夏に向けて紫外線が気になる方も多いのではないでしょうか。
日焼け対策や美白ケアをしていても、なかなか効果が得られないということもあるかもしれません。
肌を美白にするためには
肌を美白にするためには、紫外線を防いだり肌のくすみを防いだりすることが重要です。また、シミを予防しケアすることも美白にとっては重要です。
そのためには、メラニン色素の生成を抑えることと、生成されたメラニン色素が肌に残って沈着してしまわないように新陳代謝を促すことが重要になります。
1) 紫外線を防ぐ
紫外線を浴びることによって起こる「光老化」は肌の深い部分までダメージを与え、シミ やしわ、たるみなどの原因になると言われています。
紫外線にはA波、B波、C波の3種類があり、地上に届くのはこのうちA波とB波です。
紫外線を浴びると、肌の表面にある水分を保ったり、外部からの刺激から守ったりするための保護層(角質と皮脂膜)が酸化してしまい肌を劣化させてしまいます。
コラーゲンが減少することによって、肌のハリやツヤが失われしわやたるみの原因となってしまいます。
紫外線B波は
A波に比べてエネルギー量が大きい為、肌がヒリヒリとして炎症を起こし日焼けの原因にもなり、シミやソバカスを作る原因にもなります。
そのため、紫外線は徹底的にブロックする必要があります。
SPF30(紫外線B波をカット)、PA++(紫外線A波をカット)以上の日焼け止めを毎日使用するようにしましょう。
顔にお化粧をする場合
UVカット入りのベースメイク用品を使用するとしても、その下になるべく日焼け止めを塗るようにするとよりUVカットを強力にすることができます。
日焼け止め以外にも、帽子やサングラス、日傘などUVカット効果のあるものを活用するとより紫外線を防ぐことができます。
2) 生活習慣を改善する
睡眠不足や不規則な生活、疲労の蓄積などは肌のくすみの大きな原因となります。
できるかぎり、睡眠時間は7時間程度確保するようにして、疲労を蓄積させすぎないようにしたり、毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きるようにするなど規則正しい生活をするための工夫をしましょう。
適度な運動もストレス解消や血流の改善となります。ウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動を習慣にすると効果的です。
また運動による適度な疲労は睡眠の質の向上などに効果的といわれています。
運動をする時間が取れないという人でも、例えば通勤のときに1駅分歩いてみたり、エレベーターではなく階段を使用するなど、少しの工夫でよいので運動をする習慣を身につけましょう。
3) 食事を改善する
私たちの体は食べたものから作られています。いくら肌の外部から肌ケアをしても肌への栄養が不足していては美白を維持することはできません。
外部の肌ケアも重要ですが、体の内部から肌ケアをすることも非常に重要です。
肌の美白・透明感が失われる理由
不規則な生活を送っていたり、忙しい毎日の中で鏡を見て肌がくすんでしまっていたりお化粧のりが悪くなってしまってショックを受けてしまう方もいるかもしれません。
肌の透明感が失われる原因として以下の5つが考えられます。
1) メラニン色素
紫外線にあたったり摩擦が起きた場合、炎症が起きた場合などにメラニン色素が生成されその部位に沈着します
メラニン生成は、肌におきた刺激から守ろうとする防御反応で、メラニン自体が褐色であるためメラニンが生成されることで肌くすみが起きてしまいます。
肌のターンオーバー(生まれ変わり)が正常であれば、時間経過とともにメラニンが肌の外に排出されるため徐々に透明感のある肌へと戻すことができます。
ターンオーバーは約6週間のサイクルで起こりますが、肌がダメージを受けるとターンオーバーのサイクルが乱れてしまいます。
2) 血行不良
睡眠不足や運動不足、疲労、冷えなどが原因となり、血行不良がおこることで、肌本来の健康的な赤みが減ってしまったり、肌に充分な栄養が届かず肌がくすんで見えるようになります。
3) 乾燥
長時間エアコンの効いた部屋にいたり、湿度が低下した状態の中にいたり、洗顔のしすぎや不十分な肌ケアなどが原因で乾燥が起こると、肌のきめが粗くなってしまったり、肌の水分量が減ることで肌のハリが低下してしまったりします。
4) 糖化
「糖化」とはたんぱく質と糖質が結びつくことで変性して劣化することです。
白米や精製された小麦粉を使用した麺類、パン、砂糖などの糖質が体の中に蓄積されることで、肌のタンパク質と結びついて細胞を劣化させてしまいます。
5) 角質
加齢や睡眠不足、疲労などが原因で肌のターンオーバーの速度が低下してしまい、本来はがれて新しい肌へと生まれ変わるはずの肌の外側の角質が肥厚してしまいます。
これによって肌の透明感が失われ、肌がごわつくなどの肌トラブルが起きてしまいます。
肌を美白にする栄養素とは
1) タンパク質
肌はタンパク質で構成されており、コラーゲンの生成にもタンパク質が関与しているため肌をつくるための基本の栄養素といえます。
タンパク質は、肉や魚、卵、乳製品、豆製品などに多く含まれています。
肉類は脂質が高いものもあり、脂質を摂取しすぎるとにきびや吹き出物の原因となってしまうことがあるので、脂質が多く含まれるタンパク質の摂取のし過ぎには注意が必要です。
2) ビタミン
ビタミンは美白にはかかせない栄養素です。ビタミンには、多くの種類がありそれぞれに役割がちがいます。
・ビタミンA
皮膚や粘膜を健康的に維持し、肌の生まれ変わりを促進するビタミンです。免疫力を高め、肌荒れ予防にも効果が期待できます。
野菜にはβ-カロテンとして含まれており、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。
多く含む食材:ほうれん草、にんじん、うなぎ、レバー、まぐろ
・ビタミンB1
ストレスを緩和する、炭水化物の分解を補助する、疲労を回復する働きがあります。水に溶けやすいので、煮汁も一緒に摂れる料理にすると効率的に摂取できます。
多く含む食材:うなぎ、豚肉、たらこ、玄米、カシューナッツ、大豆
・ビタミンB2
肌のターンオーバーを促進する、脂質の代謝を補助する、ニキビの予防や改善に効果が期待できます。
多く含む食材:うなぎ、レバー、海苔、卵、チーズ、アーモンド
・ビタミンB6
アミノ酸を原料としてタンパク質の分解や再合成を補助して、分解したアミノ酸で筋肉や皮膚などを作ります。
また、肌のターンオーバーを改善する働きもあります。ビタミンB2によって活性化するので、ビタミンB2と一緒に摂取すると効果的です。
多く含む食材:まぐろ、にんにく、鮭、かつお、肉、レバー、バナナ、ごまなど
・ビタミンB12
体のリズムを整え、赤血球を作り貧血の予防に効果的です。また、傷ついた神経細胞を修復する効果があり、手足のしびれなどにも効果が期待できます。
多く含む食材:アサリやシジミなどの魚介類、牛、豚、鶏などのレバー
・ビタミンC
抗酸化作用(老化防止)がある、メラニン色素の生成を抑える、コラーゲンを合成する、ビタミンEの吸収率を上昇させる働きがあります。Zハリのある肌を保つためには欠かせない栄養素です。粘膜を強くして健康に保つ効果もあります。
多く含む食材:レモン、イチゴ、キウイ、オレンジ、グレープフルーツ、じゃがいも、パプリカ、菜の花、ブロッコリー、さつまいもなど
・ビタミンE
毛細結血管を広げることで血行を改善する働きがあり、肌に多くの栄養を送るために欠かせないビタミンです。
また、強い抗酸化作用で、不飽和脂肪酸の酸化を防ぎシミやしわの増加を防ぐ働きもあります。
多く含む食材:アーモンド、かぼちゃ、さば、いわし、アーモンド、ピーナッツ、モロヘイヤ、いくら、たらこ、えび、かに、サーモン、ツナオイル漬けなど
・ビタミンH(ピオチン)
ビタミンB群の一種で、糖質や脂肪酸、アミノ酸などをエネルギーに変えるのを助ける働きがあります。
また、タンパク質を作る働きがあり、皮膚を健康的に維持する働きもあります。
多く含む食材:レバー、卵、納豆、大豆、ピーナッツ、きのこなど
・ナイアシン
ビタミンの一種で、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わりエネルギーを作るのに欠かせない補酵素として働きます。
血管を拡張して血行を促進する、皮膚や粘膜の健康を維持する働きもあります。
多く含む食材:かつおぶし、まぐろ、いわし、さば、レバー、鶏肉、アボカド、きのこ、ピーナッツ、アーモンドなど
・パントテン酸
パントテン酸はビタミンの一種で補酵素であるコエンザイムAを作る原料となり、糖質や脂質をエネルギーに変える働きがあります。
ストレスを和らげる副腎皮質ホルモンの働きを助ける効果がありストレスを緩和する働きもあります。
多く含む食材:卵、牛乳、レバー、鶏肉、たらこ、いくら、納豆、きのこなど
3) 食物繊維
腸内環境を整え便秘を解消することで、体の中の不要な物質を体の外へ排出することができます。
便秘になると、外へ排出されるはずだった有害物質が再度吸収されて血液を通して全身を巡ることになります。
食物繊維を多く含む食材は、ひじきなどの海藻類や、豆製品、穀類などです。
4) ミネラル
・カルシウム
カルシウムは、セラミドなどの細胞間脂質の生成を補助し、肌の新陳代謝を促す働きがあります。
体内に吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンDと一緒にとることで吸収率を高める効果があります。
多く含まれる食材:牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、小魚、海藻類、モロヘイヤ、小松菜など
・鉄分
酸素を全身に供給する働きがあり、不足すると酸素を上手く取り込めずに筋力低下や疲労を起こす原因にもなります。
肌のハリやキメを整える役割もあり、不足すると血行不良で肌が青白くなったり、くすみやすくなります。
多く含まれる食材:レバー、牛肉、ひじき、しじみ、あさり、菜の花、小松菜、納豆など
・マグネシウム
血液循環を正常に保ったり、カルシウムと協力して筋肉の働きを調整する役割もあります。エネルギーを生成する補助する働きもあります。
多く含まれる食材:ひじきやわかめなどの海藻類、アーモンド、ごま、玄米、いわし、あさりなど
・亜鉛
亜鉛には細胞を作り成長を促す働きがあり、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあります。コラーゲンの生成を促す働きもあります。
多く含まれる食材:牡蠣、たらばがに、玄米、納豆、レバー、牛肉など
5) 大豆イソフラボン
ポリフェノールの一種で、女性ホルモンの「エストロゲン」と同様の働きをして、肌の調子を整える作用があると言われています。
40〜50代になると女性ホルモンの分泌が低下してくると言われています。大豆イソフラボンが豊富な大豆製品を摂取することでハリのある肌を保つ効果が期待できます。
大豆や豆乳、納豆、味噌、ゆばなどの豆製品に多く含まれています。
6) 乳酸菌
乳酸菌は腸内環境を整えて便秘を予防することができ、免疫力を上げることができます。乳酸菌を多く含む食品としては、納豆などの発酵食品やヨーグルトなどです。
7) 水分
水分は栄養素ではないですが、適切な水分摂取は健康維持だけでなく美肌のためにも必要です。
肌の乾燥を防いだり、便秘を予防したり、肌細胞組織をよい状態でキープすることができ、肌の調子を整えたりすることができると言われています。
食事以外で1日に1.5ℓほどの水分補給が必用と言われています。喉が渇いていなくても1〜2時間ごとにこまめに水分補給することを心がけましょう。
また、就寝時にも水分は失われているので、就寝前と起床時にもコップ1杯のお水を習慣にすると効果的です。