの | えんどう豆 |
スナップエンドウ
・特徴
グリンピースをさやごと食べられるように品種改良したもの。肉厚で甘みが強い。
・歴史
日本にはアメリカから導入され、1970年代から出回るようになりました。
グリンピース
・特徴
えんどうのさやの中の豆をある程度大きくなるまで成長させ、完熟する前のやわらかい状態の時に収穫したもの。
・歴史
日本では明治時代になってから普及したとされています。
・グリーンピースの栄養素
グリーンピースには、デンプンやたんぱく質、糖質の他、カリウム、亜鉛、銅、マンガン、鉄などのミネラルが小粒ながらも豊富に詰まっています。
また、ビタミンB1も多く含んでおり、疲労回復を助けてくれる働きがあります。
グリーンピースの栄養素の中でも特に食物繊維が豊富で、これは野菜の中でもトップクラスです。
不溶性食物繊維が多いため、便秘の改善に役立つとされています。
また、ナイアシンも多く含み、皮膚や消化管、神経の健康を保つ働きがあるとされており、グリーンピースは優秀な食材なのです。
グリーンピースの正体はサヤエンドウだった!?
グリーンピースは缶や冷凍野菜など、豆だけが沢山詰まった状態で売られていることが多く、元の植物の姿を見る機会はあまりありません。
そのためグリーンピースはブドウの房のようにまとまって生えたものが収穫されていると思っている人さえもいます。
あまり知られていないグリーンピースの正体ですが、実はグリーンピースとは「さやえんどう」の事だったのです。
とは言え、そう聞いたとしてもさやえんどうとグリーンピースでは豆の大きさが全然違うのでピンときませんよね?
さやえんどう
・特徴
えんどうを若いうちに採り、さやごと食べるもの。その中でも特に小ぶりなものは、「絹さや」とも呼ばれます。
・歴史
最初は江戸時代にヨーロッパから伝えられたようですが、本格的に普及したのは、欧米から良質な品種が導入された明治時代になってから。
ビタミンA、B、Cが豊富
『スナップエンドウ』は1970年代にアメリカから導入された品種で、ペタンとしたサヤエンドウに比べて少しふくらんだ形をしています。
サヤに甘味があり、パリッとした食感が楽しめるエンドウです。
『サトウザヤ』は一般的なサヤエンドウより糖度が高いので、その名が付けられています。
サヤエンドウをはじめとするエンドウ類には、抗酸化作用のあるビタミンC、細胞へのエネルギー供給に欠かせないビタミンB群が含まれます。
また体内でビタミンAに変わるβカロテンも豊富で、発育を促進したり、肌の健康を維持する効果があるそうです。緑色が鮮やかなエンドウ類は食卓を春らしく華やかに彩ります。旬の味をたっぷりいただきましょう。