海外留学はお金がかかるもの。留学を考えている人の中には、「滞在先でアルバイトをしたい」と思っている人もいるのではないでしょうか。
アルバイトにも種類はありますが、今回取り上げるのは接客業です。お客さまを相手にする接客業には、覚えておくと安心なフレーズがいくつかあります。
レストランやカフェなどの飲食店や、アパレル販売では、お客さまが来店してから退店するまで、どのような表現を使って接客するのか、接客アルバイトで覚えて使える英語のフレーズを少しだけご紹介します。
「いらっしゃいませ」の表現
日本ではお客さまが来店すると、店員は「いらっしゃいませ」と声を掛けます。英語で同じように「いらっしゃいませ」と言うには、どのような表現があるのでしょうか。
●英語に「いらっしゃいませ」というフレーズはない
日本語の「いらっしゃいませ」に当たる英語のフレーズはありません。
学校の教科書などでもおなじみの「May I help you?」は、店内で商品を前に悩んでいるお客さまに対して、「何かお手伝いしましょうか」と聞くためのものであって、お客様が来店した際の声掛けには使われません。
入店時の声掛けは、最もポピュラーなあいさつである、「Hello!」や「Hi.」といった表現で構いません。他に、「Hello, how are you?」という表現もあります。「How are you?」は元気かどうか尋ねているのではなく、入店時の一般的なあいさつとして使われています。
また、TPOによってもフレーズは使い分けられます。
●英語ではフレンドリーな接客が好まれる
英語圏では、フレンドリーな接客が好まれる傾向にあります。なかなか初めはできないかもしれませんが、ボディランゲージやアイコンタクトも交えつつ、始めてみましょう。
レストランやカフェの接客フレーズ
ここからは場面設定をより具体的にしながら、すぐに使える接客フレーズをご紹介します。まずは、レストランやカフェなど飲食店でよく使われるフレーズを見てみましょう。
●入店時に使うフレーズ
お客さまが入店したら、以下のフレーズで人数を聞いたり、席へ案内したりします。
・How many people are in your party?(何名様ですか?)
お客さまの人数を把握するためのフレーズです。この場合の「party」は、ある程度集まった人の「集団」のことを指しています。海外で自民党のことを「Liberal Democratic Party (LDP)」という際の「Party」と同じ用法です。
・Would you like a smoking or non-smoking table?
(喫煙席と禁煙席のどちらがよろしいでしょうか?)
喫煙席か禁煙席以外にも、テーブル席かカウンター席のどちらを希望するのか聞く際には、「Would you like a table or a counter seat?」と尋ねると良いでしょう。
・This way, please.(こちらへどうぞ)
お客さまを席まで案内する際に使います。案内するまでに少し待ってもらったときには、「Thank you for waiting.」(お待たせいたしました)と先に付け加えても良いでしょう。
●注文を受けるときに使うフレーズ
お客さまに注文を聞いたり、飲み物を薦めてみたり、注文を確認するのに使うフレーズです。
・Are you ready to order?(ご注文はお決まりでしょうか?)
「May I take your order ?」や「Can I take your order?」(ご注文を伺ってもよろしいでしょうか)という表現もあります。もし注文が決まっていない場合は、「Not yet.」(まだです)などの返答があるので、「I’ll be back in a few minutes.」(数分後にまた参ります)と伝えましょう。
・Would you like something to drink?(お飲み物はいかがでしょうか?)
料理と一緒にドリンクの注文を伺う際に使うフレーズです。「Would you like ~?」は他にも使いまわしができる表現で、食べ物や飲み物を続ければ「~はいかがですか?」と尋ねることができます。例えば、「Would you like (some)more water?」(お水のおかわりはいかがですか?)と言って、お水のおかわりを提供するときにも使えます。
・We recommend~.(おすすめなのは~)
お客さまが注文に迷っているときは、「We recommend a chicken steak.」(おすすめはチキンステーキです)というように、おすすめのメニューを紹介します。「It taste good.」(おいしいですよ)や「You will like it.」(きっと気に入りますよ)といったコメントを付け加えても良いでしょう。
・I will confirm your order.(ご注文を確認いたします)
注文を受けて、最後に注文を復唱するときに使います。ドリンクの注文がなかった場合は、確認の前に「Would you like something to drink?」を使って、ドリンクを薦めることもできます。
・Certainly.(かしこまりました。)
主に高級店で使われるフレーズで、ファストフード店のようなカジュアルな飲食店の場合は「Sure.」で問題ありません。「Certainly.」と答えると、堅苦しい印象を与えてしまう場合があります。
●料理などを提供するときに使うフレーズ
料理を提供するときや、食べ終えた皿を下げる際に使えるフレーズです。
・Here you are.(どうぞ。)
料理をサーブする際に使います。この後に「This is ~.」と続けて、メニューを伝えることもできます。最後のメニューを提供し終えたら、「Enjoy your meal.」(どうぞお楽しみください)や「Take your time.」(どうぞごゆっくり)と言いましょう。
・May I take your plates?(お下げしてもよろしいでしょうか?)
お客さまが食べ終えたら、一言声をかけて皿を下げましょう。他にもくだけた表現で「Are you done?」や、「Are you finished?」といったフレーズがあります。食べ終わっている場合は「Of course.」や「Yes, please.」などの返答があり、まだ食べているときは「Not yet.」と返答があります。
レジで使う接客フレーズ
レジで会計をする際も、よく使われるフレーズを覚えておけば安心です。クレジットカードなど、日本とは異なる対応には注意しましょう。
・Wait in line, please.(一列になってお並びください。)
レジ前が混雑したときに使えるフレーズです。お会計にスムーズに対応するためにも、列が長くなってきたと感じたら、ひと声掛けてみましょう。
・Would you like to pay separately?(お会計は別々でしょうか?)
飲食店やレストランでグループの会計を行うとき、個別会計にするかどうか尋ねるのに使います。反対に、一緒に会計するかどうかを聞く場合は「Would you like to pay together?」(お会計はご一緒ですか?)と尋ねます。
・Would you like to pay by cash or charge (credit card)?(現金かクレジットカード、どちらでお支払いされますか?)
このフレーズと同じような意味合いで「How would you like to pay?」という尋ね方もあります。なお、海外ではカード払いの際に、一括か分割かなど支払回数を尋ねることはあまりありません。
・Your total is ~.(合計で~円です)
会計金額を伝える際のフレーズです。併せて商品数を伝える場合には「That is 30 dollars for seven items.」(7点で30ドルです)と言います。お金を受け取ったときは「Out of 10 dollars.」(10ドルお預かりします)というフレーズを使ったり、ちょうどの金額の場合には「Thank you.」と返したりします。
・Here is your change.(こちらがお釣りです。)
お釣りを渡すときに使います。「charge」の部分を「receipt」に変えると、「こちらがレシートです」という表現になります。
・Thank you. Have a good day!
(ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。)
会計が終わり、お客さまが退店する際のあいさつです。「Have a good day!」は昼夜問わず、一日中使うことができます。レストランのディナーなどでは、「Thank you. Have a good night.」と言うこともできます。
慣れないうちは拙い英語でも大丈夫
英語で接客するのに、完璧な語彙力は必要ありません。ご紹介したフレーズの中から、必要なものを選んで覚えてみてください。大切なのは、いかにコミュニケーションをとれるかどうかです。
最初のうちは拙い英語であったとしても、ボディランゲージやアイコンタクトも使って伝えようとすれば、相手も理解してくれます。実際に話してみて、どんどん覚えていきましょう。