今や国民食とも言われるカレーは年間を通してよく食べられていますが、カレーに使われているスパイスには、辛さによって体を冷やしてくれるとか(資料1参照)、暑さで減退した食欲を増進させてくれるなどの働きがあり、こうした理由から夏になるとスパイスの効いた辛口のカレーや特に辛さを強調した期間限定の商品などが良く売れる傾向があります。
カレーに合うおすすめ具材
カレーにおすすめの食材を、それぞれ種類別にご紹介します。
野菜
定番野菜
カレーには欠かせない定番の野菜をご紹介します。
・じゃがいも
じゃがいもは、カレーに欠かせない定番野菜のうちのひとつです。カレーの味が染み込んだじゃがいもは、格別ですね。煮込み過ぎると、煮崩れして溶けてしまうので注意しましょう。
・にんじん
カレーに彩りを添えてくれるにんじんも、カレーの定番野菜です。カレーに入れることで、より甘味が増しておいしく食べられます。
・玉ねぎ
カレーに欠かせない食材のひとつである玉ねぎ。しっかり炒めることで、カレーに甘味とコクが加わります。とろとろ食感に煮えた玉ねぎは、カレーの中でも人気の野菜です。
・季節の野菜
定番野菜だけではなく旬の野菜も取り入れながら、味付けや具材のアレンジをしてみるのもよいでしょう。季節ごとのカレーに合う食材をご紹介します。
・春…ほうれん草、キャベツ、ブロッコリー
・夏…なす、ピーマン、パプリカ、トマト、ズッキーニ、オクラ、ゴーヤ
・秋…なす、トマト、かぼちゃ、さつまいも、ごぼう
・冬…大根、ほうれん草、白菜、れんこん、キャベツ、ブロッコリー
野菜を使ったカレーは彩りもよく、使用する野菜によって、カレーの味や風味も異なるため季節のカレーとして楽しめます。
また、野菜はカレーと一緒に煮込んで食べるだけではなく、トッピングとして使うこともできます。鮮やかな野菜の色味で、見た目も美しく仕上がります。
肉
・鶏肉
むね肉、もも肉、ひき肉、手羽元など、鶏肉はさっぱりとした味わいで、どんなカレーにも合わせやすい具材です。使うときは、あらかじめ下味をつけておくことで、よりおいしく仕上ります。
鶏肉は、インドカレーやタイカレーなどとの相性もよいですよ。
・豚肉
肩肉、ロース肉、ヒレ肉、バラ肉、こま切れ肉、ひき肉など、豚肉はどんな部位を使っても旨味のある、おいしいカレーに仕上げることができます。
ポークカレーには、にんにくやしょうがなどをアクセントに加えたり、ヨーグルトやソースなどの隠し味を加えるのもおすすめです。
・牛肉
切り落とし肉、バラ肉、肩肉、薄切り肉、ひき肉、すね肉、すじ肉など、牛肉を入れたビーフカレーは濃厚なコクと旨味を味わうことができます。
部位によっては煮込み時間がかかることもあるため、手の込んだカレーを作りたいときにもぴったりです。牛肉を使うときは、肉や野菜がごろごろ入ったボリュームのあるカレーに仕上げるのがおすすめです。
魚介
・イカ
イカは、シーフードカレーを作るときの定番食材です。わたも一緒に使うことができ、イカを丸ごとカレーで楽しむことができます。
・えび
えびをカレーに具材として使うことで、ぷりっとした食感が楽しめます。使用するときは背わたを取り除き、水で洗って臭みが出ないように下処理しましょう。
・ホタテ
ホタテの入ったカレーは、贅沢な気分になれますね。旨味が溶け込んだカレーは絶品です。ホタテの味を堪能するためにも、一緒に使う野菜などの具材は、味の強くないものを使用するとよいでしょう。
きのこ
・しめじ
しめじは、いろいろなカレーに合わせやすいきのこのひとつです。カレーに旨味が加わり、しめじ独特の食感も楽しめます。
・マッシュルーム
マッシュルームは濃厚な風味があり、カレーとの相性もよいきのこです。大きめに切って食感を楽しんだり、薄くスライスして使用するのもおすすめです。
・エリンギ
エリンギはコリコリとした食感で、カレーに入っているとやみつきになります。カレーのアクセントにおすすめの食材です。
その他
カレーの変わり種食材として、肉や魚の代わりやかさましに使うとおすすめの食材もあります。普段とは、違う味わいのカレーを楽しみたいときにおすすめです。
・缶詰(鯖缶、ツナ缶など)
・練り物(ちくわ、魚肉ソーセージなど)
・乾物(切り干し大根、豆類、高野豆腐など)
・冷凍食品(ミートボールなど)
・こんにゃく
缶詰を使うカレーは、煮込み時間も少なくなるため時間短縮にも繋がります。
練り物や乾物、冷凍食品などの食材は手軽に使えて、かつ旨味もつまった食材が多く、カレーの食材としてもおすすめです。節約や時間短縮にも役立つ食材です。
こんにゃくは冷凍すると水分が抜けて食感が変わり、まるで肉のような食感が楽しめますよ。
具材をよく炒める・炒める順番
カレーを作るときは、たまねぎやにんじんなどの野菜を、よく炒めることがポイントです。しっかりと炒めることで、野菜の表面の糖分がカラメル化(アミノカルボニル反応)して、カレーに味の深みが加わります。
じゃがいもなどの煮崩れをおこしやすい野菜は、炒めることで表面が固まるため、煮崩れを防ぐことができます。
また、具材を炒めるときは、火が通りにくいものから先に炒めるようにしましょう。基本的な材料を例にすると、肉を炒めたあとににんじん、玉ねぎの順で、最後に崩れやすいじゃがいもを加えるようにします。
葉物野菜(青菜)・ブロッコリーなどは別ゆでする
ほうれん草や小松菜のような葉物野菜をカレーに使うときは、一緒に煮込んでしまうとカレーに色映りしてしまい、見栄えが悪くなってしまいます。
葉物野菜やブロッコリーなどは別にゆでて、盛り付けのときに合わせると見た目や彩りもきれいに仕上がります。
じゃがいもの選び方
カレーを作るときは、じゃがいもの選び方に注意しましょう。じゃがいもが溶けてドロドロのカレーになってしまった、という経験がある人もいるのではないでしょうか。じゃがいもは、品種ごとに適した料理や調理法があります。
カレーのような煮込み料理には、煮崩れしにくい「メークイン」を選ぶとよいでしょう。煮込んでもカレーに溶けにくいため、おいしく仕上がりますよ。