欧米諸国では定番の朝食メニューとして知られる「オートミール」。
日本ではまだまだ馴染みの薄い食べ物ですが、海外セレブやアスリートが愛用するスーパーフードとして数年前から注目を集めています。
ヘルシーなのに栄養豊富で、上手に取り入れると健康や美容に絶大な効果が期待できるのだとか。
- オートミールって何?
- オートミールはどのような食べ物?
- グラノーラ・ミューズリー・コーンフレークとの違い
- オートミールの種類
- オートミールの栄養と効果
- オートミールだけじゃ栄養不足?
- 基本の食べ方|ポリッジ(お粥)
- オートミール米化(ごはん化)
- オートミールのお茶漬け
- オートミールのお好み焼き
- オートミールのパンケーキ
オートミールって何?
雑誌やSNSでよく見かけるけれど、そもそもオートミールが何なのかわからない…という方も多いのではないでしょうか?
まずは、今さら聞けないオートミールの基本をチェックしてみましょう。
燕麦から作られたシリアルの一種
オートミールとは、「燕麦(エンバク)」や「オーツ麦」と呼ばれる穀物を食べやすく加工した食品のこと。
燕麦の英語名「oat(オート)」と、食事を意味する「meal(ミール)」から名付けられました。
グラノーラやコーンフレークなどと同様に、穀類を原料にした加工食品「シリアル」の仲間です。
オートミールはどのような食べ物?
オートミールは、イネ科の穀物である燕麦(エンバク)を加工したものです。
燕麦はオート麦、オーツ麦とも呼ばれています。燕麦のもみ殻を取り除いたものは固くて食べることができません。そこで、調理がしやすいように加工されたのがオートミールです。
シリアルの一種であるグラノーラの主な原料としても、オートミールは使われています。
オートミールは
燕麦のもみ殻を取り除いたあとの加工方法により、形状や食感が異なります。もみ殻を除いた燕麦はオートグローツと呼ばれます。オートグローツを粉砕した「スティールカットオーツ」は、プチプチとした食感があり、20~30分の加熱調理が必要です。
燕麦の外皮を粉にした「オーツブラン」はそのまま食べられ、お菓子の材料などに使われます。蒸して押しつぶし、乾燥させた「ロールドオーツ」は、もちっとした食感があり5~10分の加熱調理で食べられます。
ロールドオーツを細かく砕いた「クイックオーツ」は雑炊やリゾットにおすすめです。
ロールドオーツを調理したあとに乾燥した「インスタントオーツ」はヨーグルトに入れるなどしてそのまま食べることができます。
オートミールをお米のように食べたい場合は、ロールドオーツが使いやすいといわれています。
グラノーラ・ミューズリー・コーンフレークとの違い
オートミールによく似た食品に、グラノーラとミューズリーがあります。
これらの違いは一体何でしょうか?
オートミール
燕麦を食べやすく加工したもの
ミューズリー
オートミールに麦・玄米・とうもろこしなどの各種穀物や、ドライフルーツ・ナッツなどを混ぜ合わせたもの
グラノーラ
オートミールに各種穀物、ハチミツなどのシロップ、植物油などを加えてオーブンで焼き上げたもので、ドライフルーツやナッツを混ぜ合わせたものも多い
オートミールの原材料はほぼ燕麦のみで、シンプルで甘みもありません。
これに対して、ミューズリーやグラノーラには燕麦以外の材料も含まれていて、甘さが感じられるものが多いのが特徴です。
ミューズリーとグラノーラの違いは、オーブンによる加熱・焼成の有無。
コーンフレークは、主原料がとうもろこしである点で、この3種とは異なっています。
オートミールの種類
ひとくちにオートミールといっても、加工工程の違いによってさまざまな種類があります。
日本でよく販売されているのは、次の3種類。
種類によって調理方法や食べ方が異なるので、購入の際はよく確認するようにしましょう。
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ロールドオーツ:もみ殻を取り除いた燕麦を蒸してからローラーでプレスしたもの
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クイックオーツ:ロールドオーツをさらに細かく砕いたもの
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インスタントオーツ:ロールドオーツに水を加えて加熱し、再び乾燥させたもの
オートミールの栄養と効果
低GI・糖質ひかえめでダイエットに最適
GI値(グリセミック指数)は、食後の血糖値の上昇スピードを示す指標です。
同じ糖質量でもGI値が低い食品は血糖値が上がりにくく、インスリンが過剰に分泌されて体内に脂肪が蓄積されるのを防いでくれます。
オートミールは米やパンに比べてGI値が低く、糖質量も少ないので、ダイエットにはぴったりの食品です。
食物繊維たっぷりで便秘改善効果あり
オートミールは、米やパンより食物繊維の量が多め。
水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維の2種類をバランスよく含む食品です。
おなかの調子を整えて便秘の予防・改善に役立つだけでなく、血糖値やコレステロールの上昇を抑えて糖尿病や動脈硬化のリスクを低減させる効果もあります。
鉄分・カルシウムなどのミネラルが豊富
オートミールは、燕麦を粒ごと加工して作られる全粒穀物です。
小麦や白米のように胚芽や種皮(ふすま・ぬか)が取り除かれていないので、これらの部分に含まれるミネラル類をまるごと体に取り込むことができます。
白米の6倍、食パンの4倍もの量を含む鉄分は、貧血やうつ病などの予防に効果的。
骨や歯のもととなるカルシウムの含有量も比較的多めです。
妊婦さんや子ども、赤ちゃんの離乳食にも
オートミールは、妊娠中の女性にとっても積極的に取り入れたい食品。
便秘になりがちな妊婦さんのお通じを助けつつ、妊娠中のカロリーコントロールや妊娠糖尿病の予防にも効果を発揮します。
また、成長期に不可欠な鉄分が豊富なので、子どもの朝食や離乳食としても大活躍。
離乳食にする場合は6~8ヵ月頃から、やわらかく煮たものをすりつぶして食べさせるようにしましょう。
オートミールだけじゃ栄養不足?
栄養価の高いオートミールも、「これだけ食べていれば大丈夫」というわけではありません。オートミールだけでは不足しがちな栄養素や、一緒に食べると良い食材とは何でしょうか?
オートミールに足りない栄養素=タンパク質
オートミールに不足している主要栄養素は、タンパク質です。
オートミールのタンパク質はアミノ酸のバランスが良く、質が高いことで知られていますが、量は一食あたり4.1gと決して多くはありません。
一日に摂取するタンパク質の推奨量は成人男性で65g、成人女性で50gが目安ですので、オートミールだけで必要なタンパク質量をカバーすることは困難です。
おすすめの組み合わせ食材
オートミールを主体とした食事の栄養バランスを整えるには、高タンパクな食材と一緒に食べる必要があります。
合わせやすい食材は、牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品や卵、ベーコン・ハム、ナッツなどです。
朝食時は特にタンパク質が不足しがちなので、組み合わせる食材をより意識するようにしましょう。
基本の食べ方|ポリッジ(お粥)
欧米の定番朝食・ポリッジの作り方は、耐熱容器に入れたオートミール30gに、割合を好みで調整して合計150mlにした水と牛乳を加え、500~600Wの電子レンジで2~3分加熱するだけ。
ハチミツやバナナなどのトッピングと一緒にいただきましょう。
オートミール米化(ごはん化)
オートミールをお米のような食感にする方法として話題になっているのが、オートミールの米化レシピ。
耐熱容器にオートミール30gと水50mlを入れ、500Wの電子レンジで1分ほど加熱して、軽くほぐすだけで完成です。
普通のご飯のようにそのまま納豆やふりかけをかけて食べるのはもちろん、チャーハンやリゾットなどにアレンジするのもおすすめ。
オートミールご飯でおにぎりを握って、お弁当にすることも可能です。
オートミールのお茶漬け
耐熱容器にオートミール30gと水200mlを入れ、500~600Wの電子レンジで2~3分加熱します。
よくかき混ぜてから市販のお茶漬けの素をかけると、ご飯をオートミールに置き換えたお茶漬けの完成。
オートミールの風味が苦手な人でも食べやすいレシピです。
オートミールのお好み焼き
耐熱容器にオートミール30gと水100~150mlを入れ、500~600Wの電子レンジで2~3分加熱します。
千切りキャベツ・卵・豚バラ肉・和風だしの素を加えて混ぜ、油を敷いたフライパンで両面を焼けば、小麦粉をオートミールに置き換えたお好み焼きの出来上がり。
ソースやかつお節、青のりなどをかけていただきましょう。
オートミールのパンケーキ
食材(1人分)
オートミール(ロールドオーツ) 60g
牛乳 100ml
砂糖 10g
卵 1個
サラダ油 小さじ2
はちみつ、メープルシロップ 適量
※食材量は目安量です。
作り方
1)ボウルにオートミール、牛乳、砂糖を入れて混ぜ、20分ほど冷蔵庫に置く。
2)1に卵を加えて混ぜ合わせる。
3)フライパンにサラダ油を中火で熱し、温まったら②を円形に広げて火を弱め、3分ほど焼いたら裏返してさらに焼く。お好みではちみつやメープルシロップをかける。
レシピの特徴
- 牛乳に浸すことで風味がよくなりコクがでる
- 食物繊維もとれるので野菜が調理できない忙しい朝にもおすすめ