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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

ジンジャーエールって!

発酵ジンジャーエールは、英語ではジンジャービア(Ginger Beer)と呼ばれています。現在のそれと違い、昔はアルコールの入ったお酒でした。



ジンジャエールは生姜の風味が魅力

ジンジャエール(ginger ale)とは、その名のとおり生姜(ginger)を使った清涼飲料水のことです。ピリッとした生姜の風味が人気のジンジャエールですが、そこには必ずしも生姜そのものが含まれているわけではありません。
生姜の成分を抽出した「ジンジャーエキス」を含んだものや、生姜の香り、風味がするノンアルコールの飲み物を「ジンジャエール」と呼びます。

 

起源

1700年代半ば、産業革命の足音が聞こえ始めた、イギリスのヨークシャーで生まれた飲み物と言われています。厳密に誰が、いつ、この飲み物を発明したのかは明らかになっていません。

ジンジャービアの主原料

ショウガとサトウキビは、インドなどでの香辛料貿易を通じてもたらされました。当時は帆船に乗って何ヶ月もかけてインドまで航海し、香辛料を買い付けていたそうですが、その後これらを種や苗ごと西インド諸島(カリブ海)に持ち込み、大規模に栽培することで安価で安定的に供給することに成功し、この飲み物が生まれるきっかけになりました。

ジンジャービア

生姜の豊かでスパイシーな香りと砂糖の甘味、発酵によるアルコールを愉しめる、庶民の嗜好品の一つだったに違いありません。
当時どのくらいのアルコール度数のものが主流だったのかは知られていませんが、醸造所によっては10%以上のものも製造していたようで、現在のビールやスパークリングワインと同様の感覚で飲まれていたと思われます。
因みに、原料の栽培元の西インド諸島でも盛んに飲まれていたようで、ジャマイカがジンジャービア製造でよく知られているのも、ほど近いアメリカで人気だったのも、この歴史に起因しています。

当時のレシピ

水、生姜、砂糖にクリームタータ(酒石酸、pHを下げて雑菌繁殖を防ぐために添加したと思われる)と酵母、メーカーごとにアレンジのスパイス(ジュニパーベリーなど)を加えて、発酵させ造っていたようです。

 

ノンアルコール化

1800年代半ばまでは、上記の通りアルコール飲料として供されていたジンジャービアが、どうして現在のノンアルコール飲料となってしまったのか?

それは1855 年にイギリスで可決された物品税法に端を欲します。
この法律によってアルコール度数が 2% を超える飲料には輸出時に関税が課されることになり、時期を同じくしてアメリカでは11の州が禁酒法を施行していたため、ジンジャービアメーカーは売上維持のためにも低アルコール、またはノンアルコールの商品を製造・販売を始めました。

 

ジンジャーエールとジンジャービア

さて、上述の通りジンジャービアが1700年代半ばに誕生してから150年以上が経って、ジンジャーエール(カナダドライ)も登場しましたので、ここでしっかりと違いを説明したいと思います。
ジンジャービアがほとんど浸透していない日本で、お客様に必ず聞かれるのがこの違いについてです。わかりやすく記載します。

◆ジンジャービア……生姜を使って発酵させる。
 →味わい深く、非常に美味しいのですが、時間も手間も費用もかかる。
◆ジンジャーエール……生姜か香料でシロップを造り、炭酸水で薄める。
 →味は単調で甘いのですが、時間も手間も費用もかからず、シロップは輸送も楽!

 

日本のジンジャービア

日本で初めて一般人に向けて炭酸飲料が発売されたのが、明治元年、その商品はラムネだったそうです。
清国出身のアリン(蓮昌泰)という方が京橋に炭酸飲料の製造所を作り、そこで弟子として働いていた鈴木乙松が翌年には独立、築地で「洋水舎」という会社を設立し、「ジンジンビヤ」という名前の商品を販売し始めたそうです。
おそらく、発酵させた本物のジンジャービアではなかったと思いますが、なんと日本人は明治2年にはジンジャービアと出会っていたようですね。
しかし、このジンジンビヤ、商品画像も瓶もラベルも看板さえも残っておらず、残るはその記述のみ…。

その後ラムネに淘汰されてしまったのか、商品としては残らず、このジンジャービアを知らない方々が書籍で「ラムネ」の歴史を論じる際に、ラムネは舌にジンジンときてヒヤーッとするところから「ジンジンビヤ」と呼ばれていたこともある、などと記載をしていますが、これは「ジンジャービア」の存在を知らない方の誤った解釈だと思われます。正しくは、ラムネはレモネードが訛ったもの、ジンジンビヤはジンジャービアが訛ったもののはずで、「ジンジンきてヒヤーッとする」は、ジンジンビヤという商品名ありきで後付けされや、ただのシャレでしょう。
このジンジンビヤ、当時かなり流行し一定の知名度もあったようで、歌舞伎の台本にも登場しています。
1871年の出来龝月花雪聚の序幕、真田幸村のセリフで「それには引替へ我々は、思ふ存分肩腰打たれ、今更なんと西洋のヂンヂンビヤの悲哀な立合」というもので、袋叩きにされた身体がジンジンと痛むことを、ダジャレで表現しています。

 

ジンジャエールの味わいの違い

一言でジンジャエールといっても、メーカーや銘柄によって味わいが少しずつ異なります。じつは同じジンジャエールでも「甘口」と「辛口」の2つに分けられます。

辛口

辛口のジンジャエールは「ゴールデンタイプ」と呼ばれます。生姜のピリッとした辛味とスパイシーさが前面に押し出されているのが特徴です。
辛口ジンジャエールのなかには生姜だけでなく唐辛子やクローブなどのスパイスを使用しているものもあります。甘味の少ない辛口ジンジャエールはお酒の味を変えにくいため、カクテルに使ってもお酒本来の味を損なわずにたのしめます。

甘口

「ドライタイプ」と呼ばれる甘口ジンジャエールの特徴は、刺激のやわらかいすっきりとした甘さがたのしめること。1920年代にアメリカで大流行したタイプが元になっており、ジンジャエールならではの生姜の刺激はやや控えめで、マイルドな甘さが際立ちます。クセの強いお酒が苦手な人や、ジンジャエール独特の辛味が苦手な人は、甘口のジンジャエールを使ってみるとよいでしょう。
ちなみに、ビールで「ドライ」といえば辛口を指しますが、ジンジャエールでは辛口でなく「さっぱり、さわやか」といった意味で、甘口タイプを指すため混同しないように注意が必要です。

無糖ジンジャー

「ジンジャエールといえば甘口か辛口」と思われがちですが、近年では健康志向に応えた「無糖」のジンジャエールも登場しています。甘くないジンジャーフレーバーは、クリアな刺激と爽快さが特徴。「ジンジャエールの甘さはいらないけれど、普通の炭酸水じゃ物足りない」そんなときに選びたい味わいです。すっきりとした口当たりは、ドライな味が好きな人にぴったりです。

 

「ジンジャーハイ」ジンジャエール×ウイスキー

ウイスキー初心者におすすめなのが、ウイスキーをジンジャエールで割った「ジンジャーハイ」です。

【準備】
◇好みのウイスキー:適量
◇好みのジンジャエール:ウイスキーの3~4倍量
◇氷:適量
◇タンブラーグラス

【作り方】
冷やしたタンブラーグラスに氷を詰め、好みのウイスキーを適量注ぎます。その上から冷やしたジンジャエールをゆっくりと注ぎ、マドラーで静かに混ぜれば完成です。

作り方のポイント

ウイスキーとジンジャエールの比率を1対3~4にすること。この比率はウイスキーが濃くなりすぎず、かつウイスキーのフレーバーが生姜の香りにかき消されることのない黄金比です。
アルコール感がきついと感じた場合は、1対7程度までジンジャエールを増やすと飲みやすくなります。

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