起業をしたら決めなければいけないことが山ほどありますが、「どんなロゴにするか」も決定すべき重要なタスクのひとつ。営業活動をスタートする前に、ポイントを抑えて企業のシンボルとなるロゴの作成も意外と大事です。
- 企業ロゴはコーポレートアイデンティティを表す
- ロゴの必要性と役割
- ロゴを作る上で考慮すべき内容6つ
- 目的によるロゴの種類
- 認定・認証ロゴ
- デザインによるロゴの種類
- 時代によるロゴデザインの変化
- ロゴに込めるブランドストーリー
- ブランドロゴが果たしている役割3つ
企業ロゴはコーポレートアイデンティティを表す
ロゴは企業のウェブサイト、看板、レターヘッド、パンフレット、広告、見積書、封筒、制服などさまざまなものに、いろいろな大きさのものが使用されています。特に名刺にはその企業のロゴが印刷されているものがほとんどです。
ロゴはシンボルである「ロゴマーク」と、会社名などを記した文字「ロゴタイプ」の2つの要素から構成されています。
マークがなく文字だけでロゴとしている企業もあります。またロゴの社名を和文、欧文と使い分けている企業も。ロゴにはコーポレートアイデンティティ(CI)を表す役割があります。コーポレートアイデンティティとはその企業の理念、文化、特色、社風などを指します。
他社と差別化をしてその企業の独自性や優位性を表現するものです。
ロゴの必要性と役割
ロゴは、企業名や商品名をただ表すだけでなく、そのコンセプトや特徴、理念なども含めて視覚化したものです。
人が得る情報の90.9%は視覚から取り入れられています。
そして、ビジュアル・コミュニケーションといわれる、視覚的に伝える手段は、非常に人の記憶に対して効果的にアプローチができます。
人が耳で聞いた内容を3日後に記憶している割合は10%ですが、同じ内容をイラストとして見せた場合は35%記憶しているという実験結果がでています。
ロゴを作る上で考慮すべき内容6つ
実際にロゴを作るとなったら、以下の6つのポイントを考慮します。
1. 名前の表記
企業名またはブランド名のどちらを使うか。漢字を使うのかローマ字を使うのか、またローマ字を使う場合はつづりや大文字・小文字の配置なども細かく決めていきます。
2. 先進性・成長性
推奨:会社の規模が10倍、100倍になってもふさわしいデザイン。
3. 普遍性・継続性
推奨:時代や文化の違いに左右されず、長期間使用することができるデザイン。
4. 柔軟性・展開性
推奨:ロゴの大きさや使用する場所(名刺、広告、ウェブサイトなど)に制約されないデザイン。
5. 視認性・造形性・記憶性
推奨:パッと目を引き、また一目で伝えたいことを表現できているデザイン。
※記憶に残りやすいものにすると良いでしょう
6. ブランディング
推奨:オリジナリティや信頼感、優位性なども十分表現されているデザイン。
以上のポイントに注意して、会社設立ストーリーや顧客へのメッセージ、企業イメージを表現しましょう。
一般的にロゴは!
著作権によって保護されているもの。うっかり他社と似たデザインを採用してしまうとブランディングに失敗するだけでなく、法的問題を引き起こしてしまうこともあります。
完成したデザインに似たものがないかチェックを忘れずに。一方で自社のロゴは商標登録をして、権利を守れる体制を整えましょう。
目的によるロゴの種類
企業や団体、組織の理念やビジョンといったアイデンティティを視覚的に表現したロゴです。
ホームページや会社案内、看板などに記載されるため、その企業を象徴するアイコンとなります。
認定・認証ロゴ
各種認証機関が定めるロゴマークで、一定の基準をクリアしているかの審査基準を正式にクリアしている証として認定ロゴマークの使用が許可されます。
国や公的な機関から認められた証であるため、安心や信頼を与えます。
デザインによるロゴの種類
一般的なロゴデザインは、文字をデザインしたロゴタイプと、シンボルとなるアイコンのみで表すロゴマーク(シンボルマーク)、そしてその2つを組み合わせたロゴマークの3種のいずれかで表現されることがほとんどです。
時代によるロゴデザインの変化
ロゴの使い方や使用範囲は時代と共に広がってきました。
ロゴは、あらゆるツールに自然と溶け込んでおり、商品やポスターだけではなく、パソコンやスマートフォンアプリなど、時代に合わせて、さまざまなデバイスでも対応できるわかりやすく機能的なロゴが求められています。
また、ブランドの目標は変わらずとも、ロゴが時代からずれたり、提供するサービスの価値が代わってきたりしたときなど、軌道修正が必要な場合は、いままでのロゴのエッセンスは継承しつつ、新しいブランドとしてロゴの改定が必要です。
ロゴに込めるブランドストーリー
そして、前述したように、ロゴに込める意味となる企業の理念や思想、ビジョンといったものを物語のように言語化したものがブランドストーリーです。
人々にブランドをエモーショナルに理解し、共感してもらうために心に響かせるストーリーを作ります。
内容は会社やオーナーのバックグラウンドや歴史、どういった思いでブランドを立ち上げたか、目指していきたい未来は何かなどを偽りはなく、情緒的に伝えます。
それによってブランドに関わる人や消費者はブランドに共感し、さらに深くブランドとつながり、ファンになってくれます。
このようなストーリーは単なるブランドの歴史や説明と思われがちですが、ブランドのアイデンティティを形作る、ブランドにとって最も重要な要素のひとつです。
ブランドや商品、サービスについて物語を語るように人々に伝えることで、興味をもってもらい、さらには支持してもらい、ファンになってもらうことがブランディングの理想なのです。また、ブランドストーリーがしっかりしていると、ロゴだけではなく一貫性のあるコンテンツがつくりやすくなります。
ブランドロゴが果たしている役割3つ
「ブランドロゴ」は、単純に特定のブランドを識別するためだけのマークではありません。優れたデザインを持つロゴは、ブランディングにおいてさまざまな方向からユーザーに働きかける重要な役割を果たします。
企業や商品の認知度を高める
「ブランドロゴ」には、企業や商品の認知度を高める役割があります。人によってはロゴを見るだけで特定の企業や商品が思い浮かんだり、特定の企業や商品の名前を聞くだけでロゴが思い浮かんだりすることもあるでしょう。
「ブランドロゴ」は商品・サービスだけでなく、ブランドの公式サイトやチラシなどに至るまで幅広く掲載され、商品・サービス以上に頻繁にユーザーの目に留まります。印象的なロゴをつくり、ロゴ自体の認知度を高めると、ロゴの掲載された企業や商品の認知度を高めるのに効果的です。
他のブランドと差別化できる
「ブランドロゴ」によって、ユーザーは他ブランドとの違いを視覚的に、簡単に把握できるようになります。
他ブランドと競合する商品・サービスを販売する場合、ユーザーからは商品・サービスそのものの違いが分かりにくく感じられるケースも少なくありません。「ブランドロゴ」によって、他ブランドとは異なる、自社ブランドの特徴が反映された商品・サービスであることをユーザーに伝えられる可能性があります。
企業のイメージを形成する
「ブランドロゴ」から与えられるイメージによって、ユーザーの中で企業のイメージが形成されます。特にイメージに与える影響が大きい配色については、ほとんどの企業がこだわりを見せるポイントです。
色によって、言葉ではなく視覚的・感覚的にイメージを伝えられるため、多くの企業では自分たちの理念や商品・サービスの特徴を表すコーポレートカラーを設定しています。