ライチはムクロジ科レイシ属で、樹高が10m近くになるの常緑樹です。1つの枝に数個から十数個の果実が房状に生ります。中国や東南アジアが主な産地で、原産は中国やベトナムと言われています。果実は直径3~5cmほどで、うろこのような硬い果皮におおわれている果実です。黒の種が中心にありその周りの果肉を食べます。果肉は乳白色の半透明。外見からは想像できないほどみずみずしく、甘味と酸味のバランスが絶妙。独特の香りがあります。
以前は輸入ライチといえば冷凍ものでしたが、現在ではフレッシュのライチも日本で流通しています。日本では、沖縄、鹿児島、宮崎などで栽培されています。
ライチは追熟しません。収穫後の食味の変化としては、他の果物と同様で保存中に酸味が抜けていきます。
- ライチの歴史
- ライチの品種と旬の時期
- 黒葉 (こくよう)
- ライチに含まれる成分と性質
- 妊娠中の方など女性の健康を保つ効果
- 貧血を予防する効果
- 高血圧を予防する効果
- むくみを予防・改善する効果
- 動脈硬化を予防する効果
- 美白効果
- 血糖値を下げる効果
- ライチは食事やサプリメントで摂取できます
ライチは、楊貴妃が愛したといわれる有名な果実です。ビタミンCや葉酸などのビタミン類、カリウムや銅などのミネラル類、ロイコシアニジンなどのポリフェノールが豊富に含まれており、老化や病気、生活習慣病の予防、美肌効果など多岐に渡る効果が期待されています。
ライチの歴史
原産は中国南部あるいはベトナムと言われています。栽培に適した気候が限られている果物で、低温、積雪に弱いため、亜熱帯気候の地域が最適な栽培地域となります。
中国では紀元前より栽培されている記録が残っています。その美味しさから中国の唐の時代に、楊貴妃が1000km以上離れた産地からライチを取り寄せたと言われています。
日本では1720年頃に鹿児島県に持ち込まれたとされています。輸入は中国産と台湾産が解禁されています。中国産は1994年に、台湾産は1980年に輸入解禁となりました。
ライチの品種と旬の時期
玉荷包 (ぎょくかほう)【品種の説明】収穫量が少ないため、台湾でも希少な品種です。
果皮は多くの突起に覆われており、食べ頃の状態でも果皮がうっすら緑色が残ります。そのため、別名「ドラゴンライチ」と呼ばれています。
その外観のイメージから皮を剥き辛そうですが、他の品種と比べても容易に皮が剥ける品種です。プリプリの果肉はジューシーで皮を剥く際に果汁が滴り落ちます。食味はえぐみが少なくコクのある甘味が特徴。他の品種に比べると、種が小さく肉厚であるため食べごたえがあります。ちなみに中国本土での呼び名は「妃子笑 (ひししょう)」。
【流通の時期】6月上旬
黒葉 (こくよう)
品種日本に馴染みあるライチと言えば黒葉。
玉荷包のような突起は少なく、どちらかといえばツルツルした果皮で、赤褐色のライチです。日本人が思いつくライチの多くは黒葉です。読み方は「こくよう」や「くろは」。甘味が特徴で、世界的にみても認知度の高い味。
時期
6月下旬
ライチに含まれる成分と性質
ライチには、葉酸が豊富に含まれています。葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、造血や細胞の生まれ変わりに関わり、胎児の発育に必要不可欠な成分であると考えられています。
胎児が発育する妊娠中の女性や、乳幼児期、成長期の子どもに特に必要な栄養素とされ、厚生労働省によって妊娠中は妊娠していない時の2倍近い量の葉酸の摂取が推奨されています。
他にもライチには、ビタミンCなどのビタミン類、カリウムや銅などのミネラル類、ロイコシアニジンなどのポリフェノールなどが豊富に含まれています。ビタミンCやロイコシアニジン、アントシアニンなどのポリフェノールは、強い抗酸化作用を持つことで有名です。
■ 抗酸化作用とは ■
紫外線や喫煙、ストレスなど生活の様々な場面で発生する活性酸素を除去し、体が酸化することを防ぐ働きのことです。
人間の体内に活性酸素が過剰に発生し酸化が起こると、病気や老化、肌トラブルが引き起こされます。ライチに含まれる抗酸化物質が体内で強い抗酸化力を発揮して酸化から体を守ることで、病気や老化、肌トラブルを予防することができます。
妊娠中の方など女性の健康を保つ効果
ライチに含まれる葉酸には核酸がうまく働くためのサポートをする働きがあります。
人間は約60兆個の細胞からできており、常に細胞の生まれ変わりが行われています。
人間は約60兆個の細胞からできており、常に細胞の生まれ変わりが行われています。
核酸は細胞の生まれ変わりをコントロールする重要な存在です。葉酸が不足すると核酸がうまく働かなくなり、細胞の生まれ変わりが正しく行われなくなります。
特に、赤ちゃんの新しい細胞や血液がつくられる妊娠期や授乳期のお母さんにとって、葉酸は必要不可欠な栄養素です。妊娠中だけでなく、妊娠前から葉酸を摂取することにより、赤ちゃんの神経系の病気の発生リスクを軽減させることができるといわれています。
貧血を予防する効果
ライチに豊富に含まれる葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球をつくるために欠かせない成分です。赤血球は、呼吸をした際に肺に取り込まれた酸素を全身に運ぶ役割を果たしています。
赤血球の量が減ると、細胞に供給される酸素が不足するため、顔が青白くなる、少し動いただけでも息切れがする、動悸が起こる、疲れやすくなる、立ちくらみがするなどの貧血症状が引き起こされます。
ライチには、鉄と協力して赤血球を形成する働きを持つ葉酸に加え、鉄の吸収を高めるビタミンCや銅も豊富に含まれているため、貧血の予防・改善に適した果実であると考えられています。
高血圧を予防する効果
ライチにはカリウムも豊富に含まれています。
カリウムは体内でナトリウムとバランスを取り合って、血圧を正常に保つ働きをしています。味の濃い食事などによって過剰に塩分を摂り続けると血液中のナトリウムが増え、高血圧を引き起こす原因となります。
カリウムは体内でナトリウムとバランスを取り合って、血圧を正常に保つ働きをしています。味の濃い食事などによって過剰に塩分を摂り続けると血液中のナトリウムが増え、高血圧を引き起こす原因となります。
ライチにはナトリウムを体外に排泄する働きも持つカリウムが含まれているため、高血圧の予防効果が期待されています。
むくみを予防・改善する効果
ライチに含まれるカリウムには、体内の余分な水分を排出する働きがあります。そのため、ライチには細胞間に溜まる水分が原因で起こるむくみの予防・改善に効果があると期待できます。
動脈硬化を予防する効果
血液中の悪玉(LDL)コレステロールが増加すると、血管の内壁が脂質で分厚くなり、こぶのようにせり出して血管を狭めるため、高血圧や動脈硬化などが引き起こされます。
ライチに含まれるビタミンCや、ロイコシアニジンなどのポリフェノールには、血中の悪玉(LDL)コレステロールを減少させる働きがあります。そのため、ライチは動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果的であると考えられています。
美白効果
シミ・そばかすの原因となるメラニン色素は、アミノ酸の一種であるチロシンから生成されます。ライチに豊富に含まれているビタミンCには、チロシンを生成する酵素であるチロシナーゼの働きを抑制し、メラニン色素の沈着を防ぐ働きがあります。
さらに、ロイコシアニジンなどのポリフェノールには、細胞の酸化を抑制し肌のシミやしわ、そばかすなどを防止する働きもあるため、ライチには美白効果があると考えられています。
血糖値を下げる効果
ライチの種子抽出物をマウスに皮下注射させる実験で、ライチ種子に血糖降下作用があることが明らかになっています。
ライチは食事やサプリメントで摂取できます
こんな方におすすめ
○妊娠中の方、妊娠を考えている方
○貧血でお悩みの方
○血圧が高い方
○手足のむくみでお悩みの方
○動脈硬化を予防したい方
○美肌を目指したい方
○血糖値が気になる方
日本飲食協会のブログ
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