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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

クリ・栗・くり

『大きな栗の木の下で』という童謡がありますが、寿命が長くて大きく育つ樹です。樹高は最大20mくらいで枝と葉をたくさん出して大きく茂ります。樹皮は灰色で、縦に長く深く裂けます。

葉は長楕円形で長さ15cm前後、縁は先端が細くなったギザギザになります。クヌギの葉に見た目が似ています。

主な開花期は6月で、雄花はたくさん集まってしっぽのような細長い穂状になり斜上します。遠目でもそれとわかるくらいたくさんの花穂を付けます。色は淡い緑色で、白い雄しべをたくさん突き出し、生臭いような独特の臭気を放ちます。

雌花は枝の上部に付く雄花穂の付け根にひっそりと1~2コつきます。雌花は総苞に包まれており、鋭い針状の鱗片に覆われています。外側に10本ほどの雌しべ(花柱)が飛び出しており、中には3つの子房があります。総苞がイガ、子房は1つずつクリの実になります。

花の盛りには昆虫が蜜を目当てに群がってきますが、多くは風によって花粉が飛び、受粉されます。熟すとイガは4つに裂けて、中からクリの実(堅果)が顔を覗かせ、やがてイガごと落果します。

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栗の種類

栗はブナ科クリ属の落葉樹で、原産地はアジア・ヨーロッパ・北アメリカなどの各地域に分布しています。

栗は各国によって品種は異なっており、ヨーロッパグリ・アメリカグリ・チュウゴクグリがあり、日本の栗はニホングリといいます。ニホングリの変種には「シダレグリ」「トゲナシグリ」一つのイガの中に7~8個実をもつ「ハコグリ」などがあります。

丹波栗について 古くから栗の名産地であった丹波の国は現在の京都府亀岡市,北桑田郡,船井郡,綾部市,天田郡,兵庫県氷上郡,多紀郡であったといわれています。丹波栗が大栗の代名詞となり、全国に広がったのは江戸時代のこととなります。「丹波栗」とは特定の品種をさすものではなく昔は品種という概念がなかったために、産地名で呼んでいたためこの名があるといわれています。
「丹波栗」の代表的な品種としては「銀寄」があげられますがその他に「丹沢」「筑波」「石槌」などがあります。

その他の種類

クリの仲間は世界の北半球に12種が分布します。代表的な種を紹介します。〔〕内は学名、C.はCastaneaの略。

チュウゴクグリ〔C. mollissima〕

中国原産です。実は小粒ですが甘みが強く、アマグリ(甘栗)とも呼ばれます。渋皮がはがれやすい。

ヨーロッパグリ〔C. sativa〕

地中海沿岸、小アジア、北アフリカで栽培されています。マロングラッセなどに利用される。

アメリカグリ〔C. dentata〕

北アメリカの大西洋岸から東部にかけて分布します。樹高は30mに達します。胴枯れ病に弱い。

 

日本の栗について

栗は石器時代の縄文遺跡から炭化した栗が発掘されていることから、9000年も以前から日本に栗があったことがわかっています。

和名「くり」は黒実(天武天皇の時、稗田阿礼という婦人が語り部として記憶した日本古代から伝承してきた伝説、物語、歴史等を天皇の命によって日本歴史として編纂した古事記の中にクリを黒実と記載している)すなわち「くろみ」の意にして「ろみ」の反しは「り」なれば「くり」となるということになります。

栗は奈良時代の天平宝寺年(758年)の文書によると、米の1升が5文に対して栗は8文とされていました。持統天皇は699年に栗を全国に植えることを命じています。その当時の栗の村が現在も栗栖という地名となって残っています。

丹波地方は「栗のふるさと」といわれ、栽培歴が最も古く「古事記」や「万葉集」にも記載され、米の代わりに年貢として納められるほど貴重な穀果類でありました。平安時代の初め、十世紀の後半につくられた「延喜式」という法典では諸国からその他名産物を種々宮廷へ貢ぎ物等として持ってあがるように定めていますが、丹波の国は生栗やその栗の加工品をおさめるように定められていました。

戦国時代、甲斐の名将武田信玄は戦乱が連続してその治世いまだに安定していないときも、地方産業の興隆と兵糧備凶食糧としての「クリ」に着目して、領内笛吹川の上流地域にクリの栽培奨励を行い軍糧として租米に代えて納入させたのでその生産は松里郷を中心に拡がったものであります。そのころにはすでに勝ち栗として加工していたようで1561年上杉謙信との川中島の対戦に信玄の陣中へ快川国師より勝ち栗を贈った書状が松里の恵林寺に蔵されています。武田の滅亡後、豊臣時代1594年、甲斐22万5千石の封を受けた浅野長政は武田の政治を尊び、産業の振興に意をそそぎ甲斐の八珍果としてクリ・リンゴ・カキ・ザクロ・ナシ・ギンナン・モモの栽培を奨励していました。

 

世界の栗について

世界中で知られている主な栗は欧州グリ・支那グリ・アメリカグリ・チョウセングリ・日本グリの5つをあげることができます。

欧州グリ

世界第一位の産額をほこる、イタリアグリ・フランスグリ・があり、その他にブルガリア・スペインで栽培されています。このうち日本に輸入されているのはイタリア・フランスの栗でお菓子に加工されたマロングラッセの名前と共に世界的に有名です。イタリアの街角では栗の鬼皮に切り目を入れて大きな鉄板で焼く「焼きぐり」が手軽なお菓子として売られています。

アメリカグリ

アメリカグリは、アメリカ合衆国・カナダの一部・メキシコ・南アメリカ一帯に分布するもので、アメリカ合衆国では1906年から栗の真性胴枯病によって全滅に近い大被害を受けたことがあります。その後支那グリ・イタリアグリ・日本グリなどを交雑育種の材料として活用し、胴枯病抵抗性品種の作出に努力し、現在はある程度立ち直っています。

支那グリ

支那グリは中国の河北省全域・河南・四川省の一部及び韓国・北朝鮮の北方地域に多く作られて、韓国ではヘイジョウグリとも呼ばれています。山東グリ(粒が大きい)、天津グリ(粒が小さい)など支那グリの中にも種類があります。支那グリは果肉成分中にタンパク質が多く含まれているため一度加熱すると固くなり、元の柔らかい肉質に戻すことが難しいことから、日本でも馴染みのある甘栗の加工などにむいているということになります。

 

Japan Eat

www.japan-eat.com

飲食店コンサルタント

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