カレーに欠かせないスパイスのひとつである「コリアンダー」。パクチーとの違いをご存じでしょうか?実は、乾燥させた種子を用いるか、生の葉を食べるかがポイントなんです。この記事では、コリアンダーとパクチーの特徴を詳しく紹介します。
コリアンダーとパクチーの違い
コリアンダーとパクチーは、どちらも同じ植物がもとになっています。セリ科コエンドロ属に分類されている植物から作られる香辛料で、コリアンダーには実、パクチーには葉が使われています。パクチーは生のものも出回っており、そのまま食べることができます。
コリアンダーとは
コリアンダーは、おもに英語圏での呼び方です。実が茶色く熟したら茎ごと乾燥させ、十分に乾燥したら香辛料としてさまざまな料理に使えるようになります。
くせが少なく、爽やかな柑橘系の香りが特徴です。そのため肉料理や野菜料理、お菓子など、あらゆる料理に活用されています。ほんのりスパイシーな香りもするため、カレーなどにもよく使われる香辛料です。
乾燥させた種子がコリアンダーシード
乾燥させたコリアンダー(種子)は、「コリアンダーシード」と「コリアンダーパウダー」に分けられます。コリアンダーシードとは、完熟した種子の部分を乾燥させたものです。パウダー状にするのではなく、種子の形そのままで利用するのが特徴です。
種子の形そのままのため、独特な食感を楽しめます。ホールを噛んだ際の食感と豊かに広がる香りを楽しめるため、食感を楽しみたい場合や料理のアクセントとしてもよいでしょう。
種子をパウダーにしたのがコリアンダーパウダー
コリアンダーシードをパウダー状にしたものが、コリアンダーパウダーです。コリアンダーパウダーは、シードと比べると香りが穏やかなのが特徴です。そのため、どのような料理にも使いやすいスパイスとなっています。
レシピに「コリアンダーパウダー」と記載されている場合は、粉末状のものを使いましょう。コリアンダーシードを挽いて粉末状にすることもできますが、料理のバランスが変わってしまうこともあるので注意してください。
パクチーとは
パクチーは、タイ語でコリアンダーを意味します。エスニック料理には欠かせませんが、くせがあり好みが分かれる香りです。
本場タイでは、トムヤムクンやサラダに生のままのパクチーが使われています。また、ベトナムでもよく使われ、生春巻きの具材やフォーのトッピングとして親しまれています。
パクチーにはいくつか種類があり「パクチータイ」「パクチーファラン」「パクチーラオ」が代表的なものです。
日本でよく見かけるパクチーは、パクチータイです。細長い茎に切り込みの入った小さな葉がたくさんついています。エスニック料理によく使われ、くせのある爽やかな香りが特徴です。
パクチーファランは
パクチータイよりも強烈な香りがするといわれています。葉が大きく、のこぎりのようにギザギザとしています。スープのトッピングや生春巻きの具材、食材の香り付けなど、さまざまな方法で使われています。
パクチーラオは
イタリアや日本では「ディル」と呼ばれます。茎に細長くて小さな葉をたくさんつけるのが特徴です。パクチータイほどのくせはなく爽やかな香りがすることから、肉料理の臭み消しによく使われます。
パクチーは、中国では「香菜(シャンサイ)」、日本では「コエンドロ」「カメムシソウ」と呼ばれることもあります。
名前の違いはルートの違い
コリアンダーとは
古代エジプトでは、薬や香辛料としてだけではなく「幸福のスパイス」として、死者と一緒に墓に入れる習慣もあったそうです。
甘くさわやかで、ほんのりスパイシーなコリアンダーのパウダーは、桃や洋ナシのコンポートとも相性がよく、かけると風味が際立ちます。
パクチーとは
タイではパクチーの香りと食感を楽しむために葉の部分をサラダにしたり、生春巻きの具材にしたりして、生で食べることが多いようです。茎の部分は鍋や炒めものに調理するとか。
また、パクチーにも種類があります。まず、日本でもよく見かけるあのパクチーは、タイではパクチータイと呼ばれ、葉だけでなく種も根も料理に使われています。
香菜(シャンツァイ)との違い
パセリや長ねぎと同じように、肉や魚料理の臭み消しや汁もの、おかゆ、麺料理などに薬味として用いられています。とくに、四川料理の火鍋には欠かせない薬味だそうですよ。
呼び方の違い
中国名では「香菜(シャンツァイ)」
英語名では「コリアンダー」
和名では正式には「コエンドロ」ですが、
あの虫の匂いに似ていることから「カメムシソウ」
スペイン語では「シラントロ」
ポルトガル後では「コエントロ」
ベトナム語では「ザウムイ」とも呼ばれます。
こんなにいろいろな呼び方があるなんて驚きですね〜。
コリアンダーにはどんな効能がある?
・殺菌効果や口臭予防効果
種子には健胃作用・整腸作用
コリアンダーは、胃もたれや胃痛、便秘などといった胃腸のトラブルを和らげるハーブとして古くから活用されていたという歴史があります。
葉には殺菌効果や口臭予防効果も
また、パクチーは漢方薬としても伝統的に使われており、傷口などに塗ることで殺菌作用が得られるともいわれているようです。さらに、口臭予防効果も期待できます。
パクチーには消化・デトックス作用があり、口臭の原因を輩出してくれるといわれています。パクチーを水に入れて沸騰させて漉した後冷ませば、うがい薬としても活用可能です。
抗酸化効果
心臓疾患のリスクを下げる効果
動物実験では、コリアンダーの種子によってLDLコレステロールの低下とHDLコレステロールの上昇が確認されたそうです。