洋ナシの品種ごとの収穫時期
早生種のバートレットや北海道で作られているブランデーワインなどが8月中旬あたりから収穫が始まります。続いて9月に入るとマルゲリット・マリーラやゼネラル・レクラーク、オーロラなどが収穫期を迎えます。
10月に入りようやくラフランスなどが収穫期を迎え、続いてシルバーベルやルレクチェが収穫期に入ります。
- 洋ナシの追熟と食べ頃の旬の時期
- 洋ナシを選ぶポイント
- 洋ナシの追熟とは
- 西洋梨(せいようなし)の主な26品種一覧
- 追熟は温度管理が大切
- 洋ナシの食べ頃サインの見分け方と追熟後の保存方法
- 洋ナシの冷凍保存
- 切ってから時間が経つと変色します
- そのままデザートに
- ピューレにして
- コンポート
- 洋ナシのタルト
- 料理にも使います
- 梨の咳止め、解熱効果
- 梨で消化促進
- カリウムを多く含んでいる
- 成分は88%が水分
洋ナシの追熟と食べ頃の旬の時期
洋梨は追熟が必要な果物なので、収穫されてから2週間から1カ月後に食べ頃になります。品種ごとに時期がずれるので、旬のカレンダーを参考にしていただくと良いです。
メインとなるラフランスは収穫された後、予冷といわれる通常4℃の低温で1週間~2週間貯蔵し、その後1週間くらいの追熟期間を経て11月から12月頃が食べ頃の旬の時期となります。ルレクチェの場合は更に追熟期間が長く一か月ほどかかり、食べ頃は12月から1月あたりとなります。
洋ナシを選ぶポイント
洋ナシは品種にもよりますが、ラフランスやルレクチェなどは形が凸凹しているものも多く見られます。でも、そう言ったいびつな物は多少皮が剥きにくい程度で味には影響していません。表面に傷が無く、部分的に柔らかくなっていたりしていないものを選びます。
洋ナシの追熟とは
収穫されたばかりの洋梨には僅かにデンプンが含まれています。このデンプンの状態で食べると硬くゴリゴリした食感で、甘みもあまり感じられずまずい梨でしかありません。ところが、収穫後しばらく寝かせておくことでこのデンプンが果糖やしょ糖、ブドウ糖などの糖分に分解され、更にビタミンBやCも多くなります。また不溶性のペクチンが熟すに従って、水に溶けてとろみのもとになる水溶性のペクチンに変化するため、あのとろっとしたなめらかな肉質に変化していきます。こうした一連の変化を追熟と言います。この追熟をさせてやらないと洋梨は美味しい果物にはなりません。
西洋梨(せいようなし)の主な26品種一覧
プレコース、バートレット、ブランデーワイン、セニョール・デスペラン、マルゲリット・マリーラ、ラ・フランス、コミス、ゼネラル・レクラーク、セニョール・デスペラン、ル・レクチェなどがあります。
追熟は温度管理が大切
洋ナシは青いうちにとって追熟させるわけですが、最適期に収穫しないと、肉質が悪く香りが少ないだけでなく、果肉褐変などの障害も起きるようです。また、収穫後の温度管理も重要で、はじめの10日間前後は約4℃の冷蔵で、その後約20℃で追熟させます。追熟時の温度が30℃を超えてしまうと追熟は行われず、障害を起こして果皮も色づかず、肉質もザラザラで、独特の芳香も発しなくなるそうなので注意が必要です。
買ってきた時にまだ固い場合は乾燥しすぎないよう紙袋などに入れて15~20度前後の室内に置いておき追熟させます。沢山ある場合は、食べる分だけ室内に置き、残りは更に温度が低い場所に置いておきましょう。
洋ナシの食べ頃サインの見分け方と追熟後の保存方法
品種にもよりますが、軸近くの肩の部分を軽く押してみてわらかさを感じれば食べ頃です。また、ラフランスやルレクチェは食べ頃になると芳醇な香りを発し始めます。
十分追熟し食べ頃になった物はビニールなどの袋に入れ冷蔵庫に入れ、早めに食べるようにしますよう。冷蔵庫での長期保存には向いていません。
冷蔵庫に入れておくと熟した洋ナシから発せられるエチレンガスが充満し、傷みが早くなります。
洋ナシの冷凍保存
ラフランスなどは完熟し柔らかくなった物は冷凍するとゴリゴリした感じではなく、少しねっとりとしたシャーベットのようになります。冷凍の仕方は、皮を剥き、串切りにして芯の部分も切り取った状態でレモン汁を絞ってよくからめてから、ラップを敷いたバットなどに重ならないように並べ冷凍庫に入れて一気に凍らせ、凍ってから保存袋などに入れて冷凍しておきます。食べる時は必要な分だけ取り出し、ちょっとだけ半解凍位の状態で食べます。
切ってから時間が経つと変色します
洋ナシは切り口が時間と共に茶色く変色してきます。レモン汁や塩水で少しは抑えられますが、切った後は早めに食べましょう。
そのままデザートに
洋ナシを使ったデザートは数多くありますね。皮を剥いてそのまま皿やグラスに盛り付けても素敵なデザートになります。生のままフルーツタルトのトッピングに使っても美味しいです。スライスして皿に並べ、グラニュー糖を振りかけてバーナーで表面をキャラメリゼした物を冷やして食べると凄く美味しいですよ。
ピューレにして
洋ナシの果肉をミキサーにかけピューレにしたもので、洋ナシのムースやシャーベットが作れます。洋ナシはキャラメルとの相性が良く、ムースでも「洋ナシとキャラメル」の組み合わせは鉄板です。
コンポート
洋ナシが沢山ある場合はコンポートにしても良いでしょう。コンポートはシロップだけで煮る場合とワインを使う場合がありますが、洋ナシの場合は白ワインでも赤ワインでも美味しい物が作れます。ポイントは、ワインの量とシロップの量を同割位で煮る事です。シナモンスティックやバニラビーンズも加えたいですね。
洋ナシのタルト
洋梨を使った焼き菓子で、タルト生地にアーモンドクリームを敷き詰め、その上にスライスした洋ナシをのせオーブンで焼き上げた洋ナシのタルトは定番となっていますね。
料理にも使います
洋ナシはフランス料理では生ハムと組み合わせたり、クリームチーズと合わせたりして前菜に使ったり、サラダにして使います。また、鴨のローストにリンゴなどと共に添える事も多いです。鴨肉に、洋ナシのほんのりと酸味を伴った濃厚な甘味と芳醇な香りがとてもよく合います。
梨の咳止め、解熱効果
梨に含まれるソルビトールは、甘く冷涼感のある糖アルコールで、咳止めや解熱効果があるとされています。
梨で消化促進
梨にはタンパク質を分解する消化酵素のプロテアーゼを含んでいます。調理に使えば肉を柔らかくする事が出来るだけでなく、食後のデザートに梨を食べる事で消化を助けます。
カリウムを多く含んでいる
身体からナトリウムを出す働きのあるため、高血圧症の方によいとされています。また、汗と共に流失しがちなので、残暑で汗をかいた時などには水分と共に補給出来て良い果物です。
成分は88%が水分
ビタミン類はあまり含まれていません。