肩こりには様々な原因がありますが、ビタミンなどの栄養素が不足していることが
原因となっている場合もあります。
この場合、食事で不足している栄養素を補うことで肩こりを改善することができます。
- そもそも肩こりとは?
- 栄養不足で肩こりになる?
- 肩こりの原因
- 各栄養素の不足が肩こりをもたらすメカニズム
- 肩こり解消のために摂りたい栄養素と食品
- 血行をアップするビタミンE
- 筋肉の疲労物質を抑制するクエン酸
- 筋肉の元となるたんぱく質
- 筋肉の疲れを解消するビタミンB1
- 筋肉の緊張をやわらげるマグネシウム
- 最後に
そもそも肩こりとは?
首から肩にかけての筋肉は頭や腕の重さを支え、姿勢を保つために緊張し続けています。
緊張が続くと筋肉が疲れて疲労物質がたまり、こわばります。硬くなった筋肉は血管を圧迫して血行を悪くします。血行不良になると、筋肉に酸素や栄養素が行き渡らなくなることでさらに疲労物質がたまり、筋肉がますます硬くなるという悪循環を起こします。
硬直が進んだ筋肉が末梢神経を圧迫して傷つけて、痛みを引き起こします。これが肩こりのメカニズムです。
栄養不足で肩こりになる?
厚生労働省が行なっている調査によると、普段感じている自覚症状の中で肩こりは女性で第1位、男性で第2位となっています。
この結果からもわかるように、性別や年齢を問わず、肩こりに悩む人はとても多くなっています。
頭や腕の重さを支え、姿勢を保つために、首から肩にかけての筋肉には常に負荷がかかっています。
緊張して固くなった筋肉では、血液の流れが悪くなります。
すると、そこに痛みを引き起こす疲労物質が蓄積し、痛みを感じるようになります。
これが肩こりの正体だそうです。
長時間のパソコン作業をはじめとする日常生活の習慣が肩こりの原因となることはもちろんのこと、筋肉の血流不足や疲労の蓄積に関わってくるのが栄養素です。
肩こりの原因
肩こりの原因は様々ですが、日常生活に関わることが多くあります。
悪い姿勢の継続
猫背やパソコン作業など下を向いたままの作業を続けていると、首から肩の筋肉に大きな負担がかかり血行が悪くなります。
眼精疲労
本やパソコン、スマートフォンなどを長時間見ていると目やその周りの筋肉が緊張し、首や肩の筋肉にも緊張が及ぶため血行が悪くなります。
運動不足
運動はそれ自体に血行を改善する効果があります。また、筋肉は血液を送るポンプのような役割をしているため、運動不足で筋肉が衰えると血行不良を招きます。
ストレス
ストレスを感じると交感神経が優位に働き、筋肉が緊張しやすくなります。緊張状態が続くと筋肉がこわばり血行が悪くなります。
冷え
寒さを感じると交感神経が優位に働き、血管や筋肉を収縮させ体温が下がらないように働くため血行が悪くなります。
肩こりの原因の一部をあげてみましたが、思い当たることはありませんか?まずは自分の肩こりの原因を知りましょう。
そして正しい姿勢を心掛けたり、適度な運動を取り入れたり、体を冷やさないなど原因に対応した改善方法を実践しましょう。
各栄養素の不足が肩こりをもたらすメカニズム
■ビタミンB群
ビタミンB群は、細胞がエネルギーを生み出すために必要なビタミンです。
特にビタミンB1は、ブドウ糖がエネルギーとして使われるために必須のビタミンです。
現代人は、精製した米や小麦粉、砂糖を摂るようになっているため不足しがちなビタミンです。
また、ビタミンB6は細胞がたんぱく質からエネルギーを産生するために必要です。
ビタミンB12は神経のはたらきを保つのに大切な役割を持っています。
これらも筋肉の働きを保つのに大切な役割を担っています。
■ビタミンE
ビタミンEには、末梢血管を広げ、全身の血流を良くする作用があります。
不足すると、凝り固まっている筋肉の血流がより悪化してしまいます。
■クエン酸
クエン酸は、筋肉疲労を回復させるために使われます。
肩こりは慢性的に筋肉が疲労している状態のため、クエン酸が不足すると肩こりが改善しにくくなります。
肩こり解消のために摂りたい栄養素と食品
ビタミンB群のうち、ビタミンB1は、豚肉や大豆、ゴマ、鮭などに豊富に含まれています。
ビタミンB2は、卵、牛乳、納豆など、ビタミンB6は、カツオやマグロ、ニンニクなどに多く含まれています。
ビタミンB1は、ネギなどに多く含まれるアリシンと合わせて摂ると、効果が高いことが知られています。
ビタミンEはかぼちゃ、アーモンド、うなぎに豊富に含まれています。
クエン酸は、梅干しや柑橘類などに多く含まれています。
果物はビタミンCも摂取できるため、ストレスの多い現代人は積極的に摂取したい食品です。
主食となる穀物に玄米や雑穀米、全粒粉といったものを取り入れるとビタミンB群をはじめ、現代人の不足しがちなミネラルも摂取することができます。
このような栄養素を意識しながらバランスの良い食生活を心がけましょう。
血行をアップするビタミンE
毛細血管を広げて血行をアップする効果があるビタミンE。
筋肉の活動に必要な栄養分や新鮮な酸素をスムーズに運び、肩の筋肉の疲れを改善します。
ひまわり油、綿実油、べにばな油、アーモンド(フライ)、
ヘーゼルナッツ(フライ)などに豊富です。
筋肉の疲労物質を抑制するクエン酸
クエン酸は疲労の原因となる乳酸の生成を抑制する働きがあるため、
肩こりの予防・改善に効果的です。
クエン酸を多く含む食品は梅干し、夏みかん、レモン、グレープフルーツ、桃、
いちご、キウイ、リンゴ酢などがあります。
食後、熱い番茶にしょう油を1%と梅干し一個を入れて飲むのも、
肩こり改善におすすめです。
筋肉の元となるたんぱく質
筋肉が衰えると肩こりになりやすいため、
筋肉の元になっているたんぱく質を摂取することが肩こり改善につながります。
たんぱく質は肉や魚など数多くの食品に含まれているため、
毎日の食事で摂取しやすいものですが、
特に牛ヒレ、豚ロース、鶏肉ささみ、鮭、卵、大豆製品など豊富です。
筋肉の疲れを解消するビタミンB1
B1が不足すると細胞の乳酸が蓄積して体中の筋肉がだるくなるなど、
疲労状態が引き起こされます。
ビタミンB1を摂取すると、疲労物質が取り除かれて血行も改善します。
ビタミンB1の多い食材には、豚肉やゴマ、大豆、玄米などがあります。
筋肉の緊張をやわらげるマグネシウム
筋肉が緊張すると肩こりになりますが、
マグネシウムは筋肉の緊張をやわらげるので、肩こりの改善につながります。
干しひじき、青のり(素干し)、味付けのりなどの海藻類、
干しエビ、サクラエビなどの魚介類のほか、
バジル(粉)、からし(粉)、カレー粉などの香辛料にも豊富に含まれます。
最後に
これらの栄養素を含む食べ物を取り入れることで、「筋肉をゆるめ、疲労物質を除去し、血行を改善する食事」になります。
何から始めようか迷う方に、まずおすすめしたいのは豚肉です。
豚肉はビタミンB1の他、ビタミンB12や筋肉のもととなるたんぱく質も多く含まれています。また、手軽に始められるのでおやつにアーモンドを食べることもおすすめです。