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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

世界最高のワイン産地!フランス

フレッシュなワインから格式ある重厚なワインまで様々なワインが造られています。ワインを好きになり始めた初級者の方、これからソムリエ・エキスパート試験を取ろうと考えている勉強熱心な皆さん向けに、うってつけ!さっと全体を読み流して、興味を持った部分を深堀すれば、色々な発見があると思います。

 

やっぱりフランスが大切なわけ

フランスは、紀元前の昔からギリシャ人がブドウ栽培を始めて、ローマ時代に入ると本格的にワイン造りが根付きます。当時ガリアと呼ばれたフランスの南部、ローマ属州ガリア・ナルボネンシス、今のラングドックとプロヴァンスで、ブドウ栽培が始まります。

その後、フランスのワイン文化の発展は様々な物語を生み出していきます。シャンパーニュ地方の中心、ランスでは、フランス王の戴冠式が代々行われます。

有名なブルゴーニュの銘醸畑ロマネ・コネティを巡っては、ルイ15世の寵愛を受けたポンバドール夫人とコンティ公の間で争奪戦が行われました。

フランス革命とナポレオン戦争終結後の1814年のウィーン会議では、ボルドーのシャトー・オー・ブリオンと豪勢な料理の数々で、フランスが交渉を上手く進められたとの逸話も。

こうした数々の伝説的な物語にワイン産地としてのフランスは彩られています。

立地は、北緯42度から49度迄で、一般に緯度30度から50度がワイン用ブドウの栽培適地と言われますから、フランスは、全土がワインを造るためにあると言っても過言では無いでしょう。シャンパーニュ、ブルゴーニュ、ボルドーを筆頭に、ロワール、アルザス、ローヌと多様な産地に恵まれて、夫々に特徴が際立ったワインを産出しています。

製造技術の方も、ボルドー大学やディジョン、モンペリエ、ランスなどの大学から世界のワイン造りに影響を及ぼす人材を輩出してきました。19世紀にフィロキセラ対策に尽力をしたプランション教授、近代醸造学の父と賞賛されるペイノー教授や白ワインの法王と異名を持つデュブルデュー教授が有名です。

 

主なブドウ品種

いわゆる国際品種と言われている、世界各地で広く栽培されている優れたブドウ品種の多くはフランス原産。フランスで栽培されている品種を憶えておけば、他の国のブドウ品種を勉強するのが、とても楽になります。

フランスの最大栽培品種

黒ブドウのメルロ。以下、黒ブドウではグルナッシュ、シラー、カベルネ・ソーヴィニョンと続きます。

白ブドウでは、ブランデー生産に多用されていて、多くはコニャック地方に栽培が集中しているユニ・ブランが首位ですが、白ワイン用の高貴品種ならば、首位はシャルドネで、次点がソーヴィニョン・ブランとなります。

 

白ブドウ

シャルドネはニュートラル品種と言い、ブドウそのものから生まれる香りはレモンやリンゴを中心とした落ち着いた果実が中心です。自己主張が強くないので、醸造家が手間暇かけて美味しいワインに仕上げることができます。

他に、ニュートラル品種で憶えておきたいのは、ムロン・ド・ブルゴーニュ。一般的にはアペラシオン(原産地統制呼称)の名前であるミュスカデで通っている品種で、香りも味わいも穏やかです。

ソーヴィニョン・ブランはアロマティック品種と呼ばれています。ハーブや草などの爽やかな香りが、柑橘果実などの香りと重なり合って華やかな印象を受けます。

このアロマティック品種の仲間には、ライチやバラのような香りを持つことで有名な、ゲヴェルツトラミネールがあります。リースリングは、ドイツで最も有名ですが、白い花、柑橘や緑色の新鮮な果実と、伸びのある高い酸が特色です。

逆に酸は余り高くありませんが、アプリコットや有核果実、ヴァニラも加わった複雑な香りと豊かなボディを持つセミ・アロマティックなヴィオニエ。

他にも、辛口から甘口まで変幻自在なワインを造りだす、口中一杯に広がるきびきびした酸を持つ、シュナン・ブラン。今では、南アフリカの最大栽培品種に登り詰めた、この品種もフランスあっての隆盛です。

 

黒ブドウ

黒ブドウでは、みなさん大好きなピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニョン、そして最大品種のメルロの3つをまずは押さえておきましょう。

淡めの色合いで、爽やかな酸とシルキーなタンニンに、チャーミングな赤系の果実のピノ・ノワール。同じ赤系の果実でもボディが豊かでタンニンも充実したメルロ。

黒系果実で酸とタンニンの両方が高く、しっかりした骨格を持ったカベルネ・ソーヴィニョン。

このほかにも、黒胡椒がトレード・マークと言われるスパイシーさを持ったシラー。今では、オーストラリアのシラーズも、とても有名ですが、白ブドウのヴィオニエと一緒に醸造をするフランスのスタイルも取り入れられています。

加えて、ブレンドに使われることが多く、赤系果実主体で、アルコールが上がりやすいグルナッシュ。GSMという通称で、グルナッシュ(G)、シラー(S)、ムールヴェードル(M)というブレンドで使われるのが典型です。

ボジョレー・ヌーヴォーで有名な

日本人とは切っても切れない品種のガメイ。このブドウは、その昔、ブルゴーニュでは栽培禁止令が出たという可哀そうなブドウです。

ブルゴーニュ公国の初代フィリップ豪胆公が1395年に出したもので、1か月以内にガメイを切り倒せという無茶な話だったと伝わっています。

フランスでは

栽培面積が大幅に減少した一方で、海外で大活躍している品種としては、チリで有名になったカルメネールやアルゼンチンを代表する品種になったマルベックが挙げられます。

逆に、有名品種の割には、世界的に余り広がりが無く、ほぼフランスに集中しているのは、カベルネ・フランです。少し前までは、青ピーマン香と言われる未熟な香りが目立つ、ボディも薄いワインも多かったのですが、今では温暖化の影響もあって、しっかりとしたタンニンと厚みを持ったワインが多くなってきました。

こうした品種によって夫々、芽吹きと果実の収穫の時期が異なりますので、冷涼な気候を好む品種と温暖な気候を好む品種では、産地が異なってきます。

北の産地ではシャルドネなどの白ブドウを中心に、黒ブドウでは早熟なピノ・ノワールを栽培。

緯度が低くなるに連れて、黒ブドウのメルロ、カベルネ・ソーヴィニョンの栽培が多くなり、地中海沿いになると、同じ黒ブドウでもグルナッシュやムールヴェードルが中心にと、栽培されるブドウ品種が変わってきます。

 

シャンパーニュ

まずはフランス最北の発泡酒で有名なシャンパーニュ。日本は輸入国として第3位です。ドン・ペリニョンやクリュッグなどの高級ブレンドの名前を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

世の中にあまたあるスパークリング・ワインですが、シャンパーニュという名前は、アペラシオンで、それ自体がブランドです。ほんの一部の例外を除いて、他の産地では名乗ることができません。

「ほんの一部」と書きましたのは、例えば、カリフォルニアのコーベルは1882年以来、シャンパーニュのブランドで販売を続けていて、欧米の貿易交渉の結果、継続使用を認められているからです。

19世紀の半ば

フランスの畑がスペインよりもずい分と前に、うどん粉病、フィロキセラで壊滅的な被害を受けた時期です。それを契機にリオハのワインの買い付けにフランスのネゴシアンが訪問し、醸造家も遠征、投資も行われて、リオハとボルドーとの関係は大いに深まっていきました。

シャンパーニュのビジネス形態は、大手のモエ・エ・シャンドンやヴーヴ・クリコなどのメゾンが、栽培農家からブドウを購入してワインを造ることが主流です。でも、最近、ワイン通が好んで探すのは、レコルタン・マニュピラン、略称「RM」。自社畑でブドウを収穫してワイン造りもする生産者。小規模のレアでプレミアム感が高い生産者、例えばジャック・セロス、エグリ・ウーリエ、アグラパールなどに人気が集まっています。

シャンパーニュで使用されるブドウ品種は主として、シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエの3種類です。この産地では、発泡酒のシャンパーニュ以外に、非発泡のアペラシオン、コトー・シャンプノワがあります。昔は、冷涼な気候ゆえ、酸が高すぎてお値段の割には、どうかなぁという感じのワインがありましたが、今では、熟度が上がったピノ・ノワールを上手に仕上げた、コート・ドールのクリュ並みのワインが登場しています。

 

ブルゴーニュ

シャブリ

ブルゴーニュの中で最北の産地がシャブリです。日本はシャブリに取って世界第3位の市場。生牡蠣と相性が良いとの謳い文句もヒットして、早くから親しまれてきました。2021年で日本が輸入するフランスのAOCの白ワインの4本に1本はシャブリです。

同じブルゴーニュでも、南のコート・ドールとは独立した産地の色合いが強く、広域のブルゴーニュのアペラシオンを使う必要は無いのではとも、議論されています。コート・ドールと比べると、樽の使用が抑制されているのが特徴です。

1945年に酷い霜害に見舞われた後、一時期は500ヘクタール程度に落ち込んだ栽培面積は今では10倍を超える規模に拡大しています。また、機械収穫が1980年代より取り入れられて、広く普及しています。こうしたことも、シャブリが比較的手頃な価格で手に入る一つの理由でもあります。

コート・ドール

ブルゴーニュの「約束の地」コート・ドール。日本語で言えば「黄金の丘」は、特に赤ワインの銘醸地のコート・ド・ニュイ、白ワインのコート・ド・ボーヌに大きく2つに分けられます。昨今、その希少性から投機的な価格設定が散見され、一般消費者には手に取りにくいものになってきました。

その中でも、1本百万円を超えるロマネ・コンティ、エシェゾー、リシュブールと言った超高級ワインを造るドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ。略して「DRC」とも呼ばれるこの生産者を筆頭に、綺羅星のような畑と生産者がこの産地を彩っています。

フランス最小のアペラシオンもこの産地にあり、たったの、1ヘクタールにさえも届かない、極小の栽培面積です。

ジュヴレ・シャンベルタンです。王のワインとも呼ばれる男性的な力強いワインが産出されます。でも、この村の名前を冠したジュヴレ・シャンベルタンの赤ワインを飲んだのに、「シャンベルタンを飲んだのよ!」と言ってしまうと、特級ワイン(グラン・クリュ)を飲んだことになり、格付けで2階級もさばを読んでしまったことになるので気を付けましょう。

さて、その逆に、女性的で優美だと言われるのが、シャンボール・ミュジニー。この村には、レザムルーズ、日本語では、「恋する乙女達」と訳されるロマンチックな名前を持つプルミエ・クリュが有ります。その実力はグラン・クリュに匹敵すると言われることも。

そして、言わずと知れたロマネ・コンティ他の赤ワイン最高峰の畑が集中するヴォーヌ・ロマネ。力強さにスパイシーさが加わります。

コート・ド・ボーヌの有名な白ワインの村は、ピュリニー・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェ。そして、ムルソーです。特に、このピュリニー・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェに跨るグラン・クリュの畑、モンラッシェのワインは、かのフランスの文豪アレクサンドル・デュマをして、「ひざまずき、脱帽して飲むべし。」との名言を残させています。

コート・シャロネーズとマコネ

コート・ドールの南部には、コート・シャロネーズとマコネが広がります。

コート・シャロネーズのアペラシオンではブーズロンが変わり種。白ブドウのアリゴテ種に注目です。ガメイと同じく、余り日の目を見ませんでしたが、DRCの共同経営者だった、オベール・ド・ヴィレーヌの実績と影響力で、1997年には、アリゴテのみが使用品種として認められるというアペラシオンに昇格しました。

この地にはアリゴテ・ドレという高品質なクローンが、日当たりや良い斜面などの一等地で栽培されています。一方で、本来ならスター品種のピノ・ノワールやシャルドネは脇に追いやられているのです。

また、広域のアペラシオンではありますが、マコネから多く産出している変わり種では、ピノ・ノワールとガメイをブレンドする、ブルゴーニュ・パス・トゥーグラン。歴史的には、この2つの品種は混植、混醸されてきましたから、その歴史を伝えていくという意味で大切に造り続ける生産者達がいます。

でもマコネは、白ワインが保守本流で、プィイ・フュイッセが最大のアペラシオンです。暖かい気候に恵まれてふくよかな味わいを持ちます。

ボジョレー

ボジョレー・ヌーヴォーは、収穫年の12月15日以降で無いと、アペラシオンに属するワインは、出荷できないという規則をボジョレーが、免除されたことに端を発します。当初は、11月15日と決めた販売日にフランス国内の店頭に並べるのを競っていましたが、1980年代には海外市場へ広がって行きます。

このボジョレーですが、自然派ワインの発祥の地にもなりました。ジュール・ショヴェ、そしてマルセル・ラピエールという、自然派ワインの正統派の系譜が始まるのです。

また、北部には花崗岩土壌で育つブドウから造られる、クリュ・デュ・ボジョレーという、ヌーヴォーとは全くスタイルが異なる高品質なワインを産出するクリュが集中しています。特にムーラン・ア・ヴァン、モルゴン、フルーリーは試しておきたいワイン達です。

 

ロワール

フランスのワイン産地は、素晴らしい歴史や観光地に恵まれていますが、ロワールほど華麗な歴史を持つ産地は無いでしょう。歴史上の有名人物、ジャンヌ・ダルクやレオナルド・ダヴィンチゆかりの名所や壮麗なシャンボール城、アンボワーズ城と訪れてみたい所が満載です。

河口から上流に向かって、ペイ・ナンテ地区、アンジュ&ソミュール地区、トゥーレーヌ地区、サントル・ニヴェルネ地区と4つのそれぞれ特徴の有るワイン産地に分かれています。

ペイ・ナンテ地区では、ムロン・ブルゴーニュを使った溌剌とした白ワイン。アンジュ&ソミュール地区では、シュナン・ブランを使った辛口、甘口、スパークリングと多様なワインとカベルネ・フランを使ったロゼ。

更に、シャンパーニュと同じ製法のスパークリング・ワインのクレマンが造られています。そして、トゥーレーヌ地区ではカベルネ・フランとシュナン・ブランが本領発揮。

アペラシオンでは、シノンやブルグイユ、ヴーヴレが有名です。サントル・ニヴェルネ地区は、ソーヴィニョン・ブランの本家本元のサンセールはここにあります。

柑橘系の果実や抑制の効いた草やハーブの香りを爽やかに感じさせる、テロワールに注目したワイン造りが生産者の真骨頂です。

 

アルザス

ドイツとはライン川を隔てた、産地のアルザス。ヴォ―ジュ山脈の東側斜面に立地していて、レイン・シャドウ(雨蔭)となっているので、乾燥した気候のブドウ栽培に最高の産地となっています。

ドイツの影響を強く受けた独特のボトル形状のワイン。1870年からの普仏戦争でドイツに併合され、その後、一旦フランス領に戻りますが、第二次大戦でナチスドイツに占領されたという歴史があります。ブドウ品種もドイツと共通する所があり、白ブドウが主体。

アロマティック品種のリースリングや、ゲヴュルツトラミネールのブドウ品種名をラベルに高々と掲げた、単一品種のワイン(ヴァラエタル・ワイン)で知られています。フランスの他の産地では単一品種を使っていても、ブドウ品種では無くて産地のアペラシオンで示されるのが普通です。

また、この地区独特のワイン表記としては、「セレクション・ド・グラン・ノーブル」という貴腐菌による高級甘口ワインと、「ヴァンダンジュ・タルディヴ」という収穫を遅くした結果、貴腐菌が付着したものや、過熟したブドウを使った高級甘口ワインがあります。

この産地では、飲んでみたら想像と違って甘かったというワインが良くあり、2021年収穫のワインからは、甘辛表記のラベル表示が導入されることになりました。

更に、この産地のアペラシオンはアルザスAOCとアルザス・グラン・クリュAOC、そして泡のクレマン・ダルザスの3つなのですが、このグラン・クリュではリースリング、ゲヴュルツトラミネールなどの白ブドウ4品種しか認められていませんでした。

ところが、ピノ・ノワールも2021年のヴィンテージから長年の苦労が実って、一部のグラン・クリュで認められる予定です。

 

ジュラ&サヴォワ

ジュラはフランス東部。雨の多い産地で、年間降雨量は千ミリを超えます。ジュラ紀という地質用語はこの地方の石灰岩の山岳地帯にちなんでいます。

この産地は、一風変わったワインを産出することで知られています。長い酸化的熟成期間を経たヴァン・ジョーヌという黄色のワイン。

アペラシオンでは、シャトー・シャロンが有名です。クルミやヘーゼルナッツ、スパイスといった特有の香りを持ちます。

また、藁ワインと日本語では言う、ヴァン・ド・パイユ。収穫したブドウを藁の上で乾燥させて糖度を高めた甘口ワインも知られています。

この地はワインに関わりが深い、化学・微生物学者のルイ・パスツールの生誕地でもあります。彼は酵母によるアルコール発酵のメカニズムを解明し、今に名前が残る低温殺菌方法、パストゥリゼーションを開発しました。

ジュラの南のサヴォワはスイスとも国境を接しています。レマン湖周辺で栽培されているのは、スイスで有名な白ブドウのシャスラ。

また、ローマ時代に遡る歴史を持つ、モンドゥーズ・ブランシュが当地原産。この白ブドウ品種はシラーの親で有ることが知られています。

 

ボルドー

ボルドーはラングドック・ルーションに次いで第2位の生産量を持つ大きな産地。8割以上を赤ワインが占めていて、白ワインは1割を割り込みます。甘口は、ほんの1パーセントにすぎません。

赤ワインはメルロとカベルネ・ソーヴィニョン、白ワインはソーヴィニョン・ブランとセミヨンを中心にブレンドをするスタイルが主流。

メドック地域の赤ワインは、カベルネ・ソーヴィニョンの比率が高く、ジロンド川とその支流を挟んだ対岸のサンテミリオンとポムロールではメルロが中心と思っておけば、大丈夫。

ただ、最近の話題として、温暖化対策のひとつとして、晩熟なブドウ品種を広域アペラシオンでは使用を認めるということがニュースになりました。

ポルトガルのトゥーリガ・ナショナルやスペインのアルバリーニョなどが使用を認められています。

メドックのワインでは、国際財閥のロスチャイルド家が所有する、ラフィット・ロートシルト(ロンドン家)、ムートン・ロートシルト(パリ家)や、ラトゥール、マルゴーが最高峰のシャトーです。

可愛らしいハートのラベルで知られているのは、カロン・セギュール。18世紀にラフィット、ラトゥールを受け継ぎ、ムートンの土地まで手に入れて、「ブドウ王子」と呼ばれたアレクサンドル・セギュール侯爵の所有でした。

数々の超一流シャトーを持ちながらも、カロンを最も愛していたということを示すハートのシンボルです。

メドックの南にあるグラーヴ地域の雄が、シャトー・オー・ブリオン。歴史がとても古い超のつく名門です。

サンテミリオンの街は世界遺産でもあります。メドックとは違い、100メートルほどの高度。この産地の筆頭シャトーは、シュヴァル・ブランです。サンテミリオンにしては、珍しい砂利質の土壌が特徴で、メルロにカベルネ・フランを多く加えて、しっかりした骨格を持った長期熟成に向いたワインが造られています。

 

南西地方

ボルドーのすぐ南側に広がるのが、南西地方です。この産地のワインは評価が髙かったものの、イギリスなどの得意先に出荷するにはボルドー港まで川を下る必要がありました。中世、南西地方との競合を恐れたボルドーは、港の使用に大幅な制限を掛けて、南西地方のワインを歴史の片隅に追いやってしまいました。

しかし、もはや、ボルドーでは見ることがなくなり、アルゼンチンの主要品種となったマルベックは、今も元気でこの産地のアペラシオン、カオールで栽培されていて、原産国の面目を保っています。

また、タンニンが強いタナもこの産地が原産。世界広しと言っても、このブドウからできる優れたワインはこの産地のアペラシオン、マディランを置いて他に類を見ません。

 

ローヌ地方

ローヌは、北ローヌと南ローヌの2つの別の産地と見た方が良いかも知れません。

北ローヌにはシラーを使った赤ワイン、ヴィオニエを使った白ワインのクリュがローヌ渓谷沿いに並んでいて、まるで高級ブランド通りの趣です。

赤ワインなら、コート・ロティ、エルミタージュ、白ワインなら、コンドリューは勿論ですが、シャトー・グリエを一度は飲んでみたいものです。

一方で、この産地では、元々高品質なワインを生産していた区画を大きく広げてしまったクリュもあります。ですので、そういったクリュであるクローズ・エルミタージュやサン・ジョセフのワインを選ぶ時に、畑の場所を確認できるようになれば、ソムリエも驚くことでしょう。

南ローヌは地中海の影響を受ける温暖な黒ブドウのブレンドGSMの主要産地です。多くは広域のコート・デュ・ローヌのお手頃価格のワインです。

その中にあって、シャトーヌフ・デュ・パプはアペラシオン制度導入の際に先陣を切った高級ワイン産地。

このアペラシオンはブドウ品種が13種類(変異種を入れると18種)認められていることは有名です。一方、グルナッシュ100パーセントにこだわる生産者もいます。シャトー・ラヤスを憶えておくと良いでしょう。

また、文豪ヘミングウェイが好んだという色の濃いロゼ、タヴェルが知られています。今や、主流のプロヴァンスのロゼと比較テイスティングしてみると面白いです。

 

プロヴァンス

プロヴァンスは地中海リゾートのイメージそのままに、明るく美しい淡いピンク色のロゼで国際的に有名です。グルナッシュやサンソー、シラーやムールヴェードルから造られるロゼがワイン生産の9割を占めるほど集中しています。

ブラッド・ピット、ジョージ・ルーカスにジョン・レジェンドらのセレブリティもワイン造りで、この産地の盛り上がりに一役買っています。

 

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