Web Analytics Made Easy - Statcounter
View My Stats

japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

栄養価が高くて優秀過ぎる「ゆりね」

ゆり根は、名前の通り「ゆり」の根のあたり、鱗茎(りんけい)部分のことを言います。

鱗茎というのは地下茎の一種で、茎の周りに養分を蓄えた葉が多肉となり、球形を形作っているものです。ゆり根の場合は白い肉厚な鱗片が幾重にも重なった形が特徴的ですね。

食用とされるゆり根の種類は限られており、現在では「オニユリ」「コオニユリ」「ヤマユリ」など苦味の少ないものが主に栽培されています。世界でもゆり根を食べるのは日本、中国など限られた国だけのようです。

ゆり根の歴史

ゆり根はもともと日本や中国で自生していたと言われており、中国では漢方としても広く利用されてきました。

日本では江戸時代から食用の記録があり、明治時代には栽培面積も増えていったとのこと。

北海道で本格的に栽培が始まったのは大正時代からです。和田伊三郎という人物により本州から持ち込まれたのが最初とされており、元は本州で自生していたものが北海道の気候とマッチし、結果として主要な産地に成長した、ということのようですね。

 

縁起物の食材、ゆり根

ゆり根と聞くと、お正月を思い出す日本人は多いのではないでしょうか?お正月のおせち料理の食材のイメージが多いゆり根、そもそも何故おせち料理で良く使われるのかご存じでしたか?

ゆり根は、鱗茎がいくつも重なっています。この「鱗茎が重なる」姿が「年を重ねる」ことに通じると縁起を担いで、ハレの日であるお正月に食されるようになったのです。

そしてこの鱗茎が重なり合う姿が和合、つまり仲良く調和して過ごしていくことに通じるとされており、吉祥の象徴ともみなされています。また、ゆり根は古くから滋養強壮や咳止めなど、薬用としての効果も信じられており、ここから「無病息災」「子孫繁栄」といった祈りも込められていると言われています。

ちなみに、ゆりの霊力は天上の扉を開く、と古くから信じられてきました。ゆりの古名は佐韋(さい)や三枝(さいぐさ)と言い、三途の川の河原である「賽(さい)の河原」の「さい」と同じ意味と考えられていたのです。

 

ゆり根の栄養素

縁起物として知られるゆり根ですが、手間ひまがかかるだけあって栄養分は非常に豊富です。

たんぱく質は何とじゃがいもの2倍以上。糖質も多く、滋養強壮に効果があるため、喘息を和らげる効果が期待できます。他には鉄やリン・カルシウム・カリウムなども豊富です。

特にカリウムの含有量は他のあらゆる野菜と比べても非常に多く、高血圧予防やむくみ防止効果が期待できます。

また、ビタミンも豊富で、ビタミンE・B1・B2・B6・Cなどが含まれています。食物繊維も多く、整腸作用にも良いと言われています。

ちなみにゆり根はストレスによる不定愁訴や不安感、不眠などを改善する効果があると言われており、中国では昔からノイローゼや精神の病に使われていたようですね。

栄養たっぷりなゆり根ですが、そのぶんカロリーは高め。ダイエット中の方は過剰摂取とならないように注意した方が良さそうです。

 

シロユリは下痢を引き起こすことも…

ゆりの球根であれば何でも食用にできるのではなく、シロユリは下痢を引き起こすことがあり、花として鑑賞するユリにはアクや苦みが多く、食用に適していないものもあります。野山でユリを見つけて、その球根を持ち帰って食べるのは避けましょう。
ユリとは別属になりますが、北海道のアイヌの人々はオオウバユリの球根を焼いたり、茹でたり、さらに球根からとったでんぷんを、風通しのよい日陰で発酵、乾燥させて貯蔵食糧としていました。他のユリ科の植物でも可能かと思われますが実証はされていません。

 

食物繊維がとっても豊富

食物繊維が豊富で、総量はごぼうに近く、水溶性の食物繊維はごぼうよりも多く含まれています。加熱すると粘りが出るのはグルコマンナンという、こんにゃくと同じ水溶性の食物繊維です。水溶性の食物繊維は粘りが多いのが特徴です。
糖質も高く、さつま芋に近いエネルギーがあります。消化も良く、たんぱく質、カリウム、マンガンやビタミンB1、B2、葉酸、マグネシウム、リンなども豊富。カリウムはさつま芋の1.5倍。加熱によるビタミンCの損失も少ないのも魅力です。

 

 

 

栄養価が高くて優秀過ぎる「ゆりね」はお正月に絶対食べるべき食材

ゆり根とは食用に適した百合の花の球根部分です。ゆりねは百合の中でも、オニユリやヤマユリ、スカシユリなど苦みの少ない種が用いられ、江戸時代中期以降に野菜として栽培が始まりました。ただし観賞用として売られている百合科の植物には毒性があるので、くれぐれも間違って口にしないよう注意が必要です。

 

ゆり根に込められた思いは「無病息災」

ゆりねの形は、まるで花のように鱗茎(りんけい)が幾重にも重なっています。ここから「年を重ねる」という意味で縁起をかつぎ、おせちに入れられるようになりました。鱗茎の重なりあう姿が「和合」に通じ、吉祥の象徴と見なされたのです。

古来ではゆりには霊的な力があると信じられ、その力で天上の扉を開いてくれると信じられていたため、 「新たな一年を無病息災で暮らせるように」との願いや、子孫繁栄を天に祈る意味も込められています。

 

栄養満点のゆりね

ゆりねは栄養価も高く、じゃがいもの2倍のタンパク質が含まれていることから、滋養強壮に良い食べ物でもあります。さらに、ゆりねにはカリウムや鉄、リンなど、他の食材では摂りづらい栄養素が摂れるため非常に優れた食材の一つです。

コレステロールの上昇を抑える効果を持つグルコマンナンも豊富で、健康食品としても注目を集めています。昔は、産後の母親や病人の体力回復に食べさせたり、漢方薬として咳止めや不眠の改善に用いられるなど、広い効果を期待され様々な使い方をされてきました。


ゆりねはそのまま甘煮にしておせちに入れたり、茶碗蒸しの具にするのが一般的ですが、冬至の七草にならって縁起をかつぐ風習も見られます。

その際には「人参やキントンなど、”ン”がふたつついている食べ物を7つおせちに入れると、その年は幸運になる」と言って、ゆりねをキントンにして入れるなど工夫がこらされています。ゆりねは3年かけてわざとつぼみを切り落とし、じっくりと土の栄養を吸わせます。

手間と時間をかけて丸く太く育ったゆりねは、縁起の良さだけでなく栄養面から見ても、おせちに適した食材だと言えます。

 

栽培期間

ユリ根の栽培はとても時間がかかるんです。畑に植えつけをするまでに3年、畑に植えつけてからさらに3年、合計6年もの月日がかかります。
また一度植えた畑は、7年空けないと再度植えつけができないということなので、ユリ根はとても貴重な野菜ですね。
 

ユリ根の食べ方

ユリ根は火を通す時間で食感が変わる不思議な野菜です。火をあまり通さないで食べるとシャキシャキした味わい、火を通す時間を長くするにつれて、ホクホクした味わいからネットリした食感に変わっていきます。
ユリ根がよく使われるのは茶碗蒸しやおせち料理のきんとん、甘露煮、含め煮など。やさしい甘さと上品な味わいから、京料理によく用いられています。
20220812103855
 
スポンサーリンク