こんにゃくには主に、こんにゃく芋を乾燥させて出来た精粉で作った白こんにゃく、生芋由来で、生芋の皮が含まれてるものや精粉に海藻の粉末を混ぜて作った黒こんにゃくがあります。
どちらも原料は異なるため詳細に見ると栄養の違いはありますが、生の状態ですと大まかには同じと思っていただいてかまいません。
ちなみにこんにゃくの原料は芋ですが、ほとんど水分で出来ているため、カロリーと糖質が低いこともポイントです。なのでダイエットや糖質制限にも向いているといえます。
こんにゃくは「おなかの砂おろし」・「胃のほうき」
これは、食物繊維の豊富なこんにゃくを食べることで体に不必要なものを掃除する、という意味です。
昔の人たちは!
こんにゃくに含まれる食物繊維・こんにゃくマンナンも、万が一有害な物質が体内に入っても腸への停滞時間を短くすることができるので、体へのダメージは少なくなります。
食物繊維の中でもセルロースやこんにゃくマンナンには、一部有害物質の生成やそれを排除する効果が高いと期待されています。食品添加物の安全性が心配されている現代のこと、こんにゃくで毒だし…はぜひ実行したい健康習慣です。
こんにゃくは大腸疾患リスクを軽減させる
こんにゃくマンナンのような食物繊維は、腸内細菌叢を改善することによって大腸がんや大腸ポリープなどの大腸疾患のリスクを軽減させることが知られています。
大腸には、100種類、100兆個もの細菌が生息し、これらを腸内細菌叢と呼んでいますが、このなかには乳酸菌のような善玉菌だけでなく、悪玉菌もたくさんいます。
食物繊維の多い食事は、それが善玉菌のよいエサになってその発育を促し、結果的には悪玉菌の発育を抑えるのです。
このことが、排便促進作用とあいまって、大腸疾患を予防します。
こんにゃくの主な栄養素と効能
食物繊維
食物繊維は、お腹の調子を整えて便秘解消の効果が期待できる栄養素で、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類が存在します。
とくに、こんにゃくに多く含まれている「グルコマンナン」はこんにゃくを凝固させる時に不溶性食物繊維に変化する成分で、便のカサを増やしながら排便を促します。
また、食物繊維は摂り過ぎた糖質や脂質などのコレステロールも一緒に排出する働きがあるため、肥満や糖尿病などの予防効果が期待できるでしょう。
カルシウム
こんにゃくに含まれるカルシウムは、骨や歯を丈夫に保つために欠かせない栄養素です。
カルシウムは、骨や歯を強くする効果の他にも、血液を固める効果や筋肉の興奮を抑制する効果があります。
カルシウムが含まれている食品といわれると、牛乳やチーズなどを想像する方が多いかと思いますが、こんにゃく(板こんにゃく1枚)にもコップ半分の牛乳と同じ含有量がありますので、こんにゃくでも十分なカルシウムの補給に役立ちます。
カリウム
カリウムは、ナトリウムの排出をサポートする働きがあるため、塩分の調整や塩分の取り過ぎで起こるむくみの改善効果が期待できる栄養素です。
塩分を摂り過ぎてしまうと、高血圧症や動脈硬化を引き起こしてしまうおそれがあります。
こんにゃくに含まれるカリウムをしっかりと摂取することで、高血圧症や動脈硬化を防ぐことが期待できるでしょう。
こんにゃくの健康効果
腸内環境を整える
こんにゃくに含まれる食物繊維は、水と一緒になることで膨張しそのまま大腸に届いて腸内を刺激します。
腸内環境を整えてスムーズな排便のサポートを行うため、便秘などのお腹のトラブルを改善する働きがあります。
お腹のトラブルを改善する他にも、腸内環境が整うことで免疫効果が向上するため、風邪や感染症、アレルギーなどの予防効果も期待できるでしょう。
ダイエットに最適
こんにゃくの100gあたりのカロリーは約5Kcal、糖質は0gです。低カロリーで低糖質な食材であるため、ダイエット効果が期待できます。
1日の食事量を減らすダイエットを始めると便秘になりやすくなってしまいますが、こんにゃくには食物繊維やカリウムが含まれているため、便秘予防とむくみ防止に役立ちます。
このようなことから、こんにゃくは低カロリー低糖質な食材であり、便秘やむくみなど身体のトラブルも同時に解決することが期待できるので、ダイエットに最適な食材といえるでしょう。
骨や歯を強くする
こんにゃくに含まれているカルシウムは、骨や歯を強くする役割があります。
カルシウムは骨や歯を健康に、そして丈夫に保つためには欠かせない栄養素です。
こんにゃくに含まれるカルシウムを積極的に摂取することで、カルシウム不足が原因となって生じる骨粗しょう症も防止することが期待できるといわれています。
また、歯を健康に維持できれば、虫歯や歯周病を防ぐことにつながるため、歯を失わず自分の歯で食事を楽しみ続けることができるでしょう。
生活習慣病の予防
脂質や糖質、塩分などの多い食事が原因となり、肥満や糖尿病、高血圧症などの生活習慣病を引き起こす場合もあります。
しかし、こんにゃくは、先にお伝えしたように低カロリーで低糖質、そして脂質量もほぼ0gです。
こんにゃくを食事に取り入れたり、主食の代用にしたりすることで、過剰な脂質等を控えることができます。
さらに、カリウムも含まれているため余分な塩分を排出する効果もあるため、こんにゃくを取り入れた食事をすることで、生活習慣病の予防につながるでしょう。
動脈硬化のリスクを下げる
こんにゃくは、動脈硬化のリスクを低下させる効果が期待できます。
心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こす可能性がある動脈硬化は、コレステロール値の上昇が原因のひとつです。
こんにゃくに含まれる食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、コレステロールを下げる働きがあるため、動脈硬化の予防につながるでしょう。
こんにゃくは、大きな病気にかからないためにも、おすすめの食材といえます。
こんにゃくの色による栄養の違い
こんにゃくには何種類かの色が存在しますが、スーパーなどでよく見かけるのは黒色と白色ではないでしょうか。
「黒色のこんにゃく」と「白色のこんにゃく」は、
栄養自体に大きな違いはありません。
「黒色のこんにゃく」は生のこんにゃく芋をすりつぶしてつくられたもので、「白色こんにゃく」はこんにゃく芋を乾燥させて粉末にした精粉でつくられています。
現在はどちらも主に精粉を使用してつくられていますが、「黒色こんにゃく」にするため海藻の粉末で色付けすることもあります。