「エスプレッソ」を飲んだことはありますか?私は大好きです!!!!
「カフェラテ」「カプチーノ」など、エスプレッソベースのメニューは飲んでいても、意外と「エスプレッソそのもの」を嗜んでいる人は少ないかもしれません。
「エスプレッソ」ってどんなコーヒー?
ペーパードリップで淹れるコーヒーと、同じコーヒーとは思えないほど濃厚なエスプレッソ。初めて飲んだ時、その量の少なさとコーヒーの濃さに驚いた人も多いかもしれません。
エスプレッソは
細かく挽いたコーヒー粉に圧力をかけて一気に抽出する、イタリア生まれのコーヒーです。
1杯あたりのコーヒー量は、使うコーヒーや目指す味わいで変わりますが、6~12g程度。抽出されるコーヒーの量は25~35mlです。
エスプレッソを淹れるカップは、フランス語で“小さなカップ”という意味の「デミタス」を呼ばれます。
ちなみに
ペーパードリップの場合、1杯あたり12g前後のコーヒーを使って140~160ml程度のコーヒーを抽出します。使うコーヒーの量はそこまで大きく変わらないのに、エスプレッソの出来上がり量は、ペーパードリップのおよそ5分の1。
いかにコーヒーの成分がぎゅっと濃縮された液体かがわかりますね。
イタリア発祥のコーヒー
エスプレッソコーヒーとは、イタリア発祥の加圧抽出いれたコーヒーの名称です。イタリアやフランスなどではもっともよく飲まれるコーヒーの1つで、イタリアで「エスプレッソ」といえばコーヒーのことを意味します。
アルファベット表記は”Espresso”で、イタリア語で「急速な」「急行」「特別な」といった意味を持っています。
エスプレッソコーヒーと呼ばれるようになった理由には、ドリップコーヒーよりも早く抽出できるから、または注文ごとに1杯ずついれる特別なコーヒーだから、など諸説あるようです。
エスプレッソコーヒーとドリップコーヒーの違い
エスプレッソコーヒーとドリップコーヒーでは、抽出方法が大きく異なります。ドリップコーヒーは、ドリッパーとフィルター、コーヒー粉をセットして熱湯を注いで抽出します。
一方、エスプレッソコーヒーは専用のマシンを使い、高い圧力をかけてコーヒー粉に熱湯を通して抽出します。
抽出方法だけでなく、コーヒー豆の挽き方や焙煎度合いもドリップコーヒーとは異なります。ドリップコーヒーとエスプレッソコーヒーの主な違いは以下の通りです。
- 挽き方:細か挽き~粗挽き
- 焙煎度合い:浅煎り、中煎り、深煎りなど
- コーヒー粉と水の割合:コーヒー粉10gに対して水120ml
- カップ:コーヒーカップ、マグカップなど
- 味わい:すっきりとしたものやコク、フルーティな酸味を感じるものなどさまざま
- 挽き方:極細挽き
- 焙煎度合い:中煎り~極深煎り
- 水とコーヒー粉の割合:コーヒー粉7~8gに対して水40ml程度
- カップ:専用のデミタスカップ
- 味わい:苦みが強く濃厚
このほかにも、エスプレッソコーヒーには表面に「クレマ」と呼ばれるクリーム状の泡が見られるのも特徴です。エスプレッソコーヒーは、表面のクレマとその下にある不透明なコーヒー液の2層に分かれています。
エスプレッソコーヒーとドリップコーヒーは、同じコーヒーとはいえ非なるものといえるでしょう。
おいしいエスプレッソは「クレマ」に注目!
コーヒーのうまみや香りがぎっしり詰まったエスプレッソ。おいしさの決め手のひとつが表面いっぱいに浮かぶ泡の層「クレマ」です。
上手く抽出できたエスプレッソの表面には、きめ細やかで厚みのあるクレマができます。香りを閉じ込め、液体を保温し、エスプレッソ自体の口当たりをまろやかにする効果もあります。
クレマの出来は!
抽出の善し悪しをはかるバロメーターにもなります。きめ細やかなクレマは、スプーンでかき混ぜてもすぐに消えません。それが良くわかるのが、お砂糖を入れたとき。お砂糖がすぐに沈むことなくクレマの上にのり、やがてゆっくりと吸い込まれるように沈んでいくのです。
エスプレッソをおいしく飲む方法
エスプレッソはどのように味わうもの…?ストレートで飲み干すのがイタリア流?それともミルクを入れるもの?
まるでコーヒーのエキスを味わうようなものなので、ペーパードリップで淹れたコーヒー感覚で飲むと、思った以上に苦く感じられるかもしれません。
飲み方は
好みもありますが、コーヒースプーン2杯くらい(8~9g)の砂糖を入れるのがおすすめです。コクというか、味に厚みが出てきますよ。
30mlの液体に対してスプーン2杯分の砂糖は多く感じられるかもしれませんが、これがイタリアで日常的に飲まれているスタンダードな味わい方。
初めて「エスプレッソ」にチャレンジする方にこそ試してほしい飲み方です。
エスプレッソ自体の量が少ないし、すごく熱いわけでもないので、イタリア並みに入れると、溶けきれないお砂糖がカップの底にジャリッと残るんですね。
それをスプーンですくって食べると、カラメルのような味わいでおいしいですよ。
イタリア料理は塩分が強め。ふだんの食事で糖分を摂るシーンが日本ほど多くない中で、砂糖を加えたエスプレッソを飲むという文化が根付いています。
イタリアでは、アルコールも提供するコーヒーショップ「バール」が人気ですが、店内の立ち飲み用のカウンター「バンコ」で、仕事前や昼食後にサッと注文してエスプレッソを飲む人も多いんです!
エスプレッソのアレンジメニュー「カプチーノ」
エスプレッソをフォームミルクでアレンジしたものが「カプチーノ」。
エスプレッソ単体で飲むよりも馴染みがあるかもしれません。厚みのある専用のカップで提供されることが多いカプチーノは、口当たりが良く、エスプレッソとミルクとの相性も良いので、エスプレッソのおいしさをマイルドに味わます。
ちなみにイタリアでは、朝食にバールで甘いパンとカプチーノをいただくスタイルが定番です。
エスプレッソにフォームドミルクを注ぎ入れながらさまざまな模様を表面に描くデザインカプチーノを楽しめるお店も増えました。
バリスタの見事な技で、リーフやハートなど、素敵な絵柄で提供されると気分も上がります。
エスプレッソコーヒーを使った飲み物
カフェラテやカフェマキアート、カフェモカなどの飲み物は、すべてエスプレッソコーヒーをベースにして作られます。エスプレッソコーヒーを使った代表的な飲み物は以下の通りです。
カフェラテ
エスプレッソコーヒーとスチームドミルクを2:8の割合で作る飲み物です。ドリップコーヒーと牛乳を1:1で割って作るカフェオレと似ていますが、カフェラテの方がミルクの比率が高く、エスプレッソコーヒー特有のミルクに負けない苦みとコクが感じられる点がカフェオレとは異なります。
なお、カフェラテの表面にキャラメルソースを振るとキャラメルマキアートになります。
カプチーノ
エスプレッソコーヒーとフォームドミルクを1:2の割合で注いで作る、ミルク感たっぷりの飲み物です。
スチームドミルクは泡が立たないように蒸気で温めたミルクのことで、フォームドミルクは専用のフォーマーを使い、蒸気の力でふわふわに泡立てたミルクのことです。
カフェマキアート
エスプレッソコーヒーとフォームドミルクを1:1.5の割合で作る飲み物です。ほんのりミルクを感じるエスプレッソコーヒーといった味わいとなります。
キャラメルマキアートやカフェマキアートの「マキアート(macchiato)」はイタリア語で「染みのある」という意味があり、キャラメルソースやミルクが染みのように表面に浮かんでいるようすを表しているとされています。
カフェモカ
エスプレッソコーヒーにフォームドミルクとチョコレートソースを浮かべて作る飲み物です。エスプレッソコーヒーとミルクの割合は3:7程度となり、エスプレッソコーヒー、フォームドミルク、チョコレートソースの順に合わせて完成となります。お好みで生クリームやココアパウダー、クラッシュナッツなどをトッピングするのもおすすめです。
スチームドミルクやフォームドミルクを使い、カップの表面にイラストを描く技術はラテアートと呼ばれ、エスプレッソコーヒーの抽出やラテアートの技術などを身につけている人は「バリスタ」と呼ばれます。
エスプレッソコーヒーを使ったスイーツ
エスプレッソコーヒーは飲み物だけでなく、スイーツにアレンジすることも可能です。エスプレッソコーヒーを使った代表的なスイーツは以下の通りです。
ティラミス
甘いリキュールや砂糖を加えたエスプレッソコーヒーを染み込ませたビスケットやスポンジケーキに、泡立てた卵黄と卵白を混ぜたマスカルポーネチーズを交互に重ね、表面にココアパウダーを振りかけたイタリアの有名なスイーツです。
上品なコクを感じるマスカルポーネチーズのふわふわで濃厚な触感と、エスプレッソコーヒーの苦みのハーモニーが特徴的で、特に日本で人気のあるスイーツとなっています。ティラミス(tiramisu)は「私を元気にして」といった意味のあるイタリア語です。
アフォガート
バニラアイスクリームにエスプレッソコーヒーをかけたデザートです。エスプレッソの味わいとバニラアイスのおいしさがシンプルに味わえる、気軽なスイーツとして人気があります。
アフォガート(affogato)は「溺れた」という意味のイタリア語で、エスプレッソコーヒーの代わりに紅茶やリキュールを使ったアフォガートなどもあります。自宅でも簡単に作れるため、エスプレッソコーヒー以外にも濃いめにいれたほうじ茶や抹茶、バルサミコ酢などをかけて、バニラアイスとのマリアージュを楽しんでみてはいかがでしょうか。