炭酸水には健康・美容効果があるといわれていますが、「実際のところどうなの?」と疑問に感じている方もいるかもしれません。
そこで今回は「炭酸水」にフォーカスし、その種類や飲むことで得られる健康・美容効果、飲むタイミングや注意点などについて!
- そもそも炭酸水とは?
- 天然炭酸水
- 人工炭酸水
- 炭酸水を飲むことで期待できる健康・美容効果
- 疲労回復
- ダイエット
- 腸内環境を改善
- 肩こり解消
- 食欲増進
- 常温で飲む
- お酢と一緒に飲む
- 起床後
- 食前・食事中
- 運動後
- 炭酸水を飲む際の注意点
そもそも炭酸水とは?
炭酸水とは、二酸化炭素(炭酸ガス)が含まれた水のことです。農林水産省が定める「炭酸飲料の日本農林規格」では、「飲料水に二酸化炭素を圧入したもの」「甘味料や酸味料、フレーバリングなどを加えたもの」と定義付けられています。
炭酸水には「天然炭酸水」と「人工炭酸水」の2種類があり、それぞれ異なる特徴があります。
天然炭酸水
天然炭酸水は、自然に湧き出た二酸化炭素を含んだ水を指します。採水時にはすでにミネラル成分が含まれているため、口当たりがまろやかなのが特徴です。炭酸の強さは産地によって異なります。
人工炭酸水
人工炭酸水はその名のとおり、人工的に作り出された炭酸水を指します。飲料水に二酸化炭素を圧入することで作られるため、炭酸の強さを調整できるのが特徴です。仮に炭酸濃度を濃くすると、お酒の割り材に適したドライな口当たりになります。
炭酸水を飲むことで期待できる健康・美容効果
「炭酸水は健康・美容によい」といわれていますが、具体的にはどのような効果が得られるのでしょうか。以下で、期待できる4つの効果について解説します。
疲労回復
炭酸水を飲むことで期待できる効果には、まず「疲労回復」があります。
人が疲れを感じる主な原因は、老廃物(疲労物質)の蓄積です。炭酸水には、その老廃物を洗い流す作用があるといわれています。そのため、疲れを感じたときや元気を出したいときには、炭酸水を飲むとよいかもしれません。
ダイエット
「ダイエット」も、炭酸水を飲むことで期待できる効果のひとつ。
なぜなら、300~500ml以上の炭酸水を飲むと、炭酸ガスにより胃が膨れて満腹感が生じるためです。これは食欲の低下につながるため、間食や暴飲暴食を効率よく予防でき、結果としてダイエットが期待できます。
腸内環境を改善
炭酸水を飲むことは「腸内環境の改善」にもつながるといわれています。
飲んだ炭酸水が胃の中に到達すると、胃腸の血管が拡張します。これにより、胃粘膜にも刺激が加わるので、腸管のぜん動運動を活発化させることができるのです。つまり胃腸の働きがよくなり、これが腸内環境の改善につながるというわけです。腸内環境が整えば便秘解消も期待できるため、健康的な身体に近づけます。
肩こり解消
炭酸水を飲むことは、「肩こりの解消」にもつながります。
肩こりの主な原因は血行不良です。血液の流れが滞ることで老廃物が肩周辺に溜まり、こりを引き起こすといわれています。
炭酸水を飲むと血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、多くの酸素を運ぶため血流がよくなります。これにより老廃物が洗い流され、肩こりの解消につながるのです。
食欲増進
炭酸水は、少量飲むことで食欲増進につながります。
繰り返しになりますが、炭酸水を飲むと胃粘膜に刺激が加わり、腸管のぜん動運動を活発化させることができます。そのため、夏バテなどで食欲がないときは、食事の前に炭酸水を少量飲むのがおすすめです。ただし、炭酸水は飲み過ぎると炭酸ガスで胃が膨れて満腹感が生じます。食欲を増進させたいときは、飲み過ぎないように注意しましょう。
炭酸水を効果的に飲む方法
炭酸水の効果をより高めるためには、以下の方法で飲むのがおすすめです。
常温で飲む
炭酸水を飲むなら、常温がベストです。
なぜなら、冷たい飲み物だと胃腸に負担がかかってしまう恐れがあるからです。また、冷たい飲み物を飲むと身体が冷えるので、血流が悪くなる可能性があります。これでは炭酸水の効果を得られなくなるどころか、かえって体調不良を招いてしまいかねません。そのため、炭酸水は常温で飲むのをおすすめします。
お酢と一緒に飲む
このほか、炭酸水はお酢と一緒に飲むのがおすすめです。
お酢に含まれるアミノ酸やクエン酸には、疲労回復効果があります。さらに、お酢には酢酸が含まれており、これには腸のぜん動運動を活発にする効果があるといわれています。つまり、お酢を飲むと腸の働きがよくなり、便秘の解消につながる可能性があるのです。
炭酸水にも疲労回復や便秘解消の効果があるので、お酢と組み合わせて飲むことでより効果を得やすくなるでしょう。
くわえて、お酢は味のバリエーションが豊富です。たとえば、りんご酢やみかん酢、黒酢などがあります。日によってお酢の種類を変えれば、飽きずに飲み続けることができます。
なお、「お酢の酸っぱさが苦手」「味のない炭酸水を飲むのが苦手」という場合は、果実酢を選ぶのがおすすめです。フルーティーな味わいの果実酢を炭酸水に混ぜることで、お酢の酸味・炭酸水が苦手な方も飲みやすくなるでしょう。
炭酸水を飲むおすすめのタイミング
では、炭酸水はどのタイミングで飲めばよいのでしょうか。以下では、炭酸水を飲むおすすめのタイミングをご紹介します。
起床後
炭酸水は起床後に飲むのがおすすめです。なぜなら、睡眠により穏やかになった胃腸の働きを活性化させやすくなるからです。また起床後に炭酸水を飲めば、睡眠中に失われた水分を補給することもできます。
食前・食事中
食べ過ぎを抑えたい方は、食前・食事中に炭酸水を飲むのがおすすめです。
前述したように、300~500ml以上の炭酸水を飲むと、炭酸ガスにより胃が膨れて満腹感が生じます。食前・食事中に炭酸水を飲むことによって食べ過ぎを防げるため、自然と食事量を抑えることができるでしょう。
運動後
このほか、炭酸水は運動後に飲むのもおすすめです。
運動後は身体が疲れている状態、つまり疲労物質が溜まっている状態です。繰り返しになりますが、炭酸水には疲労物質を洗い流す作用があるため、運動後に炭酸水を飲めば疲労回復を早めやすくなると考えられます。
炭酸水を飲む際の注意点
健康・美容効果が期待できる炭酸水ですが、過剰摂取には注意しなければなりません。なぜなら、炭酸水の種類によっては「糖分」が含まれているためです。
たとえば、1缶分の炭酸飲料には40g(ティースプーン10杯分)の遊離糖類が含まれているといわれています。この糖分を過剰に摂取すると血糖値が上昇する恐れがあり、血糖値が高まれば喉が渇きやすくなってしまいます。喉が渇けばさらに炭酸水を飲んでしまいかねず、最悪の場合、高血糖状態を招く恐れがあるのです。そのため、炭酸水の過剰摂取は避けるべきといえます。
くわえて、炭酸水は飲み過ぎると身体が疲れやすくなる点にも注意しなければなりません。炭酸水は弱酸性のため、過剰摂取によって身体が酸性に傾いてしまいます。これにより、代謝が低下して身体が疲れやすくなってしまうのです。
このほか、炭酸水を飲み過ぎると下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。飲み過ぎなければ胃腸の働きがよくなり便秘解消に効果的ですが、飲み過ぎると胃腸が過剰に刺激されます。この理由により、下痢や腹痛といった症状が出る可能性があるのです。
炭酸水の飲み過ぎは、ゲップやおならが出やすくなるという点にも注意しましょう。そもそもゲップやおならが出るのは、空気が関係しています。食べ物を食べたり飲み物を飲んだりする際、空気も体内に取り入れることになります。一定の空気が体内に溜まると、それがゲップやおならとなって出るのです。炭酸水には空気が多く含まれているため、過剰摂取によってゲップやおならが出やすくなります。
胃が弱っているときに飲み過ぎないことも大切です。というのも、炭酸水が胃に急激な刺激を与えてしまい、胃痛の原因になりかねないため。もし炭酸水を飲みたいときは、少量に抑えるようにしましょう。
なお、水分補給を目的とするなら炭酸水ではなく「水」を飲むのがおすすめです。水なら糖分が含まれていないので、安心して飲むことができます。また、血糖値が高まり喉が渇くほか、身体が疲れやすい、下痢や腹痛、胃痛を引き起こすといった事態も避けられます。