「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」によると、牛乳などの脂肪粒を練圧したもので、乳脂肪分は80%以上、水分が17%以下のものをいい、容器に種類別バターと表示されています。
- バターとは?
- バターの魅力
- 非発酵バター
- 有塩バター
- 食塩不使用バター
- ホイップバター
- バターの起源・歴史
- 日本への伝来は?
- バターとマーガリンの違い
- 従来のマーガリンとは
- マーガリンに含まれるトランス脂肪酸が低減
- マーガリンを選ぶときは水素添加物が入ってないものを選ぼう
- バターとマーガリンに含まれる飽和脂肪酸について
- 健康のためにとりたい油はシードオイル
バターとは?
バターとは、生乳などからつくられたクリームを攪拌し、生じた脂肪粒を集めて固め、練り上げたものです。クリームには脂肪球皮膜たんぱく質(MFGM)に包まれた脂肪球が浮遊し、攪拌すると脂肪球同士がぶつかりあい、MFGM膜が破れた脂肪滴が集まって固まります。
同じバターでも製法や食塩添加の有無による違いがあります。
バターの魅力
牛乳のクリーム成分から作られるクリーミーで口どけのいいバターの魅力は、料理から菓子にいたるまで、さまざまな分野で使える汎用性の良さにあります。
動物性の脂なので、少量使用するだけで深いコクを楽しむことができ、日本人にとって代表的な調味料「醤油」と合わせ「バター醤油」とすることで、鼻孔をくすぐり、食欲を大いに刺激します。また、バターを使用した菓子は、その香りをまとって風味を倍増させます。加えて、焦がしたり、溶かした上澄みだけを使ったりと、その使い方もさまざまです。
発酵バター
原料となるクリームを乳酸菌で発酵させて作ったバター。
非発酵バター
乳酸発酵させないもの。日本で市販されているものは非発酵バターが主流。
有塩バター
バターを練圧する工程で食塩が加えられたもの。添加する食塩の量は1.5%前後で、保存性が高くなる。
食塩不使用バター
食塩を加えていないもの。主に製菓用として利用される。
ホイップバター
バターをホイップして空気を含ませたもの。やわらかく、パンなどに塗りやすくなっている。
商品名に「バター」と入っていても、「名称 乳又は乳製品を主要原料とする食品」と表示されているものもあります。これらは、乳脂肪を減らしたり、レーズンなど乳製品以外のものを加えて、バターの成分規格に合わなくなった商品です。
バターの起源・歴史
バターの歴史は古く、起源は定かではありませんが、紀元前2000年ごろのインドの経典や旧約聖書にバターらしきものが記述されています。
紀元前500年ごろにギリシャのへロドトスという歴史家が、「馬や牛の乳を木の桶に入れ、激しく振動させ、表面に浮かび上がった脂肪部分をすくい取ってバターをつくった」と記述しており、食用バター製造がこの時代にあったことがうかがわれます。
日本への伝来は?
仏教とともに渡来したようで、乳を煮詰めた酥(そ)と呼ばれたものが、現在のバターやチーズといわれています。その後の武士の時代には途絶え、18世紀になって長崎の出島にあったオランダ商館でバターが食べられ、明治時代になって日本で初めてのバター製造が始まり、一般的に利用されるようになりました。
バターとマーガリンの違い
従来のマーガリンとは
マーガリンに含まれるトランス脂肪酸が低減
2018年にアメリカの食品医薬品局(FDA)が、「食品への水素添加油脂の使用を禁止」という大きな改定を行いました。従来マーガリンを製造する過程で使用されていた、水素添加物も使用できなくなりました。
それにより、マーガリンの水素添加物から生成されていたトランス脂肪酸が低減したのです。これは、アメリカの話で日本には関係がないと思われるかもしれませんが、実際近所のスーパーで確認してみたところ、水素添加物が入っていないマーガリンが圧倒的に多くみられました。
特に、固形のスティックタイプではなく、チューブタイプのマーガリンには、水素添加物が入っていなかったのです。
マーガリンを選ぶときは水素添加物が入ってないものを選ぼう
バターとマーガリンに含まれる飽和脂肪酸について
健康のためにとりたい油はシードオイル