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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

鰹節 | 削り節

「削り節」と「鰹節」って同じ言葉で呼んでしまうけどどこが違うんだろう・・・

食卓を囲んだ会話の中で「サラダに削り節をかけて」、「サラダに鰹節をかけて」と言われた時、なんとなく言いたいことはわかるけど・・・と疑問に思ってしまいませんか?

和食が2013年にユネスコ無形文化遺産として認められ、和食(日本食)が世界中の人々から注目されるようになり、和食の基本となる「だし」という言葉も注目され始めました。

また「だし」にまつわる単語も知られるようになり、鰹節やサバ節などもだしを取る時のアイテムとして認知され始めています。

 

鰹節の歴史と鰹節を削るわけ

鰹節は日本人にとってとても身近な食材です。

鰹節の発祥はモルジブと言われていますが、カツオと日本人の関わりは古く、縄文時代の遺跡にも鰹の骨が見つかっています。カツオはくさりやすい初夏から秋にかけて大量に釣れたので、古くから生のままで食べきれない分を乾物に加工し、保存する習慣があったようです。

6世紀末の飛鳥時代には鰹節の原型となる「干し鰹」と「煎汁(いろり)」が作られました。

干し鰹はカツオをそのまま干したもので「堅魚(かたうお)」とも呼ばれ、煮てから干したものを「煮堅魚(にかたうお)」と呼びました。煎汁は、堅魚の煮汁を煮詰めたものです。どれも保存がきくため年貢の代わりとして献上されました。

延長5年(927年)に後醍醐天皇の命により撰集された『延喜式』(平安時代前期の法律、社会を知る重要な文献)に、駿河国焼津浦より「堅魚(かたうお)」、「煮堅魚(にかたうお)」、「堅魚(かたうお)煎汁(いろり)」の貢租があったと記述されています。また、奈良の正倉院に保存されている『駿河国正悦帳』にも、焼津を中心とした地域が煮堅魚の特産地として記録されています。

そして鰹節を削った花かつおは、「室町時代(1489年)に書かれた書物、「四条流包丁書」に花鰹という字が見られ、「包丁聞書」(1540年)には、「雑煮の上置」に花鰹が使われたと書かれています。

もともとは、だしを取るためにそのまま使われていたと思われますが、当時の料理本に花かつおの記述がたくさん見られることから、堅い鰹節を薄く削って日々の料理に使われていたことが想像されます。

花鰹という言葉は、現代では「花かつお」と表記されることが多いのですが、当時の鰹節も薄削ると中の紅色の部分が美しく、花びらのようにみえたのだと考えられます。

今も昔も花かつおの色はとても食欲をそそる色合いなのは変わらないのでしょう。

 

削り節と鰹節の違い

「削り節」とは「鰹節」を削ったものです。
「鰹節」とは、かつおで作った節(ふし)を指します。削っていない固い塊の状態のことです。
削り節と鰹節の言葉尻は似ているのですが、実は似ているようで、まったく違うものなのです。

鰹節とは

「鰹節(かつおぶし)」とは、“かつお”を節にしたものです。
百貨店やスーパーで見かける、削っていない節を鰹節といいます。

■ 鰹節の作り方は ■

①生の鰹を切る(生切り)
②煮る(煮熟・・・しゃじゅく)              
③骨を取る
④煙と熱で乾燥させる(焙乾・・・ばいかん)

以上の工程を完了すると荒本節となるのですが、このすべての工程を終了するまでに30日程度掛かります。

削り節とは

「削り節」とは、鰹節やサバ節と言われるように“節”になった状態のものを削ったものです。
鰹節を削る会社では、高速回転する円盤にカンナの刃を14枚~16枚程度取付け、指定の厚みに削っていきます。また、自宅で削り節器を使って削ったものも削り節と言います。
「削り節」、「鰹節」というと混同してしまいがちですが、“鰹節の姿のままか、削ってあるのか”の形状で呼び方が変わっていくのです。

 

削り節の種類

削り節と一言でいってもさまざまな種類があります。
ここでは、削り節の代表的な形状に付いてお話しさせていただきます。

花削り(薄削り)

花削りとは、節を0.06mm程度に薄く削った花びらのような削り節です。
薄削りともいいますが、どちらの呼び方も“薄く削った削り節”という意味合いです。この削り節は料理の万能選手で、だし取りやおにぎりの具材・お好み焼きの上に振りかけたりと使い勝手が良いのが特徴です。

厚削り

文字通り、厚く削った削り節の事です。厚削りの厚みは1mm程度ですので、直接料理に使うというよりもだし取り用としての使用がメインとなります。

砕片(さいへん)

削り節砕片または、破砕(はさい)といいます。
削り節の切削工程で、一度節を削った後、特別な機械を使って更に細かくしていきます。
削り節では3g程度の小袋包装に使用されることが多く、あらかじめ細かく裁断されているため、トッピング用として直接料理にふりかけて使用する事が多い削り節です。

粉末

粉末タイプの削り節は、削り節粉末とも呼ばれます。
料理の隠し味として使う事が多いのではないでしょうか。
おでんの上にふりかけて食べる事が多く、青のりと削り節粉末を混ぜた“おでん粉”と呼ばれ、親しまれています。もちろん単体の削り節粉末としても販売されています。
だし取りとしては細かい粉末タイプですので、だしの出方が早いのが特徴です。

 

色の違い

左が枯れ節(カビ付けをした削り節)、右が荒節(カビ付けしていない削り節)です。色は右の荒節の方が濃い琥珀色をしています。鰹枯れ節削り節は薄い金色という感じの色です。

 

香りの違い

色だけでなく香りも花かつおの方が強く出ています。かつおの香りの奥に少し香ばしい感じもあります。

枯れ節は、荒節にあったツンとくるところがなくなりました。燻煙臭も感じません。かつおの香りが柔らかくなっています。これはかつお節の製造工程で燻したときに付いたタールを落とし、その後に付けたカビによる効果を感じます。

 

味、うまみの違い

味も荒節の方がパンチがあります。荒節は香りの強さと魚っぽさが残っているので口にしたときにインパクトを感じます。酸味と渋みも少し感じます。口の中からかつおの風味が消えていくのは早いです。口にしたときのインパクトが強くスッと消えていく感じです。

枯れ節は味に尖っている感じがなくて、魚臭くなくスッキリしていて最後にぽわーっとしたうまみが残ります。
口の中で風味が消えていくまでに時間がかかるのも枯れ節のだしの特徴であり、うまみの多さを感じるところです。

 

風味の違いをまとめると

カビを付けていない荒節は、味も香りもパンチがありますが、口からかつお風味が消えていくのが早いです。
カビを付けた枯れ節は、味も香りが丸く柔らかい感じで、口の中で余韻(うまみ)を長く感じられます。

 

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