比較的効果を感じやすいため、実践している方が多いダイエット方法です。しかし、インターネットで検索すると「低炭水化物ダイエットは危険」という声もあります。実際のところ、低炭水化物ダイエットは危険なのでしょうか。
- 低炭水化物ダイエットとは?
- 低炭水化物ダイエットと糖質制限ダイエットの違い
- 低炭水化物ダイエットは危険ってホント?
- 一日3食バランスの良い食事を取る
- 一日の70~130gの糖質を取る
- 低炭水化物ダイエットのメリット
- 低炭水化物ダイエットのデメリット
- 太りやすくなる
- 体に不調が出る可能性がある
低炭水化物ダイエットとは?
低炭水化物ダイエットは、炭水化物の摂取量を抑えるダイエット方法です。
ごはんやパンなどの主食である炭水化物には糖質が含まれています。糖質は私たちが健康的に生きていくためには欠かせない栄養素です。
糖質を摂取すると血糖値が急上昇
それを下げるためにインスリンというホルモンが多量に分泌されます。インスリンには脂肪をため込もうとする働きがあるので、血糖値が上昇すると太ってしまいやすいです。
低炭水化物ダイエット
糖質を多く含む炭水化物の摂取量を抑えて血糖値の急上昇を防げるため、脂肪が蓄積しにくくなってダイエット効果が得られます。また血糖値が急降下すると空腹感を感じやすいですが、血糖値の上昇が緩やかになる低炭水化物ダイエットは急降下することがありません。
基本的には
炭水化物の摂取量を抑えるだけなので、カロリーを計算する食事制限よりも取り組みやすいといえるでしょう。満腹感も得やすく、ダイエットにありがちなストレスを軽減し、理想の体型を目指せるダイエット方法です。
低炭水化物ダイエットと糖質制限ダイエットの違い
前章を読んで「低炭水化物ダイエットと糖質制限ダイエットって何が違うの?」と思った方もいるのではないでしょうか。
実は低炭水化物ダイエットと糖質制限ダイエットには、明確な違いはありません。どちらも糖質を制限することで血糖値の上昇を防ぎ、脂肪をため込みにくくする仕組みで痩せるダイエットです。ただし、一般的には低炭水化物ダイエットの方が、糖質制限ダイエットよりも制限する糖質量が少ない傾向にあります。
低炭水化物ダイエットは危険ってホント?
低炭水化物ダイエットは危険だという声があるのも事実です。
炭水化物の摂取率が最も低かったグループは、最も高かったグループに比べて死亡リスクが32%高かったことが分かっています。また冠状動脈精神疾患の死亡リスクは51%、脳血管疾患は50%、がんは35%上昇したことも分かりました。
健康な方が正しい方法で行えば脂肪の減少につながり、安全にダイエットができるでしょう。体の状態に配慮しつつ、正しく炭水化物の摂取量を制限することが大切です。
一日3食バランスの良い食事を取る
一日3食バランスの良い食事を取ることを心掛けましょう。
低炭水化物ダイエットは炭水化物の摂取量を抑えることが基本で、その他に大きな制限はありません。一日3食バランスの良い食事を取ることで、栄養不足を防ぎながら健康的なダイエットができます。
バランスの良い食事とは
三大栄養素である糖質・タンパク質・脂質に加え、不足しがちなビタミンやミネラルをしっかり摂取する食事です。和食の一汁三菜は、栄養バランスが取りやすい食事だといわれています。
低炭水化物ダイエットでは糖質の摂取量を抑える代わりに、その他の栄養素をしっかり摂取しなければなりません。特にタンパク質と食物繊維は、意識してしっかり摂取したい栄養素です。
タンパク質が必要な理由
炭水化物は体を動かすために重要なエネルギー源なので、低炭水化物ダイエットをするとエネルギー不足に陥りやすいです。すると、体は筋肉を分解してエネルギーを確保しようとするので、筋肉量が落ちて代謝が低下し、太りやすく痩せにくい体質になってしまいます。
以下のような高タンパク低カロリーの食品を摂取するのがおすすめです。
- 鶏むね肉 ・鶏ささみ肉
- アジ ・サケ
- マグロ赤身 ・イカ
- タコ ・エビ
- 卵 ・ヨーグルト
- モッツァレラチーズ ・大豆
- 納豆 など
食物繊維が必要な理由
低炭水化物ダイエット中は食物繊維が不足しやすくなります。食物繊維は炭水化物の一種ですが、糖質とは異なる性質を持つ栄養素です。
糖質がエネルギー源となるのに対し、食物繊維はエネルギー源にはなりません。消化されずに大腸まで届き、腸内環境を整える働きを持っているので、便秘の解消につながります。
また糖の吸収を抑える作用があり、余分な脂質を排出する働きがあるため、ダイエット中には欠かせない栄養素です。
以下のような食品には食物繊維が多く含まれているので、積極的に摂取しましょう。
- 切り干し大根 ・キャベツ
- 大根 ・こんにゃく
- アボカド ・キウイ
- ひじき ・きくらげ
- わかめ ・干し椎茸
- 大豆 ・納豆
一日の70~130gの糖質を取る
低炭水化物ダイエットは、炭水化物を制限して糖質の摂取量を抑えるダイエットです。しかし前述した通り、炭水化物の摂取量を減らし過ぎると、死亡リスクも高まってしまいます。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)を見ると
18歳以上の成人は性別に関係なく、一日の摂取カロリー量のうち50〜60%を炭水化物で摂取することが推奨されています。
糖質は1g当たり4kcalなので、一日の摂取カロリーが2,000kcalの場合、摂取目安は250~325gです。低炭水化物ダイエットはこの数値の半分以下の糖質摂取を目安にすると良いでしょう。
基礎代謝が1,500kcalの場合、一日最低100gの糖質が必要とされているため、減らし過ぎないよう注意してください。
低炭水化物ダイエットのメリット
低炭水化物ダイエットを行うと、どのようなメリットが得られるのでしょうか。低炭水化物ダイエットに期待できる3つのメリットをご紹介します。
効果が表れるのが比較的早い
低炭水化物ダイエットは、ダイエットを始めてから効果が表れるまでが比較的早いことがメリットです。
ダイエットの基本は
摂取カロリーが消費カロリーを上回らないようにすることです。前述した通り、18歳以上の成人の場合は、一日の摂取カロリー量のうち50〜60%を炭水化物で摂取することが推奨されています。
低炭水化物ダイエットは一日の摂取カロリーを抑えやすいので、一般的なダイエットよりも比較的効果が表れやすいでしょう。
脂肪が蓄積されにくくなる
脂肪が蓄積されにくくなることも、低炭水化物ダイエットのメリットです。
炭水化物を食べると血糖値が急上昇してしまい、それを抑えるために脂肪をため込む作用を持つインスリンが大量に分泌されます。低炭水化物ダイエットで摂取する炭水化物の量を抑えれば、インスリンの大量分泌を防ぐことができ、脂肪が蓄積しにくくなります。
肥満の予防にもつながるので、肥満が原因で引き起こされる心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中・月経異常・睡眠時無呼吸症候群などの予防にも効果的です。
食事の自由度が高い
一般的なダイエットと比べると、食事の自由度が高いこともメリットです。
前述した通り、低炭水化物ダイエットは摂取する炭水化物の量を抑えるダイエットなので、それ以外の食べ物は比較的自由に食べられます。カロリーをコントロールするために食事量を減らすダイエットは、あれこれ我慢しなければならず、ストレスがたまりやすいです。ストレスがたまり過ぎると、ふとしたきっかけで暴飲暴食に走ってしまう可能性も高くなります。
低炭水化物ダイエットのデメリット
メリットの多い低炭水化物ダイエットですが、デメリットもあります。これから低炭水化物ダイエットをしようと考えているのなら、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
食べ過ぎてしまう可能性がある
低炭水化物ダイエットは、食べ過ぎて逆に太ってしまう可能性があります。
メリットでもお話しした通り、低炭水化物ダイエットは炭水化物以外の食事の自由度が高いダイエットです。毎回の食事でカロリーを考える必要がないので、取り組みやすいダイエットではありますが「炭水化物を抑えているから良いや」という気持ちになって、食べ過ぎてしまう可能性があります。
食べ過ぎてしまって摂取カロリーが増え、消費カロリーを上回ってしまうと、消費できなかったカロリーが脂肪として蓄積します。いくら自由度が高いダイエットとはいっても、好き放題食べるのはNGです。
太りやすくなる
太りやすい体質になる恐れがあることも、低炭水化物ダイエットのデメリットです。
炭水化物の摂取量を抑えると、エネルギー不足になりやすいので、エネルギーを確保するために筋肉が分解されます。筋肉量が落ちると代謝が低下するため、太りやすくなります。できるだけ筋肉量を落とさないように、タンパク質を積極的に取りましょう。
体に不調が出る可能性がある
低炭水化物ダイエットを行うと、体に不調が出てしまうかもしれません。
炭水化物の摂取量が減ってエネルギー不足になると、体力が落ちたり思考力が低下したりすることがあります。倦怠感や疲労感を持ったり、イライラしてしまったりする方もいるでしょう。これらの症状は、血糖値が低過ぎることによって起きます。
1.血糖値 約70mg/dL以下
- 発汗が増える ・不安に襲われる
- いつもより脈が早い ・手指が震える
- 顔が青白くなる
2.血糖値 50mg/dL前後
- 頭痛 ・目がかすむ
- 集中力がない ・生あくびが増える
3.血糖値 50mg/dL未満
- 異常な行動をする ・けいれんが起きる
- 意識を失う
低血糖状態が悪化すると、最悪の場合命を落としてしまう危険性があります。低炭水化物ダイエットを始めて少しでも異変を感じたら、炭水化物の摂取量を増やすか、ダイエットを中断するようにしましょう。