冬の果物のイメージの強いみかんですが、本当の旬はいつなのか気になりませんか?実はみかんの旬は品種によって異なるんです。この記事ではみかんの旬の時期について
ビタミンCや食物繊維などの栄養が豊富なみかん。とくに冬にはこたつに入ってみかんを食べ出すと手が止まらない…なんてこともありますよね。
そんなみかんは健康にも良いイメージがある通り、実は一部では「機能性表示商品」としても知られています。
- みかんの旬の時期はいつ?種類別の特徴もチェック
- みかんの一般的な旬の時期
- みかんは収穫時期によって4種類に分けられる
- 極早生みかん(9月頃~10月末)
- 早生温州(11月初旬~11月末頃)
- 【中生温州・普通温州 / 晩生温州】品種別のみかんの旬
- 【主要産地別】みかんの旬の時期
- みかんの注目すべき栄養価は…
- みかんは白い部分や皮ごと食べる方が健康に良い?
みかんの旬の時期はいつ?種類別の特徴もチェック
みかんとは皮がむきやすい小型の柑橘(かんきつ)類の総称ですが、一般的に「みかん」といえばそのうちの「温州(うんしゅう)みかん」という種類のことを指しています。
みかんは冬になると出回る果物のイメージがありますが、具体的に何月から何月までが旬の時期なのか気になったことがある方も多いかもしれません。
実はみかんの旬は品種によって少しずつ違っているのです。
みかんの一般的な旬の時期
一般的な旬の季節は「冬」
みかんの旬の時期は品種によって異なり、早いものでは9月頃、遅いものでは3月頃まで出回ります。
みかんが出回り始める9月頃はまだ暑さも残りますが、それ以降は秋から冬へと移り変わり3月まで寒い時期が続きます。つまりみかんが多く出回るのは冬であり、その時期が旬の季節であるといえるでしょう。
ハウスみかんは春~夏が旬
みかんはハウス栽培によっても生産されています。ハウスみかんは別名「温室みかん」とも呼ばれ、温度や水分をコントロールして育てられるみかんです。
そのため通常のみかんの旬よりも早い時期、春〜夏にかけて収穫され市場に出回ります。
みかんは収穫時期によって4種類に分けられる
一般的なみかんは、収穫時期によって以下の4つの種類に分類されています。
・9~10月頃:極早生(ごくわせ)みかん
・11月頃:早生(わせ)温州
・11月〜12月頃:中生(なかて)温州・普通温州
・12月〜3月頃:晩生(おくて)温州
ひと口にみかんといっても品種によって少しずつ収穫時期が違い、それによって分類されているのです
極早生みかん(9月頃~10月末)
果皮はオレンジ色というよりは黄色が強く、ところどころに青み(緑)が残る「極早生みかん」。極早生みかんは、一般的なみかんを早めに収穫したものと思われがちですがそうではありません。9月頃に旬を迎える、れっきとしたみかんの品種のひとつです。
ジューシーな果肉とあっさりとした甘さ、しっかりとしたさわやかな酸味が極早生みかんの味の特徴です。
代表的な品種
極早生みかんの代表品種は宮崎県で発見された「日南(にちなん)1号」。現在は愛媛県や和歌山県で多く生産されています。
また栽培のしやすさから、現在日本でもっとも多く植えられている極早生みかんが「上野早生」です。そのほか「ゆら早生」や「岩崎早生」、ゆら早生を改良して和歌山県で生まれた新種「YN26」などがあります。
早生温州(11月初旬~11月末頃)
果皮の緑はなくなり黄色〜オレンジ色をしているのがこの品種。日本でもっとも多く栽培されており、一般的に「みかん」といえばこの品種を指すともいわれるほど標準的なみかんです。
甘みと酸味のバランスが良く、薄皮(じょうのう)も薄く食べやすいのが特徴です。
代表的な品種
早生温州の代表品種には「宮川早生」や「興津(おきつ)早生」があります。
宮川早生は大正初期に福岡県で発見された品種で、これをもとに同じ早生温州の興津早生や「田口早生」、極早生の上野早生や日南1号など多くの品種が作られました。
また、早生温州には「小原紅早生(べにわせ)」や「山下紅早生」と呼ばれる色の濃い品種があり、酸味が少なく甘みの強い美味しいみかんとして知られています。
【中生温州・普通温州 / 晩生温州】品種別のみかんの旬
いよいよ寒さも本番に入り、暖かい部屋でみかんをゆっくり味わいたいと思うようになる頃に出回るのが「中生温州・普通温州」や「晩生温州」です。ここでは、旬の終盤までみかんの美味しさを楽しめる品種を見ていきましょう。
中生温州・普通温州(11月末~12月末頃)
早生温州よりもオレンジ色は濃くなり、より「みかんらしいみかん」の雰囲気が漂う品種。皮がむきやすく食べやすいのですが、早生温州に比べるとじょうのうが少し厚めです。
とはいえその分日持ちも良く、お歳暮など贈り物にも適しています。
代表的な品種
愛媛県の「南柑(なんかん)20号」や、広島県の「石地(いしじ)温州」、和歌山県の「向山(むかいやま)温州」などが中生温州の代表です。
また和歌山県の主力品種のひとつに、2011年に登録された新品種「きゅうき温州」があります。きゅうき温州は向山温州から生まれた品種。中生温州ながらじょうのうは薄めで、早生温州に近い味わいを楽しめます。
【主要産地別】みかんの旬の時期
みかんは静岡県や和歌山県、愛媛県、熊本県、長崎県など、温暖な地域で主に生産されています。そのうち国内のみかんの生産量トップ3は「和歌山県」「愛媛県」「静岡県」です。
和歌山県
国内のみかん生産量のトップを誇るのが和歌山県。その量は平成26年度の統計で年間約17万トンを超えます。和歌山のブランドみかんといえば全国的に有名な「有田みかん」や「木熟(きじゅく)みかん」、海南市下津地区の蔵出しの「しもつみかん」など。
和歌山県では、極早生みかんのYN26やゆら早生、早生の田口早生、中生のきゅうき温州など多くの品種が栽培されており、貯蔵みかんを含め9月~3月まで楽しめます。
愛媛県
和歌山県に次ぐ生産量を誇るのが愛媛県。平成26年度の年間生産量は13万トンに近く、和歌山県同様ゆら早生や宮川早生、興津早生、田口早生、小原紅早生、南柑20号、大津4号など多くの品種が各地で栽培され「愛媛みかん」や「西宇和みかん」としてブランド化されています。
旬の時期は貯蔵みかん含め10月~3月頃です。
静岡県
国内のみかん生産量第3位は静岡県で約12万5,000トン(平成26年度)。静岡県で生産されるみかんは晩生温州の青島温州や寿太郎温州で、貯蔵みかんを含めて10月~3月頃が旬の時期。
静岡県のブランドみかんといえば、浜松市三ケ日町の「三ヶ日(みっかび)みかん」が有名です。
熊本県・長崎県
日本のみかん生産量トップ3に続くのが、九州地方の熊本県や長崎県です。
熊本県では興津早生や宮川早生、青島温州のほか「肥のあかり」や「豊福(とよふく)早生」などが栽培されています。また、長崎県の栽培品種は岩崎早生などの早生温州や中生の「させぼ温州」、晩生の青島温州などです。
みかんの注目すべき栄養価は…
ビタミンC、プロビタミンA、βクリプトキサンチン、食物繊維…とみかんには様々な栄養素が含まれています。
この中で健康や美容において印象的な栄養素といえば、やはりビタミンCではないでしょうか。
ビタミンCには、風邪などの感染症に対する免疫力を強くする作用や、ストレス低減の作用、肌の健康を整える作用などが期待できます。
成人(15歳以上)の1日のビタミンC推奨摂取量は、100mg。約3つ〜4つ食べると1日分のビタミンが摂れるという計算になります。
食事などからもビタミンCを摂取することを考えると、1日に1つみかんを食べるだけでもビタミンCの摂取をサポートしてくれるでしょう。
整腸や血糖値上昇の抑制に効果的な食物繊維、骨の代謝を助けるβクリプトキサンチンについても次に紹介していきます。
みかんは白い部分や皮ごと食べる方が健康に良い?
みかんの食べ方で気になるのが、みかんの薄皮や房についた白い筋の繊維は食べた方が良いのかどうかというところ。
食べる、食べないで意見が別れるところではありますが、みかんの薄皮や繊維には食物繊維が豊富です。
食物繊維には整腸効果の他、血糖値の上昇を防ぐ作用や血液中のコレステロール濃度を低下させる作用があります。
例として、食後で糖質を摂ると血糖値が上がるため、インスリンという物質が分泌されて血糖値を下げようと働きかけます。
血糖値が緩やかな上昇であれば問題ないのですが、これが急激な上昇となるとインスリンは過剰に分泌。
このインスリンは血中の糖分を脂肪に変えて体に貯蓄してしまうため、これを防ぐためにも食物繊維が必須なわけです。
「ダイエットには食物繊維」といわれるのにはこのような仕組みが背景にあります。
とはいえ高齢者や小さな子どもなどはとくに食べづらいと感じることが多いため、それぞれお好みの食べ方で食べるのが良いですね。