昨今食中毒が多く発生しているので!
どうして食中毒になるのか
食中毒の原因は何?
食中毒を引き起こす主な原因は、「細菌」と「ウイルス」です
細菌もウイルスも目には見えない小さなものです。細菌は温度や湿度などの条件がそろうと食べ物の中で増殖し、その食べ物を食べることにより食中毒を引き起こします。一方、ウイルスは、細菌のように食べ物の中では増殖しませんが、食べ物を通じて体内に入ると、人の腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。また、ウイルスは低温や乾燥した環境中で長く生存します。
サルモネラ菌
食後、6時間~48時間で、はきけ、腹痛、げり、発熱、頭痛などの症状が出ます。
黄色ブドウ球菌
食後30分~6時間で、はきけ、腹痛などの症状が出ます。
腸炎ビブリオ菌
食後4時間~96時間で、激しいげりや腹痛などの症状が出ます。
カンピロバクター
食後2~7日で、げり、発熱、はきけ、腹痛、筋肉痛などの症状が出ます。
腸管出血性大腸菌(o157、o111)
食後12~60時間で、はげしい腹痛、げり、血が多くまざったげりなどの症状が出ます。
症状が重くなると、死ぬこともあります。
ノロウイルス
対応:熱に弱いので、85度以上で1分間以上加熱。食中毒にかかった人の便や、はいたものから感染することもあるので、さわったら石けんでよく手を洗います。
食後1~2日ではきけ、ひどいげり、腹痛などの症状がでます。
E型肝炎ウイルス
ほとんど症状は出ませんが、一部の人は感染から平均6週間たつと、だるくなったり、ひふが黄色くなったり、発熱したりします。
食中毒予防の原則とポイント
腹痛や下痢、おう吐などの症状が急に出たことはありませんか?
そんなときに疑われるもののひとつが「食中毒」です。
食中毒は、飲食店などで食べる食事だけでなく、家庭での食事でも発生しています。家庭での食中毒を防ぐのは、食材を選び、調理する皆さん自身です。
細菌が原因となる食中毒は夏場(6月~8月)に多く発生しています
その原因となる細菌の代表的なものは、腸管出血性大腸菌(O157、O111など)やカンピロバクター、サルモネラ属菌などです。食中毒を引き起こす細菌の多くは、室温(約20℃)で活発に増殖し始め、人間や動物の体温ぐらいの温度で増殖のスピードが最も速くなります。例えば、O157やO111などの場合は、7~8℃ぐらいから増殖し始め、35~40℃で最も増殖が活発になります。また、細菌の多くは湿気を好むため、気温が高くなり始め、湿度も高くなる梅雨時には、細菌による食中毒が増えます。
ウイルスが原因となる食中毒は冬場(11月~3月)に多く発生しています
食中毒の原因となる代表的なウイルスであるノロウイルスは、調理者から食品を介して感染する場合が多く、ほかに二枚貝に潜んでいることもあります。ノロウイルスによる食中毒は、大規模化することが多く、年間の食中毒患者数の4割以上を占めています。
このほか、毒キノコやフグなどの「自然毒」、近年発生の多いアニサキスなどの「寄生虫」なども、食中毒の原因となっています。このようにさまざまな原因物質によって、食中毒は1年中発生しています。
台所での食中毒の危険はどこにある?
食中毒は、飲食店などの外食で発生しているだけでなく、家庭でも発生しています。家庭における食中毒は、症状が軽かったり、家族のうち全員には症状が出なかったりする場合もあるため、食中毒であると認識されないケースも少なくありません。
厚生労働省の統計では、家庭での食中毒の発生件数は全体の1割程度となっていますが、実際にはもっと多く発生していると推測されます。家庭にも食中毒の危険が潜んでいるのです。