「おじや」と「雑炊」は、あらかじめ炊いたお米を使います。炊いたご飯に、出汁や具材を入れて煮込んだものです。
一方で「おかゆ」は、水の分量を多くして、生米から炊いたものを指します。ただ、基本はこの生米から炊く「炊き粥」のことをおかゆと指しますが、すでに炊いてあるごはんとお水で作る「入れ粥」もあります。
「おじや」と「雑炊」は、地域や家庭で呼び名が変わっているだけで、明確な違いの基準はありません。
同じようなものではありますが、あえて違いの傾向をあげるなら、調理法は味付けの点でしょうか。
重湯(おもゆ)とは…
重湯(おもゆ)とは、米に対して10倍程度の水でお粥を炊いた時にできる上澄み液を指します。
お米を材料として作るのでとろみがつき、また消化にも良く、古くから日本で愛されてきた食事のひとつです。
また、日本では昔から流動食として、風邪を引いた時や手術後の回復食などの体調の優れない時の食事として、または介護食として、そして赤ちゃんの離乳食にと、さまざまなシーンで活躍しています。
重湯が介護食や離乳食に使用される点でお分かりいただけるように、重湯は胃に優しいという特徴があります。
また重湯の主成分は水分と糊状のデンプンのため、水分と糖分の補給に非常に役立つのです。
重湯とおかゆの違いとは?
重湯とお粥の違いって?と疑問に思われる方も多いかと思います。
お粥も重湯も材料としては同じく生米と水ですが、お粥はお米を水で柔らかくなるまで炊いたものに対して、重湯は柔らかくなるまで炊いたお粥から固形物、つまりお米を取り除いたものとなります。
重湯のほとんどは水分のため、カロリーは100gあたり、19kcalとそれほどカロリーは高くありません。
おかゆは胃に優しい食べ物
おなかをこわしているときは、胃の負担が少なく、消化が良いものを選びたいですね
おかゆは噛まずに飲み込むので胃に負担が掛かると考えられているようです。おかゆに限らず、かまないでのみ込んでしまうことは胃に負担が掛かりやすくなります。
よくかむことで、唾液の分泌が促進されます。唾液の中には消化や吸収を助けたり、細菌の増殖を抑えたりする成分がたくさん含まれています。また、胃液の分泌も盛んになり、胃での消化の準備が整うのです。そこへ細かくかみ砕かれた食べ物が送られ、速やかに消化吸収されるので、胃の負担は少なくなります。おかゆを召し上がる時、のみ込まずによく噛むようにすると良いでしょう。
おかゆは胃に優しい食べ物の代表選手です。体を温める効果もありますし、水分を多く含んでいることから嘔吐(おうと)や下痢で失われた水分を補うのにも有効です。消化吸収の妨げになる食物繊維が少ないので、胃に残っている時間が短く、胃への負担は少ないと考えられています。
おかゆの他にも胃に優しい食べ物として、うどん、鶏肉のささ身などの脂肪の少ない部分、牛・豚肉の赤身のひき肉、白身魚、豆腐、納豆、牛乳、ヨーグルト、軟らかく煮た野菜(キャベツ、ダイコン、ジャガイモ、サトイモ、カボチャなど)があります。
避けたい食べ物としては、生ものや脂っこいもの、食物繊維を多く含むキノコやゴボウなど、辛いもの、味の濃いもの、熱過ぎるもの、冷た過ぎるもの、アルコール、カフェインを含むコーヒーなどです。胃腸の調子を崩した後は食べることがちょっと怖くなりますが、回復には体力が必要です。水分をしっかり取り、栄養のある物をよくかんで食べましょう。食べ過ぎず、腹八分にとどめておくことも大切です。
重湯とはお粥の汁のことだった!
重湯とは、伝統的な流動食の一種で!
5分粥以上で出るお粥の汁のことです。
よく病院や乳児の流動食として出されているのを見ますね。
重湯の主成分は水分とデンプンで消化がとても良く、水分と糖分を効率よく補給できるので断食の回復食などにはもってこいの食事です。
ちなみに、本格的な断食を行う際には回復食として重湯から始めることもあるそうですよ♪長い期間、食事を摂ってない状態で、いきなり通常の食事を摂ることはとても危ないと。そのため、ほぼ液体に近い重湯から食べ始めて、体を慣れさせていくことが大切です。
物足りない感じもするかもしれませんが、最初はこのくらいの食事でも本当においしく感じるし、感動すら覚えます…
※長期の断食を行うときには、断食道場など、断食について詳しい専門家がいる施設で行いましょう。