政府の統計データに記載されているものだけでも40種以上あります。なんとも多いですね。
- 国見(くにみ)
- 中国栗(板栗 バンリィ)
- ヨーロッパ栗
- 丹波栗
- 栗(くり)に虫はつき物?
- 鬼皮に張りと光沢があり、丸みがあるものを選ぶ
- 小さな穴が開いたものや黒っぽい傷があるものは避ける
- ずっしりと重みがあるものを選ぶ
- ●栗のデンプンはサツマイモに似ている?
- ●すぐに使う場合
- ●冷凍する場合
- ●茹でた栗の保存
- 栗(くり)の美味しい食べ方や料理
- ●栗の茹で方
- ●渋皮もむきやすい家庭で作る焼き栗
国見(くにみ)
丹沢と石鎚の交配種。粒は比較的大きいほうですが、実が粘質で蒸してもホクホク感があまりないので、主に加工用にされているようです。
大きさは中くらいで艶があり、実は甘く味は良いです。
中国栗(板栗 バンリィ)
「天津甘栗」に使われている品種で、国内ではうまく栽培できないそうです。粒は小さいが、甘みが強く、渋皮が非常に剥きやすいのが特徴です。
ヨーロッパ栗
パリやニューヨークの街頭で、ドラム缶のようなものの上で栗を焼いて売っていますが、あの焼栗に使われている品種です。日本では栗=「マロン」ですが、フランスで「マロン」と言えば一般的にはイガに一個の実が入っているものをさします。複数の実が入っているものは「シャテーニュ」と呼ばれ、区別されているんです。ただ、厳密に言えば「マロン」はマロニエ(栃の木)の実のことで、栗は「シャテーニュ」と言うそうです。
クリ(栗/くり)はブナ科クリ属の落葉樹になる果実の総称です。世界中に数多くの品種がありますが、大きく分けると日本栗(和栗)をはじめ、中国栗、ヨーロッパ栗、アメリカ栗があります。中でも日本栗は自生する芝栗を改良したもので、粒の大きさはダントツです。
丹波栗
栗と言えば「丹波栗」と言えるほど、京都の丹波地方で採れる栗は有名ですが、これは品種名ではなく、この地方で採れる大粒の栗をさす名称です。品種としては「銀寄」や「筑波」などが中心となっています。
丹波地方では平安時代から栗が栽培されていたそうですが、その後、朝廷や幕府に献上されるようになり有名になって言ったそうです。今でも丹波の栗は非常に高価で、その大きさ、品質も非常に優れていることに変わりはありません。ただ、全国の生産量から見ると全体の1%ほどに過ぎず、それがかえって希少価値となり価格を上げる原因にもなっています。
栗(くり)に虫はつき物?
栗拾いに行くと、よく小さな穴が開いた栗を見かけます。中に白い虫が入っているのですが、これを防ぐため、一般的には防虫剤を用いたり、収穫した栗を薫蒸したりされています。このおかげで、市場に流通している栗ではあまり虫入りにあたらなくなりました。しかし、野菜と同じく、無農薬、無薫蒸の物とでは味的に犠牲になっている部分もあるようです。
鬼皮に張りと光沢があり、丸みがあるものを選ぶ
栗を選ぶ時は、表面の固い鬼皮が固く張りがあり、艶々した光沢があるものを選びます。また、両側を挟まれた平たい粒の物より、ふっくらと丸みがあるものを選びましょう。
小さな穴が開いたものや黒っぽい傷があるものは避ける
小さな丸い穴は虫が中に入っていると思ってください。また、傷があり、そこが黒ずんでいるものなども避けましょう。
ずっしりと重みがあるものを選ぶ
手に持った時にずっしりと重みが感じられるものを選びます。収穫後時間が経ったものは乾燥し実が痩せて軽くなってしまいます。また、十分に養分が回らず実が膨らんでいない場合もあります。
栗(くり)の保存方法
●栗のデンプンはサツマイモに似ている?
栗に含まれているデンプン質はサツマイモなどのそれと似ていて、収穫してすぐに食べるより、収穫後3日~4日寝かせる事でデンプンが糖に変わり甘味が強く感じられるようになります。ただ、常温では乾燥や虫食いの心配があるので、ポリ袋などに入れ、冷蔵庫、出来ればチルドなどに入れておくようにしましょう。
●すぐに使う場合
生のままの栗は乾燥しやすく、むき出しのまま置いておくと乾燥し香りが抜けるとともに実が痩せてしまいます。使うまではプリ袋などに入れ冷蔵庫に入れておきましょう。1週間ほどは良い状態が保てます。
大量にあって冷蔵庫に入らない場合は、大きな鍋などに水を張り、栗を浸しておきます。これは虫の駆除と乾燥防止の為で、水をこまめに替える事である程度風味が保てます。
●冷凍する場合
栗を冷凍保存する場合は、色々な方法があり、一長一短ですが、皮付きのままだとかさ張るという事と、作業は一度に、使う際には小出しですぐに使えるという意味で、一度茹でて鬼皮と渋皮を剥いた剥き栗の状態にして保存袋などに入れ冷凍する方法をお勧めします。
●茹でた栗の保存
一度茹でた物は、密封容器や袋に入れ冷蔵庫で保存してください。でも、ジャガイモと同じようにとても傷みやすいので、2~3日で食べきるようにしましょう。長期保存したい場合は、冷凍します。食べる際には、再度加熱する必要があります。
栗(くり)の美味しい食べ方や料理
栗はとても季節感を感じさせてくれる食材として料理を引き立ててくれますね。シーズンに一度は栗ご飯や栗おこわを頂きたいものです。また料理だけでなく、モンブランや甘露煮をはじめスウィーツの食材としても欠かせない存在です。
●栗の茹で方
栗は単純に茹でただけでもホクホクと美味しいですね。少し時間がかかりますがチャレンジしてみてください。
1.栗はさっと洗い、一晩水に浸しておく。
2.鍋にたっぷり水を張り、塩適量入れ、火にかけて沸騰させる。
この時、ミョウバンを少し加えておくと後で渋皮が剥きやすくなります。
3.沸騰したところに栗を投入し、栗が踊らない程度に火を弱め、栗の大きさによって30~50分間ほど茹でる。途中時々栗を混ぜて上下を換えるようにしましょう。
4.火を止めたら、すぐに栗を出すのではなく、お湯が冷めるまでそのまま浸したままににしておく。
●渋皮もむきやすい家庭で作る焼き栗
旬の栗はシンプルに焼くだけでも香ばしくホクホクで美味しいです。焼き方はオーブンをはじめ、グリルで焼く方法の他、フライパンで焼き上げる方法などがあります。
ここでは、少し手間をかけるだけで、渋皮もむきやすく、美味しく焼きあがる方法を紹介します。
1.買ってきた栗を水に浸しておく。
栗をしばらく水に浸しておくことで、後で鬼皮に切り込みを入れやすくします。また、虫食いや空洞果があれば浮いてくるので取り除きます。
2.栗のお尻部分に切り込みを入れる。
栗はそのまま焼くと弾けて危険な上、弾けると身が砕けてしまうので、あらかじめ切り込みを入れておきます。
切り込みはお尻に入れると焼き上がりが鈴のような割れ方になり食べやすいです。
皮が硬いので、刃先を滑らせて手を切ってしまわないように必ず軍手などをはめて作業しましょう。
3.55~60度の湯に1時間ほど浸けておく。
栗もサツマイモと同じで、栗の中に存在しているでん粉をショ糖や麦芽糖に分解してくれる酵素が活発に働く50~70℃ぐらいでじっくりと加熱することで甘みが増します。
そこで、失敗しない方法として、鍋に栗を入れてぬるま湯を張り、55度に保温設定したIHヒーターで1時間ほど保温し続けます。
4.250度のオーブンで30分ほど焼く。
湯を切り、次に焼き上げます。焼くのはグリルやフライパンでも構いません。でも失敗しにくいのは温度と時間が設定ができるオーブンです。