野菜や果物には、通常は捨てられてしまう皮にも栄養成分が含まれています。中には食べられないものもありますが、食べてみれば意外と美味なものも!皮ごと食べられる野菜や果物と、その食べ方をご紹介!
- 野菜や果物の皮には、どんな栄養成分が含まれている?
- 野菜・果物の皮を食べる時の注意点
- 野菜・果物の皮を美味しく食べる!実践編
- 食べてはいけない野菜の皮
- 野菜を皮ごと食べるのは体に悪い?
- 捨てている野菜の中にはファイトケミカルが含まれている!
- シワ・シミ・老化防止など嬉しい美容効果が!
- ベジブロス
- 料理の活用法や注意点
野菜や果物の皮には、どんな栄養成分が含まれている?
野菜や果物は、部位によってわずかではありますが栄養成分の含有量が異なります。例えば、野菜や果物には動物のような骨がないため、組織を支えるための食物繊維が実の中心よりも皮に多く含まれています。
また皮の部分は日光に当たることによって増える活性酸素を除外したり、虫や鳥などの外敵からも身を守るために、抗酸化作用のあるβカロテンやビタミンC・ビタミンEなどのビタミン、渋みや香りの元となるフィトケミカルなどを含んでいます。
昔は、現代のように簡単に食べ物が手に入らなかったこともあり、たくあんなどのお漬物や保存食などに加工する際には無駄なく皮付きのまま使われていたものです。焼きりんごは皮付きのまま調理しますし、みかんの皮を干した陳皮などは漢方の生薬でもあります。
りんごの皮にはポリフェノールや食物繊維、鉄分、ビタミンCが、みかんの皮にはビタミンC、ビタミンP、食物繊維、カロテンなどが含まれています。先人たちは、経験的に栄養成分を無駄なく生かすために工夫されていたのでしょうね。
歯が悪くて硬いものが食べにくい、お腹が弱い、アレルギーがある人などは避けた方が良いでしょうが、豊かな現代とはいえ食べられる部分は無駄なくいただいてみてはいかがでしょう
野菜・果物の皮を食べる時の注意点
また安全に食べるため、という理由もあります。土付きのものは細菌の付着、実や葉には残留農薬などに対する不安があるため、皮をむいた方が安心という考え方もあります。
栄養成分があり捨ててはもったいないとはいえ、皮を食べる際には注意すべきことがあります。基本的に、皮が薄いものは食べやすいですが、硬くて分厚い皮のものや、毛が多い、つまり消化酵素で分解できない食物繊維が多いものは食べにくいですし、喉を通ったとしてもお腹を壊しかねません。
また野菜や果物にアレルギーのある人は、注意が必要です。近年では花粉症の人がりんご、ナシ、ビワなどの果物を食べると口腔アレルギーが出ることがあるという注意喚起がされています。
「残留農薬」は、栽培中に使用した農薬が作物に残ってしまったものです。日本では、農薬の種類ごとに使用量や回数など厳しい規定があり、収穫前になると一定期間農薬散布を中止し、残留農薬が検出されないように決められています。
これらは添加物として販売時に表示が義務付けられているので、店頭で確認してください。どうしても不安という方は、使う前にしっかり洗ったり茹でたり、蒸したりすると良いでしょう。水溶性のものは水に溶け出ますし、揮発性のものは熱を通すことで減少します。
野菜・果物の皮を美味しく食べる!実践編
・大根・かぶはぜひ皮ごと
また、むいた皮を刻んでお味噌汁の具やきんぴらなどにすることは、よく知られていると思います。
・蓮根やかぼちゃは煮物でも
・昔はスイカの皮も
・長芋の皮チップス
・アスパラガスの外皮でかき揚げ
・皮ごと!キウイフルーツ
・焼くだけ簡単「焼きフルーツ」
・柑橘類はジャムや焼きチップスに
・人参
・大根
・サツマイモ
・ゴボウ
・ナス
食べてはいけない野菜の皮
大部分の野菜の皮は食べても害になることはありません。しかし、ジャガイモの皮には注意が必要です。ジャガイモの芽や緑っぽく変色した色の皮の部分にはソラニンという成分が含まれ、食中毒の原因になることがあります。
小さな子供の場合は死に至ることもあるので、しっかり取り除いてください。ジャガイモ本来の茶色の皮にはソラニンは含まれないので、食べても大丈夫です。また、サツマイモやその他のイモ類の芽には毒性はありません。
野菜を皮ごと食べるのは体に悪い?
日本では、人間の健康に害がないと認められた野菜だけを流通させるシステムが整っています。売る側に野菜の安全性を担保する責任があるので、皮が体に悪い影響を与えるなら、皮を食べないようにと表示することが求められます。
大抵の農薬は水洗いで取り除くことができます。重曹や酢などのほか、野菜を洗うための洗浄剤なども市販されていますので利用してみてください。
捨てている野菜の中にはファイトケミカルが含まれている!
普段捨ててしまう野菜の皮や根本部分は紫外線などの刺激から身を守ろうと「抗酸化作用」の効果があるファイトケミカルという栄養素が多く含まれています。ファイトケミカルは近年注目を集めている栄養素で、免疫力アップや老廃物を身体の外に出してくれる働き、そして美肌効果も得られることから「第7の栄養素」と言われています。
その他にもニンジンの皮にはβカロテン、大根の皮にはビタミンC、玉ねぎの皮にはケルセチンなど中身より豊富な栄養を持っているので、捨てずに身体に取り入れたい…と考えられたのがベジブロスなのです。
シワ・シミ・老化防止など嬉しい美容効果が!
ベジブロスで最も注目を集めているのが、高い美容効果です。抗酸化作用があるファイトケミカルが体内でできた「老化物質」から身体を守ってくれるので女性の悩みであるシミ・シワなどの老化防止に役立ってくれ、美肌へと導いてくれます。
さらにファイトケミカルの効果は生で摂取するより加熱をした方が体に吸収しやすくなるので、生野菜ジュースを飲むより効果が出やすいと言われています。
ベジブロス
水:約1000mL(野菜がつかる分量)
白ワインまたは日本酒:大さじ1
作り方
1、鍋に野菜の皮や切れ端を入れ、水と白ワインを注ぎ入れる。
2、鍋を強火にかけ、沸騰したら弱火にして約20分煮込む。
3、野菜をザルなどでこし、粗熱がとれたら保存容器にいれ、冷蔵庫で保存する。
4、冷蔵庫なら3~4日で使い切る。冷凍保存もできる。
料理の活用法や注意点
ベジブロスは味噌汁やカレー、スープなど水の代わりに使用すると料理にコクとうま味が出てきます。また、作ってから冷蔵で3日以内に全て使い切るように意識してください。使い切れない方は冷凍にして2週間以内に使用してください。
また、野菜は皮を使用するので無農薬のものを使用するのがベストです。ベジブロスは普段捨ててしまう部分から出汁を取るので、経済的にも優しく栄養もしっかり取れるのでやらなくては損と言えるほど究極の出汁だと言えます。また、普段の料理にプラスするだけで味わいが深くなるので、是非試してくださいね。
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