日本人にとって馴染み深いピーナッツ。名前に「ナッツ」が入っていますが
実はナッツの仲間ではありません。
ナッツは「種実類」の木の実、
一方ピーナッツは「豆類」のマメ科植物の種子になります。
- ピーナッツはナッツ?
- 「ピーナッツ」は「ナッツ」ではない
- ナッツとは
- ピーナッツとは
- 「生落花生」の塩ゆでを求めて9月は千葉へ!
- 「ナッツ」の脂質は体に良い
- ピーナッツを食べたら太りますか?
- ピーナッツを食べたら鼻血が出ますか?
- 最近、増えている!?
- ピーナッツ・ナッツアレルギーの人が注意したいこと
- 太る要因はカロリーだけじゃない!?
ピーナッツはナッツ?
答えは、「NO」です。まずナッツの定義について調べてみると、ナッツ=種実類とは、かたい皮や殻に包まれた食用の果実・種子の総称を指し、その中でも木の実を一般的に「ナッツ」と呼ぶとのことです。
では、ピーナッツはというと、日本語で落花生ですからマメ科の植物、つまり「ナッツではない」ということになります。
英名でも「pea」は豆の意味ですから、分かりやすいですね!
例えば、ナッツ代表のヘーゼルナッツとピーナッツを比べてみると、オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸をたっぷり含み、コクのある風味や、ペースト状にするなど食べ方もよく似ています。
「ピーナッツ」は「ナッツ」ではない
「ナッツ(nuts)」とは、「硬い殻をもった食べられる木の実」の総称であり、栄養が豊富なナッツは「天然のサプリメント」とも呼ばれる。
ピーナッツ
果実の先端部分に木の実があり、硬い殻の中に日本では一般的にカシューナッツと呼ばれる種子がある。
マカダミアナッツ
ナッツとは
ナッツとは種実類に分類されている中の「木の実」のことをいい、固い殻や皮に包まれた食用の果実や種子の総称でもあります。
ナッツを食用とした歴史はとても古く、もともとは保存食や贈呈品などの貴重な食べ物として扱われていました。
今では世界のあらゆる地域で栽培が可能となり、日本でもお菓子やパンはもちろん最近はお料理にも使われるようになりました。
ピーナッツとは
ピーナッツは「マメ科ラッカセイ属」にあたり、皆さんご存知の別名”落花生”ともいわれています。
ナッツと同じように木になっているのをイメージされるかもしれませんが、実は地面の下で育っています。殻に覆われていますが、木の実ではありません。
ピーナッツの原産は南米で、中国を通じて江戸時代初期に日本へやってきました。
毎年夏ごろに咲く花が落ちたあと、子房の下の部分が地中に潜り地中で実らせることから「落花生」と呼ばれています。
「生落花生」の塩ゆでを求めて9月は千葉へ!
ピーナッツが木の実(ナッツ)ではなく、豆(pea)であることを確認するためには、落花生がどのように実を付け、収穫されるのかを目で見て体験するのが一番です。千葉県は落花生の名産地、実に全国の80%以上が千葉県産ということになります。
収穫を迎える9月のおよそ一か月弱の期間だけ、生の落花生を味わうことができます。塩ゆでにした落花生は、芋栗類にも似たほっくり感と豆本来の甘味があって最高に美味しいとのこと。おなじみのカリッとピーナッツとは違った味わいに驚くこと間違いありません。
旬の時期にしか味わえない「生」落花生、どうしても試したい人は9月の予定に書きこんでおきましょう!
「ナッツ」の脂質は体に良い
カロリーは高いものの、ナッツに含まれている脂質は肥満や不健康に直結するものばかりではありません。むしろナッツの多くには身体に良い作用を持つ「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」がたっぷりと含まれています。
度を越して食べ過ぎてしまわないかぎり、体への悪い影響は他の脂っこい食べ物などよりは小さいと考えられるでしょう。
脂質というと、「肥満の原因になったり生活習慣病を招いたりする」という悪いイメージがありますよね。
実は、肥満の原因となったり血中の悪玉コレステロールを増やして心筋梗塞などの循環器系の病気を招いたりするのは主に「飽和脂肪酸」と呼ばれる種類の脂質です。
飽和脂肪酸は体内で生成できるため食事から摂る必要のない栄養素であり、摂りすぎると体に良くない影響がたくさん起こります。
しかし、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」と呼ばれる群に属するものは、必ずしも体に悪い影響を与えるものではありません。
例えば代表的な一価不飽和脂肪酸である「オレイン酸」には、血液中の悪玉コレステロールを減らすはたらきがあります。また多価不飽和脂肪酸は血圧を下げたり悪玉コレステロールを減らしたりする作用を持っています。
ピーナッツを食べたら太りますか?
答え:太りません!
ピーナッツは半分以上が脂質でできているということでしたが、人が積極的に摂りたい油の一つ「オレイン酸」が豊富に含まれています。
オレイン酸は、善玉コレステロールは減らさずに悪玉コレステロールだけを減らすという優れた性質をもっています。
ピーナッツを食べたら鼻血が出ますか?
答え:出ません!!
鼻血は、外部からの衝撃や急激な血圧の上昇で起こると言われています。
また、ピーナッツと鼻血の科学的、医学的根拠もありませんので安心してお召し上がりください。
最近、増えている!?
こどもの食物アレルギーの原因で多いのは、卵、牛乳、小 麦ですが、最近ピーナッツ、ナッツアレルギーが増えてきて います。なぜ、増えてきたのかはよくわかっていません。
で も、ピーナッツをよく食べるアメリカなどでは一番多い原因 がピーナッツであり、よく食べることと食物アレルギーの原 因とはどうも関係がありそうです。
最近の新しい研究では、 たくさんピーナッツやナッツが食べられている環境に存在 するごく微量のピーナッツやナッツのアレルゲンが赤ちゃん の「湿疹のある」皮膚から入り込むために、アレルギーにな るのではないかと言われるようになりました。
つまり、ピー ナッツやナッツをたくさん食べたからではなく、周りにピー ナッツやナッツがたくさんあるからアレルギーになるかもし れないのです。
「ピーナッツとかナッツ類食べたことありますか?」とお伺いすると、「こわいので食べていません」と言われる人がい ますが、そんな子どもさんの血液検査でピーナッツやナッ ツのアレルギー反応が食べたことないのに陽性になってい る人がいます。
そんな時、私たちは、「おうちの人はピーナッツ、ナッツをよく食べますか?」とお聞きしたりしています。 でも、「え?じゃ、食べるのやめよう」、「私たちのせい?」なん て、あわてる必要はありません。赤ちゃんに湿疹があった ら、きちんとケアをして、良いお肌にしておけば、アレルゲン が侵入するのを防げますから、そちらに注意をしましょう。
ピーナッツ・ナッツアレルギーの人が注意したいこと
「給食にナッツ出ないですよね」といわれる保護者の方も おられますが、お菓子やパン、ドレッシングなどに含まれることもあり、見渡してみるといろいろなものに含まれています。
また、食品衛生法という法律ではピーナッツは原材料と し て 表 示 が 義 務 に な っ て い ま す が 、アーモンド 、カシューナッツ、クルミは表示義務がなく、表示が勧められるという かたちになっています。
レストランなどは表示義務がありませんので、頼んだものに気づかず入っていたなんてことも あります。本当にアレルギーがある人は気をつけましょう。
一方、ピーナッツやナッツ類は栄養価の高い食品です。 ナッツ類には身体によい作用を持つといわれる不飽和脂肪 酸という脂質が含まれています。
また、ビタミンやミネラル などを豊富に含むものもあります。上にも書きましたよう に、何かに食物アレルギーがあるから、とか、ピーナッツアレ ルギーがあるからと、ナッツ類をまとめて怖がる必要は必ず しもありません。
きちんと調べたら(血液検査だけでなく、 食物経口負荷試験などで)、こわくて食べていなかったけれ ど本当は食べられたということも少なくありません。
栄養価 の高い食べ物ですから、本当にアレルギーかどうかはきち んと確認して、不必要な除去は避けたいところです。アレル ギー科でご相談ください。
太る要因はカロリーだけじゃない!?
さらに近年の研究では、健康的な体重の達成や維持のためにはカロリー摂取量だけでなくどのような食品からカロリーを摂取するかということも大きく関わることが分かってきています。
健康的な体重を目指したり維持したりするために摂取カロリーを適切に保つことが重要なのは皆さんご存じですよね。
しかしそれだけでなく、飽和脂肪酸の多い食品や血糖値が上がりやすい食品などを避け、野菜や果物、健康的な脂質の含まれた食品を選ぶことも大切です。
ナッツに多く含まれている脂質は、まさに「健康的な脂質」の一種だといえるでしょう。
また、ナッツの多くは糖質の含有量が少なく、脂質や糖質を吸着して体外に排出するはたらきのある食物繊維を豊富に含んでいます。
カロリーは高いものの、食べ方によっては健康的な体重維持の味方になってくれる場合もあるといえるでしょう。