これからもっと寒くなり、風邪などの感染症が流行する原因のひとつに、「体の冷えによる免疫力の低下」があげられます。そのため健やかな体を維持するには、温かい飲み物で冷え対策を行うことが大切だと思います。
- 冷え性の定義
- 冷え性と冷え症の違い
- 悪影響!体の冷えは「免疫力の低下」に!
- ルイボスティー
- プーアール茶
- ごぼう茶
- ココア
- しょうが湯
- 味噌汁
- 白湯
- 冷え性改善におすすめしない飲み物
- コーヒー
- 緑茶
- アルコール
- そもそもなぜ冷え性になるのか?
- 筋肉量が少ないため
- 自律神経の乱れによる影響
冷え性の定義
冷え性は病気ではなく、体が冷えやすい性質、状態を指します。
手や足の先などの体の末端や一部が冷たく感じられる状態を、冷え性ということが多いようですが、自覚症状がないタイプの冷え性もあります。
体温によっての定義などはなく、病気ではないため、概念があいまいです。
冷え性の原因は様々なので、原因となっている要素を改善することで、冷え性も軽減していくと考えられます。
冷え性と冷え症の違い
冷え性は体質のことを指す一方で、冷え症はその体質が日常生活に負担を与えるため、東洋医学では治療できる症状として分類しています。
東洋医学では冷えは未病ともいわれ、病気の手前の状態であると考えられています。
冷えに対して、体質そのものを改善していくという考えで対処を行い、漢方を取り入れる場合もあります。
悪影響!体の冷えは「免疫力の低下」に!
体には、体内に侵入したウイルスや細菌を撃退する「免疫細胞(=白血球)」があります。
免疫細胞がウイルスや細菌を攻撃する際、サイトカインという物質を分泌して脳に情報を伝え、体温調整中枢を刺激して体温を上昇させます。体温が上がると免疫細胞が活性化するため、免疫力をアップさせることができるのです。
体を温める飲み物
ルイボスティー
ルイボスティーには、「スーパーオキシドジムスターゼ(SOD)」と呼ばれる酵素が含まれています。この酵素には体の冷えを解消する働きがあるので、ルイボスティーを飲むことによって体を温めることができます。
プーアール茶
お茶には、茶葉を発酵させない「不発酵茶」や、茶葉を完全に発酵させない「半発酵茶」があり、発酵度が高ければ高いほど体を温める作用に優れているといわれています。
プーアール茶は、発酵度がもっとも高い「後発酵茶(こうはっこうちゃ)」です。そのため、プーアール茶には体を温める作用があるといえます。
ごぼう茶
ごぼうには「サポニン」と呼ばれる成分が含まれています。サポニンには血流をよくする働きがあり、体の熱は血液を通して全身に伝わります。つまり、ごぼう茶を飲めば頭から足の先までを温めやすくなるのです。
ココア
ココアには血管拡張作用を持つ「カカオポリフェノール」が含まれているため、飲むことで血行促進の効果が期待できます。
繰り返しになりますが「血流がよくなる=体が温まる」ということなので、体温の上昇や維持作用が見込めます。
しょうが湯
生しょうがや乾燥したしょうがの皮付近には、「ジンゲロール」と呼ばれる成分が多く含まれています。ジンゲロールに熱を加えると脱水反応を起こし、より血行促進作用のある「ショウガオール」に変化します。
ショウガオールを摂取すると体の芯から温まり、それが3時間ほど持続するという研究結果があります。そのため、しょうがに熱が加わる「しょうが湯」を飲むと、体温を上昇・維持する効果が期待できます。
味噌汁
発酵食品である味噌を使用した味噌汁は、体を温める食品です。
味噌汁は好きな具材を入れられるので、体を温める生姜や根菜を入れればより冷え性に効果的といえます。
また、豆腐や卵はたんぱく質なので、味噌汁に加えることで手軽に摂取できます。
具材を変えれば毎日飽きずに摂取できるので、毎日の食卓にぜひ味噌汁を取り入れてください。
白湯
白湯はミネラルウォーターを沸騰させ、50度くらいの飲みやすい温度にした飲み物です。
体を温める特別な成分はありませんが、お金をかけずに手軽に用意できるので取り入れやすいといえます。
起床時に飲むことで胃腸が温まり、血行が促進されるので基礎代謝を上げられます。
ノンカロリーなのでダイエット中にもおすすめです。
冷え性改善におすすめしない飲み物
コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインは利尿作用があり、排尿と同時に熱を体外へ出してしまうため、体温が下がってしまいます。
また、カフェインは交感神経を刺激するため、自律神経のバランスが崩れ血行が悪くなり、冷えにつながると考えられます。
ホットコーヒーであっても体を冷えやすくする飲み物なので、冷え性の方は飲みすぎないように注意しましょう。
緑茶
緑茶もコーヒーと同様にカフェインが含まれており、利尿作用により体を冷やしてしまいます。
同じお茶でも紅茶のように茶葉を発酵させていないので、体を温める効果はありません。
温かいお茶が飲みたいという方は、カフェインの入っていないものがおすすめです。
緑茶が好きという方はできるだけホットで飲むようにし、飲みすぎないように注意が必要です。
アルコール
アルコールを摂取すると血流が良くなり一時的に体が温まりますが、分解される際に水分を消費し、体温を下げてしまいます。
飲んですぐは体が熱くなるので温まったような気になりますが、あくまで一時的なもので、汗や尿とともに熱が排出され、長期的にみると冷え性を促進させてしまいます。
お酒を飲む際は日本酒や赤ワインなど体を温めるものを選び、ビールやウイスキー、焼酎などは体を冷やすといわれているので、飲みすぎないように注意しましょう。
そもそもなぜ冷え性になるのか?
筋肉量が少ないため
筋肉が少なく、脂肪が多いと冷えにつながるといわれています。
筋肉を動かす際に使うエネルギーが熱を発するとともに、筋肉の収縮によって血液が循環し血流が良くなるので、筋肉が多い人は体を温めやすくなります。
一方で、脂肪は一度冷えると温まりにくいので、脂肪が多い人は体が冷えやすくなってしまいます。
発熱は筋肉量で決まると考えられるため、筋肉の維持、増加は冷えを改善するためにとても重要であるといえます。
自律神経の乱れによる影響
自律神経は、意思とは無関係に働く神経系のことで、緊張や興奮時に優位になる交感神経と、リラックス状態のときに優位になる副交感神経の2つがバランスをとりながら体を整えています。
しかし、ストレスや生活習慣、女性ホルモンの乱れなどがあると、自律神経も乱れてしまい、身体の様々な不調につながる可能性があります。
冷えも自律神経の乱れが原因で引き起こされる不調の一つといわれており、自律神経の乱れで血行が悪くなり引き起こされます。