日焼けはサンバーンやサンタン、シミやシワなどさまざまな悪影響をもたらします。
日焼けは、白内障や翼状片の原因となることも知られています。一方で、日焼けは、骨の健康に欠かせないビタミンDを作ったり、ストレス解消や集中力の向上に効果があるセロトニンの分泌を促したりする働きもあることが特徴です。
- 過度な日焼けは
- 日光浴の効果は健康に必要なビタミンDの生成!
- 食事だけでは健康に必要なビタミンDの摂取は難しい
- 1日の目安時間はどれくらい?
- 日光浴で心配な紫外線の影響は?
- 日光浴の方法による効果の違い
- なぜ日焼けがいけないのか?日焼けがもたらす悪影響
- 日焼け後しばらくしてから生じうる悪影響
- 日焼けで得られる驚きの効果
- 骨の成長や腸内環境などに重要なビタミンDを生み出す
- セロトニンが分泌されストレス解消や集中力が向上する
- 過度な日焼けは避けて適度な日光浴を習慣にしよう
過度な日焼けは
健康を害する原因となりますが、適度な日光浴は健康を守るために必要です。
長時間にわたり外に出るときは帽子や日焼け止めで紫外線対策を行ない、適度に日光を浴びるように心がけましょう。
食事からの摂取のほか
日光浴により体内で作り出すことができるのが特徴です。
少し意識するだけで日常にできますので、手軽に新たな健康習慣として取り入れてみてください。
日光浴の効果は健康に必要なビタミンDの生成!
丈夫な骨づくりや免疫アップなど、私たちの健康に必要不可欠なビタミンDは、食事からの摂取以外に日光浴から得られる栄養素です。
ビタミンDはカルシウムの吸収をよくするために、骨をつくるうえで欠かせない成分ですが、食事からだけではなく、日光浴により皮膚でもつくられます。
ここで注意したいのは、どんなに日当たりがよくても窓越しでは効果を得るのが難しいことです。
そのほか、ビタミンDには以下の効果があるといわれています。
● 骨の代謝を促す(丈夫な骨を作る)
● 免疫力の向上、アレルギー症状の改善
● セロトニンの調節
脳内伝達物質セロトニンには精神を安定させる効果があり、分泌されるとやる気や活力が出て前向きな気持ちになれます。「幸せホルモン」とも呼ばれ、私たち人間には欠かせない物質。不足するとうつ、不眠、意欲低下などの症状を引き起こすことがあります。
食事だけでは健康に必要なビタミンDの摂取は難しい
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」によると、ビタミンDの1日あたりの摂取目安量及び耐用上限量は以下の表の通りです。
ビタミンDの1日摂取目安量と耐用上限量
属性 目安量 耐用上限量
成人 8.5µg 100µg
高齢者 8.5µg 100µg
小児 7.5µg 25~50µg
乳児 5µg 25µg
妊婦 8.5µg 100µg
授乳婦 8.5µg 100µg
終戦直後に多く見られた「くる病」のような病気になる人はほとんどいませんが、潜在的なビタミンD欠乏症の人は少なくありません。
ビタミンD産生のためには皮膚に有害な作用を起こさない範囲で紫外線量を確保する必要がありますが、緯度や季節の影響を受けることに注意が必要です。さらに、コロナ渦で外出の機会が減ったことで、ますます不足の傾向にあるといわれています。
例えば、
厚生労働省の「令和元年度国民健康・栄養調査」によると、ビタミンDの平均摂取量は20歳以上の男性で7.9㎍、女性で6.6㎍と、摂取目安量である10㎍を下回っています。
このことからも、潜在的なビタミンD不足が裏付けられることがわかるでしょう。
ビタミンDはほかの栄養素と同じく食事から摂取することが可能です。
ビタミンDを含む食品
食品名 ビタミンD含有量µg
サケ(1切れ/80g) 25.6µg
イワシ丸干し(1尾/30g) 15.0 µg
サンマ(1尾/正味100g) 14.9 µg
カレイ(小1尾/正味100g)13.0 µg
ブリ(1切れ/80g) 6.4 µg
シラス干し(半乾燥品・大さじ2/10g) 6.1 µg
きくらげ(乾燥品・2枚/2g) 1.7 µg
干ししいたけ(2個/6g) 0.8 µg
ビタミンDは、野菜や穀物、豆、イモ類にはほとんど含まれていません。多く含まれているのは魚類やきのこ類です。また、ビタミンDは骨に欠かせないカルシウムの吸収率を高めるので、一緒に摂取することをおすすめします。
また、紫外線量が少ない冬はビタミンDが不足しがちなので、積極的にビタミンDを含む食品を摂取することが大切です。
1日の目安時間はどれくらい?
ビタミンD 生成に必要な日光浴の目安時間は季節や場所、時間によって異なりますが、15~30 分程度です。
ある程度の紫外線量を確保できないと日光浴時間に対して生成されるビタミンD量が少なくなりますが、だからといって真夏の日中に日の光を浴びるのはおすすめできません。紫外線が非常に強くなる時間帯は、日焼けによるリスクが高まるので注意が必要です。
日光浴で心配な紫外線の影響は?
ビタミンDを作ってくれる紫外線ですが、広く知られているように害もあることに注意が必要です。急性障害の赤くなる日焼けサンバーンや黒くなるサンタンのほか、シミ・シワ、皮膚がん、白内障、免疫機能の低下などの慢性障害を引き起こす可能性があります。ただし、有害性を極力排除することは可能です。
MED※1を超えない程度に紫外線を照射することによって、極力その有害性を排除し、屋外での活動によって適切にビタミンDを生成することができる
※1 MEDとは「最小紅斑紫外線量(Minimal Erythema Dose)」といい、皮膚に紅斑を生じさせる紫外線量の最小値のことです。MEDを超える量の紫外線は、皮膚に慢性障害を引き起こします。
日光浴の方法による効果の違い
ここまで、ビタミンD生成は日光浴によって行われること、日差しの強さによって一定時間あたりの生成量が変動することを説明してきました。次に、具体的にどんな浴び方がおすすめなのか!?
なぜ日焼けがいけないのか?日焼けがもたらす悪影響
まずは、日焼けによる悪影響から見ていきましょう。日焼けには、体にすぐ変化が見られる急性の影響と、しばらく時間が経ってから変化が出てくる慢性の影響とがあります。
日焼け直後に生じうる悪影響
日焼けをしてすぐに出るおもな悪影響は以下のとおりです。
・サンバーン
・サンタン
・紫外線角膜炎
・免疫機能の低下
日焼けをして皮膚が赤くなったという経験をした方も多いでしょう。それは、サンバーンでよく見られる症状です。サンバーンとは、紫外線によって起こる皮膚のやけどのことを指します。UV-Bによって皮膚に炎症が起こることが原因です。
日焼けから数日後、紫外線によって刺激された色素細胞の影響でメラニンが増加した結果、色が黒くなるサンタンが起こります。この状態は、皮膚が障害されていることを意味するため、色が黒くなるほどの日焼けはおすすめできません。
日焼けが影響を与えるのは肌だけではありません。私たちの目にも影響をおよぼします。よく見られるのが紫外線角膜炎です。充血や涙、異物感、眼痛などを生じます。その他、稀ですが免疫機能の低下が見られるケースがあるのも特徴です。
日焼け後しばらくしてから生じうる悪影響
日焼けして、しばらく時間が経って現れるおもな症状は、以下のとおりです。
・シワ
・シミ
・良性腫瘍
・翼状片
・白内障
長年にわたって紫外線を浴び続けていると、シミやシワができるのはよく知られています。
翼状片とは、白目が黒目の部分に侵入してくる疾患のことです。30歳以上で発症することが多く、屋外での活動が長い農業や漁業などをしている方によく見られます。
白内障とは
水晶体が濁ることで網膜まで光が届かなくなる疾患です。水晶体が硬くなることで老眼が進んだり、水晶体が濁って視力が低下したりします。さらに進行すると失明することもあるため、注意しなければなりません。
日焼けで得られる驚きの効果
日焼けはサンバーンやサンタン、シワやシミなどさまざまな悪影響をもたらします。しかし、日焼けは体に悪いことばかりではありません。健康を守るうえで、次のような大切な役割も担っています。
骨の成長や腸内環境などに重要なビタミンDを生み出す
ビタミンDは、骨の健康を守るために必要な栄養素です。私たちは、紫外線を浴びることによって皮膚でビタミンDを作っています。骨といえばカルシウムを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ビタミンDも必要不可欠です。
ビタミンDは
腸から吸収されるカルシウムの量を2~5倍に増やしてくれます。カルシウムだけ摂取していても、ビタミンDが不足していたら十分に吸収されません。食品にもビタミンDは含まれていますが、必要な量を食事だけで摂ることは難しいものです。
特に
母乳だけで育っている赤ちゃんはビタミンD不足になりやすいので注意しましょう。日頃から適度に日差しを浴びるように心がけましょう。
セロトニンが分泌されストレス解消や集中力が向上する
日光浴をすると、セロトニンの分泌が促進されます。セロトニンは、神経伝達物質の一つです。ドパミンやノルアドレナリンなど体を興奮させる物質の働きを抑え、精神的に落ち着かせてくれる働きがあります。
セロトニンが不足すると
不安な気持ちが強くなったり、うつ状態になってしまったりするといわれていることからも、セロトニンの精神安定効果が伺えるでしょう。
セロトニンの分泌を高めると!
集中力の向上にも効果があります。一日に20分程度で良いので、散歩に出かけたりウォーキングをしたりして日光を浴びるようにしましょう。
過度な日焼けは避けて適度な日光浴を習慣にしよう
日焼けはサンバーンやサンタン、シミやシワなどさまざまな悪影響をもたらします。
日焼けは、白内障や翼状片の原因となることも知られています。一方で、日焼けは、骨の健康に欠かせないビタミンDを作ったり、ストレス解消や集中力の向上に効果があるセロトニンの分泌を促したりする働きもあることが特徴です。
過度な日焼けは
健康を害する原因となりますが、適度な日光浴は健康を守るために必要です。
長時間にわたり外に出るときは帽子や日焼け止めで紫外線対策を行ない、適度に日光を浴びるように心がけましょう。