一番茶は、その年の最初に生育した新芽を摘み採ってつくったお茶のことで、新茶と呼ばれることもあります。以降、摘み採った順番により、「二番茶」「三番茶」と呼ばれます。「一番茶」のことを「新茶」と呼ぶこともあります。「一番茶」はその後に摘み採られる「二番茶」「三番茶」などと対比して使われることが多く、「新茶」は1年で最初に摘まれる「初物(はつもの)」の意味を込めて、また「旬」のものとして呼ばれます。
地域によっては、三番茶を摘み採らずに、秋口に摘む「秋冬番茶」もあります。
新茶
「新茶」とは、その年の最初に生育した新芽を摘み採ってつくったお茶のことです。
鹿児島などの温暖な地域から摘み採りが始まり、桜前線と同様に徐々に北上していきます。
「新茶」と「一番茶」とは基本的に同じお茶のことで、呼び方が異なるだけです。その使い分けとしては、「一番茶」はその後に摘み採られる「二番茶」「三番茶」などと対比して使われることが多く、「新茶」は一年で最初に摘まれる「初物(はつもの)」の意味を込めて、また「旬」のものとして呼ばれる際などに使われます。
新茶の特徴は、何といっても若葉の「さわやかですがすがしい香り」です。また、旨み、甘みの成分であるアミノ酸が多い傾向にあります。一番茶は一年間で最も品質のよいお茶とされていて、苦みの少ない新鮮な香りとさわやかさのある味わいが特徴です。
旨味を感じる成分「テアニン」は低い温度でも溶け出すため、冷茶として飲んでもおいしいんですよ。
またテアニンにはリラックス効果があると言われているので、一息落ち着きたい時におすすめです。
二番茶とは?
2度目として摘まれる茶葉が「二番茶」と呼ばれます。二番茶は一番茶よりもカフェインやカテキンが多く含まれているため、苦みの強いお茶を味わうことができます。
日照時間が長い静岡県掛川市で栽培される茶葉には、このカテキンが他の茶葉に比べ多く含まれています。
カテキンはコレステロールの抑制を期待できる嬉しい成分なので、注目してみてはいかがでしょうか?
「一番茶」「二番茶」って?
栽培地域や品種によって時期は前後しますが、主な摘採時期は年に4回です。
- 一番茶→4月下旬〜5月下旬
- 二番茶→6月中旬〜7月上旬
- 三番茶→7月下旬〜8月上旬
- 四番茶(秋冬番茶)→9月下旬〜10月上旬
一般的に、摘採時期は気温が高ければ高いほど早くなるため、日本で最も摘採が早いのは鹿児島県、最も摘採が遅いのは奈良県や静岡県の標高の高い地域となります。
上記の摘採時期は、静岡県の平均的な摘採時期を参考にしています。
番茶って?
番茶は「晩茶」とも書き、晩(おそ)い時期に摘んだ、古い葉や硬い葉で作られた下流茶のことを指します。
地域や生産者によって、二番茶以降を番茶と呼ぶ場合もありますし、三番茶以降をそう呼ぶ場合もあります。また、新芽が伸びすぎて硬くなった葉や、通常の摘採期から遅れて出てきて摘み残され次の摘採期に摘まれた葉、煎茶の仕上げ工程で葉が大きすぎて選別された葉、整枝のため刈り取った茎や葉なども番茶となるため、非常に意味合いの広い言葉です。
通常のお茶と同じように加工され、安価な茶葉として販売されたり、苦渋味をカバーするためにほうじ茶として販売されたり、ペットボトル茶などの各種原料茶となったりと、様々な用途があります。
一番茶の特徴
一番茶(新茶)は1年間で最も品質が良く、かつ最も高値で取引されるお茶です。
渋味の原因となるカテキンが少なく、甘味・旨味の要因となるアミノ酸テアニンが多く含まれているため、お茶の甘味・旨味を楽しむことができるお茶です。また、新緑のような爽やかな香りが楽しめるのも、一番茶の特徴の一つです。
一番茶が一番美味しいといわれる理由は、育成速度が関係しています。
二番茶・三番茶の場合は萌芽から1ヶ月前後で摘み取られますが、一番茶は前年の最後の摘採(秋整枝)から半年ほどかけて、たっぷりと栄養分を蓄えてながらゆっくりと成長します。その分旨みや香りが詰まっているのです。
ちなみに「一番茶」と「新茶」の使い分けですが、「一番茶」はこの記事のように二番茶や三番茶などほかの時期に摘み取られたお茶と区別するときに使い、「新茶」は今年初めて摘まれた「初もの・旬のもの」という意味で使われることが多いようです。
二番茶の特徴
二番茶の摘採は、一番茶の摘採から40日前後で行われます。
一番茶の摘採後に萌芽した芽を摘んで作られるのが二番茶で、日照時間が長い時期に生育するため、「カテキン」を多く含みます。そのため一番茶に比べて苦く感じる人もいますが、抗菌・生活習慣予防などに良いとされています。
二番茶は、通常のように加工され廉価な茶葉として販売される場合もありますし、ペットボトル茶の原料として買われる場合もあり、一番茶と比べると大きく値段は落ちますが、生産者の収入を支える大事なお茶なのです。
三番茶・四番茶・秋冬番茶の特徴
二番茶のさらに1ヶ月ほど後に摘採が行われるのが三番茶。そして更にその1ヶ月後に摘まれたお茶が秋冬番茶(四番茶)と呼ばれます。
一番茶・二番茶と比べると味も香りも栄養も著しく落ちるため、非常に安価で販売されるお茶です。「カテキン」の苦渋味をカバーするために、ほうじ茶に加工されたり、ペットボトル茶の原料や加工の原料茶として使われることが多いお茶です。
一般的に、摘採を行う度に茶樹はダメージを受けます。そのため、翌年の一番茶の品質向上のため二番茶以降を収穫しない生産者もいらっしゃいます。
また、三番茶や秋冬番茶(四番茶)は非常に安価なため、電気代や加工費のかかるお茶の製造は行わず、茶園の管理のために刈り落としのみを行う場合もあります。
一番茶と二番茶の違い
茶葉を摘む時期は、栽培する地域やお茶の品種によっても異なりますが、基本的には年4回に分かれます。
日本国内でも、九州など温暖な地域ほど一番茶の収穫時期が早くなります。国内でもっとも早い新茶が採れるのは、九州最南端の鹿児島県といわれています。
一番茶(新茶)は、4月下旬~5月下旬に摘まれるお茶で、すべてのお茶のなかでもっとも早く摘み取られます。その年の最初に摘む茶葉なので、他のお茶と比べても茶葉がやわらかく、香りや甘み、旨味もあります。値段も他と比べると高めです。
二番茶は、6月中旬~7月上旬に摘み取られます。一番茶を摘み取ったあとに残って育った茶葉を使うため、長期間日光にさらされて育ち、一番茶よりも多くカテキンを含みます。
そのため、甘く旨味の強い一番茶に比べて苦味や渋味があります。
一番茶の賞味期限
一番茶の賞味期限は製品によって異なりますが、製造日から1年ほどが多いです。
保存方法は常温でOKですが、高温多湿や直射日光が当たる場所を避けましょう。
なお、開封後はしっかり袋を密封してなるべく早めに飲み切ってください。