実は多くの栄養素を含んでおり、体にうれしいさまざまな健康、美容効果が期待できる食材!餃子やニラレバなど中華料理でよくみかけ、その特徴的な香りと鮮やかな緑が料理を引き立てるニラ。
- 緑黄色野菜トップのβカロテン
- 強力な抗酸化作用があるビタミンE
- 免疫力アップのアリシン
- 貧血予防に役立つ葉酸
- お腹の調子を整える食物繊維
- 栄養を逃がさないニラの食べ方
- 免疫機能の維持に役立つ「ビタミンA」「ビタミンC」
- スタミナアップを期待「アリシン」
- 高血圧やむくみを予防「カリウム」
- ニラの栄養素と健康への効果
緑黄色野菜トップのβカロテン
ニラはたくさんの栄養素をもっている野菜です。
その中でもニラを代表的な栄養がβカロテンです。
βカロテンはにんじんやホウレンソウなどの緑黄色野菜に多くふくまれていますが、ニラはそれよりも高い含有量をほこる野菜です。
100gあたり3500μgものβカロテンがあり、これは野菜のなかでもトップクラスの量です。
βカロテンは体内でビタミンAに変換される栄養素で、主に目や皮膚などの健康維持に欠かせません。
ほかにも抗酸化作用に優れているため、アンチエイジングにも役立ちます。
強力な抗酸化作用があるビタミンE
ニラにふくまれているビタミンEにも、強力な抗酸化作用があります。
体内にある活性酸素の働きをおさえて、皮膚の代謝をアップさせる効果が期待できます。
そのため、シミやそばかすのケア、肌荒れ防止などの美肌づくりの手助けにもつながる栄養素なのです。
免疫力アップのアリシン
ニラの独特の匂いの元である栄養素がアリシンです。
アリシンはニンニクにもふくまれている栄養素で、独特の辛味や匂いを生み出しています。
この辛さをかんじる匂いこそ疲労回復をサポートするアリシンなのです。
アリシンはビタミンB1と結合して、体内に長時間とどまって疲れた体をいやしてくれます。
ただしアリシンは熱に弱く栄養が壊れやすいため、調理方法に注意が必要です。
油といっしょに料理すると、アリシンが分解されにくくなるので、ぜひ油で炒めましょう。
貧血予防に役立つ葉酸
ニラは貧血対策につながる葉酸(ようさん)も多く含んでいる野菜です。
葉酸は赤血球を成熟させるために欠かせない栄養素。
葉酸が不足していると葉酸欠乏症になってしまい、貧血をおこす原因につながります。
この葉酸不足による貧血を「巨赤芽球性貧血 」とよび、特に多くの血液を必要とする妊婦にはたっぷりの葉酸がかかせません。
お腹の調子を整える食物繊維
ニラは100gあたり2.7gもの食物繊維が含まれています。
しかも、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の両方がはいっているため、お腹の調子を整えて便秘予防につながります。
水溶性食物繊維は腸の中の水分をとりこんで、スムーズな排便を手助けする食物繊維です。
そして不溶性食物繊維は腸に残った食べかすなどをからめとって、いっしょに便として排出するために役立ちます。
ほかにもニラは水分の排出を手助けするカリウムなど、むくみ対策につながる栄養素も含んでいます。
体の中にあるよけいなものを外に出して、アンチエイジングをサポートするビタミン類をたっぷりと含んでいる、まさに健康や美容にうれしい野菜の1つなのです。
栄養を逃がさないニラの食べ方
ニラの栄養をできるだけ効率よくとるには、次の食べ方がおすすめです。
ニラに含まれる疲労回復に役立つアリシンは、熱に弱いため食べ方にちょっとしたコツが必要です。
生のまま食べる
ニラの栄養を丸ごととるには、生のまま食べる方法がおすすめです。
ニラは生のままだと噛み応えがあり、低カロリーなので満腹感がえられるダイエット食品になります。
特に血糖値の上昇率をあらわすGI値も26と低く、糖質が多いごはんなどの炭水化物をとる前に食べると、急激な血糖値の上昇を防げます。
ただし、不溶性食物繊維が豊富なので、一食で一束を食べるなど大量に接種することは控えましょう。
かえって便秘の原因になったり消化不良をおこしたりする可能性があります。
ニラを加えたサラダや薬味として生で食べる方法がおすすめです。
ニラを使ったタレを作る
ニラを細かくカットして手作りのタレにするのも、栄養をしっかりとるおすすめの食べ方です。
たとえば醤油やラー油などの調味料にきざんだニラを入れて、一日漬け込めば野菜やお肉にかけるだけでおいしい料理になるタレができます。
しかも、ニラはしょうがやにんにくなどのほかの薬味と組み合わせれば、冷え性の予防にも役立ちます。
また、油といっしょにとるとアリシンが失われにくいため、ラー油やごま油などの中華風のタレがおすすめです。
鍋や炒め物に入れる
ニラに火をとおすなら、油を使った鍋や炒め物がおすすめです。
貧血対策に定番の料理、レバニラはニラの栄養をしっかりととりつつレバーによって鉄分もとれる女性にうれしいメニューです。
また、鍋でも香りづけにごま油やオリーブオイルをかけたり、鍋のつけダレにラー油を使うと、失う栄養を抑えておいしくいただけます。
免疫機能の維持に役立つ「ビタミンA」「ビタミンC」
ニラは免疫機能の維持に欠かせないビタミンAとビタミンCを含みます。
どちらも抗酸化作用があり、免疫機能低下の原因のひとつとなる活性酸素を除去する働きがあります。
またビタミンAが不足することで、粘膜が乾燥して感染症にかかりやすくなることが知られています。
元気な毎日を過ごしたい方には、ニラがぴったりでしょう。
スタミナアップを期待「アリシン」
ニラにスタミナアップというイメージがあるのは「アリシン」という成分が含まれているからです。
ビタミンB1は、極端に不足すると疲労感や倦怠感を生む原因となることが知られていますが、アリシンはこのビタミンB1の吸収を助けてくれるのです。
またアリシンは、ニラ特有の香り成分でもあります。
食欲を高めてくれエネルギーチャージに役立つことからも、スタミナアップにつながるでしょう。
高血圧やむくみを予防「カリウム」
ニラはカリウムを含み、高血圧やむくみの予防に役立ちます。カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがあるため、高血圧やむくみの原因となるナトリウム(塩分)の摂りすぎを調整してくれます。血圧が気になる方や、むくみがちな方は、カリウム豊富なニラをぜひ取り入れてみましょう。
ニラの栄養素と健康への効果
ニラの旬は3~4月ですが、近年はハウス栽培、トンネル栽培などがあるため、1年中、店頭に並んでいますね。私たちがよく目にしているのは「葉ニラ」という種類。「グリーンベルト」に代表される大葉系品種で肉質がやわらかく人気があります。
ニラには、体をあたためる効果があります。
日常的に食べるようにすれば、冷え性の改善や神経痛の緩和にも有効です。
また、風邪をひきやすい、疲れやすい、貧血気味などの方にもおすすめです。
ニラの原産地は中国といわれ、3000年以上前から栽培されていました。日本でも『古事記』などに記述があり古くから栽培されていましたが、欧米では見られない野菜の一つです。
昔は薬草的に使われていましたが、1960年頃から中国料理の普及とともに需要が急増して、年間通して作られるようになりました。