夏場に餌を暴食した鶏から採れる脂分の多いレバーで、他の時期では40羽に1羽出るか出ないかの貴重な一品です。
脂肪肝と言ったら世界の三大珍味、フォアグラが有名ですが、フォアグラと違って自然にできる貴重なものです。
- レバーの種類
- 白レバーとは
- 白レバーの味と食べ方
- 臭みのない「白レバー」
- 牛・豚のレバーの生食は不可
- 白レバーは生食できるのか
- お店での扱いは制限されている
- レバーに含まれている栄養素とすごいその効能
- 食べすぎには注意!1日の目安量
レバーの種類
代表的な4種類のレバーの特徴をご紹介します。
牛レバーは肉質がやわらかく、熱を加えると少し締まった質感になります。風味が濃く、特徴的な食感がありますが、下処理が不十分だと生臭さが残りやすいです。
豚レバーは高たんぱくで、鉄分の含有量も多いのが特徴です。牛レバーよりもしっかりした弾力があり、ぷりぷりとした食感が楽しめます。
鶏レバーはきめが細かくしっとりとした食感で、加熱しすぎない方がおいしく食べられます。牛や豚と比べてクセが少ないため、食べやすいと感じる方も多いレバーです。
白レバーは鶏レバーの一種です。一般的な鶏レバーと比べて、脂肪が多く含まれる脂肪肝のことを指します。フォアグラに似た濃厚さがあり、臭みも少ないのが特徴ですが、スーパーなどでは見かけない希少品です。
白レバーとは
レバーは肝臓のことで、食用とされているのは牛、豚、鶏のものです。そのうえで白レバーとは、白っぽい鶏のレバーのことです。
この白い色は脂肪からくるもので、多くついているほど白っぽくなります。つまり、鶏の脂肪肝を指しています。この白さである脂肪量に決められた基準はありません。
あまりスーパーなどの店頭では見かけませんが、通信販売で購入できます。
白レバーの味と食べ方
白レバーは脂がのっていることから、高級食材で知られるフォアグラに味が似ているといわれています。白っぽい見た目で臭みが少なく、ムースのようなふわっとした食感となめらかな舌触りでコクがある味わいが特徴です。
レバーパテや焼き鳥などにして食べるのが一般的です。
臭みのない「白レバー」
「白レバー」はその名のとおり、通常のレバーよりも白いレバーです。ちょっとよいお肉を扱う焼き鳥屋さんへ行ったことがあるなら、メニューの中にこの言葉を見つけた経験があるはず。
わざわざ「白レバー」なんて名前をつけられているわけで、ふつうのレバーとは当然ひと味違います。「レバーは苦手だけど白レバーなら大丈夫」という人をよく見かけますし、ときどき「レバーは白レバーしか食べない!」なんて人もいるくらい。
牛・豚のレバーの生食は不可
レバーを含む牛や豚の肉、肝臓の生食は規制の対象となっており、生食用として販売、提供することは食品衛生法により禁止されています。なぜ規制されているのかというと、牛と豚の肉は腸管出血性大腸菌が検出されやすいためです。
腸管出血性大腸菌は、重い病気を引き起こす食中毒菌です。牛、豚のレバーを生食するのはやめましょう。また、ほかの動物の肉や内臓も生で食べると食中毒の危険があります。
白レバーは生食できるのか
白レバーを刺身など、生で食べるのはおすすめしません。鶏のレバーにはカンピロバクターと呼ばれる細菌が付着している可能性が高いため、白レバーを生で食べるのは大変危険です。カンピロバクターは家畜の流産、胃腸炎、肝炎などの原因菌で、人に感染すると食中毒症状を引き起こします。
ご家庭で白レバーを食べるときに気をつけたいのが、十分に加熱することです。調理の際は、中心部を75℃以上で1分間以上の加熱をすることが重要になります。しかし、中心温度を測定しながらの調理はなかなか難しいため、鶏肉料理の生食や加熱が不十分なものを避けることが食中毒予防には最も効果的といえます。
また、生の鶏肉を調理したあとの器具や手からの食中毒を防ぐために、生肉がついた箇所でほかの調理器具や食材、手が汚染されないような工夫が大切です。
生肉と加熱せずに食べる食品はまな板や包丁を分ける、十分に手を洗ってからほかの食品を取り扱う、食肉に触れた調理器具などは使用後に洗浄、殺菌を行うなど、衛生管理を適切に行うことが食中毒の予防につながります。
お店での扱いは制限されている
以前は好んで生のレバーを食べる人も大勢いましたが、平成24年7月以降、日本では牛の生レバーの販売や提供が禁止となりました。
当時、テレビや新聞、ネットでも大きく取り上げられましたね。 ちなみに、平成27年6月からは豚レバーの生食も禁止となっています。
しっかり火をとおさずに食べるとE型肝炎ウイルスに感染する恐れなどがあるようなので、「自分は大丈夫」なんて油断せず、調理の際はしっかりと加熱するようにしてくださいね。
牛レバー
牛レバーには以下のような特徴があります。
- とろりとしたやわらかい肉質
- 火で熱を加えると身が締まる
- 風味が濃くて独特の食感がある
- 下処理が不十分だと血の味が残ったり生臭さが残る
豚レバー
- 低脂肪で高タンパク
- 新鮮な豚レバーは表面にツヤがあり弾力が牛レバーよりしっかりしている
- コレステロールが高め
鶏レバー
- きめ細かくしっとりとした食感
- 牛レバーや豚レバーに比べてクセが少ない
- 調理では焼きすぎずあぶる程度が良い
白レバー
- 鶏の脂肪肝で通常の鶏レバーよりも栄養を多く含む
- 色はピンクがかった乳白色
- 舌ざわりはフォアグラに似た濃厚さとまったり感がある
- 臭みがなく繊細な味わい
- 希少品
レバーに含まれている栄養素とすごいその効能
鉄と葉酸で貧血予防
レバーに含まれる栄養素の中でも代表的なものが、鉄と葉酸です。いずれも、貧血を予防するのに役立ちます。
鉄は必須ミネラルの一種で、赤血球中に含まれるヘモグロビンという成分の材料です。ヘモグロビンは体中に酸素を運ぶ働きを持っているため、不足すると酸素が体にいきわたらなくなり、鉄欠乏性貧血になります。頭痛や倦怠感などが主な症状です。
葉酸は、ビタミンB群に含まれる水溶性のビタミンです。赤血球をつくるのを助けることから、造血のビタミンとも呼ばれます。不足すると貧血になるほか、妊娠中の女性の場合は胎児の成長に影響が出るため注意が必要です。
ビタミンAで皮膚や目の健康を保つ
レバーには、ビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンAは、目や皮膚の健康を保つビタミンです。不足することで目や皮膚に不調が起こります。
目に現れる症状としては光を極端にまぶしく感じたり、暗い所や夜にものが見えにくくなったりです。
皮膚に現れる症状としては、乾燥しやすくなることです。肌だけでなく、粘膜や爪などでも起こります。粘膜が乾燥してしまうとウイルスや細菌が体内に入りやすくなるため、免疫力も下がります。
ビタミンB群で疲労回復
ビタミンB群は、それぞれ関わり合って食べた栄養素を代謝するときに働く栄養素です。エネルギーを生み出すのを助けるため、疲労回復に繋がります。
ビタミンB1は炭水化物、ビタミンB2は脂質をそれぞれ燃焼させてエネルギーをつくります。ビタミンB6は、たんぱく質の分解と合成を助ける栄養素です。ほかにもビタミンB12や葉酸など、貧血予防に効果のあるB群もレバーには豊富に含まれます。
また、ビタミンB群は水溶性の栄養素です。体に貯めておくことができないため、毎日こまめに摂取するように意識するとよいでしょう。
亜鉛で味覚を正常に
亜鉛は皮膚や粘膜の健康を守り、味覚を正常に保つために必要な栄養素です。ミネラルの中では不足しやすいといわれています。
亜鉛は、体が新しい細胞をつくるときに必要なため、生まれ変わりが盛んな臓器で欠乏症が現れやすくなります。代表的なのが舌です。細胞の生まれ変わるペースが早いため、亜鉛の不足によって味覚障害が起こります。
ほかにも皮膚炎や脱毛、男性の場合は性機能の低下、妊娠中は胎児の成長不良や奇形などさまざまな欠乏症が起こります。亜鉛が不足しないように、レバーなどで積極的に取り入れましょう。
食べすぎには注意!1日の目安量
レバーの1日の目安量は、牛レバーが245g、豚レバーが20g、鶏レバーが19gです。目安量を大きく上回る量を食べてしまうと、ビタミンAの過剰症や痛風になることがあります。特に妊娠中の方は胎児への影響もあるため、注意が必要です。
1日の目安量
レバーの1日の目安量は、ビタミンAの量によって決まります。ビタミンAは成人の場合、1日当たりの上限量が2700μgまでとされています。ここから換算すると牛レバーは245g、豚レバーは20g、鶏レバーは19gです。
焼き鳥のレバーは串1本あたり約30gのため、ビタミンAがたくさん含まれている豚や鶏のレバーは1日に食べすぎないように注意しましょう。
食べすぎるとどうなる?
レバーを食べすぎると、ビタミンAの過剰症や痛風のリスクが高まります。ビタミンAは脂溶性のビタミンです。摂り過ぎた分は排泄されず、肝臓に蓄積されるため、過剰症が起こります。
具体的な症状は頭痛や吐き気、疲労感などの不調から脱毛や皮膚の乾燥など、表面的に表れるものまでさまざまです。また、妊娠中にビタミンAを過剰に摂ってしまうと、胎児に奇形が発生する可能性が高くなるため注意が必要です。
ほかにも、プリン体も多く含まれていることから、食べすぎで痛風になる可能性もあります。レバーは栄養豊富な分、食べる量には十分気をつけましょう。