ここ最近食中不毒、0-157など頻繁に出ております。
気のせいか例年以上のようにも思えます。
下記には都道府県によって違いがあるものの、処分基準等を記載しましたので、参考に。
処分基準
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営業禁止処分を行う場合に考慮する事項
(1)違反事実から判断して、営業を継続させることが不適当である場合
(2)危害発生の状態が継続しているような場合
(3)営業停止期間が長期に及ぶような場合
(4)過去に同種の違反事実があり、再度、違反の可能性が高い場合
(5)その他
- 営業禁止の範囲(全部若しくは一部)について
考慮する事項危害排除の実効が得られること - 営業停止処分の期間について考慮する事項
(1)違反原因の究明および原因の除去に要する日数
(2)施設・設備等の保守、改善に要する日数
(3)従事者の教育、必要な衛生措置を講ずるに要する日数
(4)違反食品等の回収に要する日数
(5)その他、事件の特性上、必要な措置に要する日数
(6)違反事実の軽重
(7)過去における同一条項についての違反有無
【営業禁止・停止処分】
食中毒が発生した場合は、食品衛生法第6条(不衛生な食品の調理・販売の禁止)違反となります。第6条違反の場合には、第55条で「許可を取り消し、又は営業の全部若しくは一部を禁止し、若しくは期間を定めて停止することができる。」と規定されおり、この条文によって営業禁止・停止処分が行われます。
なお、禁止処分の場合は、期間を定めないので、安全性が確保された場合において、禁止解除処分が行われます。
食中毒発生で営業禁止・営業停止処分の期間は、施設の洗浄消毒、従業員への衛生教育などが行われ、安全が確認(拭き取り検査で病原菌不検出)され、再発防止がなされるまでの期間となります。営業停止処分の場合には、処分時に期間が定められているので、再発防止がなされていないと判断した場合には、再度営業停止処分が行われます。
【公表】
「食中毒が発生」と、テレビ、新聞で報道されますが、行政庁の公表は第63条に基づいて報道発表などをします。これは、個人客で発症しても原因が不明などの潜在的な被害者の救済、他の営業施設、住民等への注意喚起であります。
家族が間違って毒キノコを採取、自分で釣ったフグを個人で調理などによる家庭内食中毒は、提供にあたりませんので食品衛生法違反とはなりません。でもこのような場合には、住民への注意喚起として公表します。
【罰則】
死亡者が発生したなど重大な食中毒、明らかな有毒物(フグの有毒部位など)の提供、営業禁止・営業停止期間中に営業すれば、保健所から警察に告発し、裁判によって第71条で罰則(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)を受けることがあります。
営業禁止・営業停止処分の期間は「再発防止がなされるまでの期間」で、報道発表などの公表は「潜在的な被害者の救済、他の営業施設、住民等への注意喚起」となります。
飲食店営業者はどなたも食中毒発生防止に努めていて、損害保険・休業保険に加入していることが多いです。通常、損害保険は被害者の治療費・休業補償費・お見舞いを含む慰謝料、安全確保ための施設改善費などになります。
休業保険は自主休業から営業禁止・営業停止処分の期間の減収額となります。でも、これらより信用失墜による減収額の大きい場合があります。信用失墜の場合、何時まで続くか不明であり、時には廃業せざるをえない場合があります。
そもそもなぜ気を付けているのに食中毒が起こるのか?
食中毒とは、食中毒を起こすもととなる細菌(さいきん)やウイルス、有毒な物質がついた食べ物を食べることによって、げりや腹痛、発熱、はきけなどの症状(しょうじょう)が出る病気のことです。食中毒の原因によって、病気の症状や食べてから病気になるまでの時間はさまざまです。時には命にもかかわるとてもこわい病気です。
細菌による食中毒にかかる人が多くでるのは気温が高く、細菌が育ちやすい6月から9月ごろです。ウイルスによる食中毒は冬に流行します。また、キノコや魚のフグなどには、自然に有毒な物質を含んでいるものがあり、そういったものをまちがえて食べることによって食中毒になることもあります。
食中毒を起こす細菌は、土の中や水、ヒトや動物のひふや腸の中にも存在していて、とくべつな菌というわけではありません。そのため、食品を作る途中で菌がついてしまったり、家庭で料理したものを、あたたかい部屋に長い時間置いたままにしておくと、細菌が増えてしまいます。
飲食店で食中毒が発生しやすい7つのタイミング
飲食店における食中毒は、「食中毒菌」と「ウイルス」が原因になることが多いです。食中毒菌による食中毒は、菌が食品に「付着」し、「増殖」することによって起こります。一方、ウイルスは食品中で増殖することは無く、一定数「付着」することで起こります。そのため、食中毒予防の三原則(菌を「つけない」「増やさない」「なくす」)が守られなかったときに、事故は起こります。
具体的に食中毒が発生しやすいタイミングとしては、以下の7つがあります。
- 原材料の受け入れ時
- 冷蔵庫、冷凍庫の温度が適切でない
- 保管や調理の仕方が適切でない
- 器具の洗浄が不十分
- トイレの汚染からの感染
- 体調不良者が調理に従事する
- 手洗いが不十分
タイミング1 原材料の受け入れ時
飲食店では、ほとんど毎日食材の受け入れがあり、取り扱う食材の種類も多いので、たくさんの業者が出入りします。そのため、ひとつひとつの納品にしっかりと立ち合うのが難しくなりがちです。しかし、どれだけ店内での食中毒対策を徹底しても、原材料が汚染されていると、食中毒事故が起こるリスクが非常に高まります。
また、受け入れが長時間に及ぶと、そのあいだ原材料は常温に置かれるため、菌が増殖するおそれもあります。原材料の受け入れは、食材の状態や使用期限などの確認を確実に行い、すぐに冷凍・冷蔵保管するようにしましょう。
タイミング2 冷蔵庫・冷凍庫の温度が適切でない
食中毒菌は20℃~50℃の温度帯で活発に増殖するため、食材を常温にさらしておくのは大変に危険です。食材の温度管理は食中毒予防の三原則である、菌を「増やさない」の最重要項目になります。食材によって適した保存温度があるので、必ず指定温度に従って保管をしてください。適正温度を外れると、たとえ冷蔵・冷凍保管していても、菌の増殖や品質の劣化に繋がります。
また、食材を保管するすべての冷蔵庫、冷凍庫は温度の記録が必須になるので、温度を記録する時間、頻度を決めておき、必ず記録もしましょう。そうすることで、機器に異常が起きた際には早めに気付き、食材の温度上昇を未然に防ぐことができます。庫内温度が基準を外れていた場合は、中の食材をどのように処理するかもあらかじめ決めておきましょう。
タイミング3 保管や調理の仕方が適切でない
食中毒予防の三原則は菌を「つけない」「増やさない」「なくす」ですが、食材の保管や調理は三原則のすべてに関わります。食材の保管、調理を行う際は、特に場所・温度・時間に注意しましょう。
場所に注意(つけない)
食材を保管する際、同じ冷蔵庫内の上段に生肉、下段に野菜を入れると、生肉から出るドリップ(赤い血のような液体)が下の野菜に落ち、野菜が汚染されてしまうことがあります。汚染された場合、サラダ用の野菜は加熱工程がないため食中毒のリスクが大幅に高まります。生肉は下段へ、加熱工程のない食材は上段で保管しましょう。
同様に、加熱前(殺菌前)の食材を上段に、加熱後(殺菌後)の食材を下段に保管することも危険です。また調理中も、生肉の調理に用いた器具には食中毒菌が付着している可能性が非常に高いので、その器具を他の食材に使用すると汚染を広げるおそれがあります。必ず使用する調理器具を分けるようにしましょう。
温度に注意(増やさない・なくす)
食中毒菌は20℃~50℃で増殖が活発になるため、食材の保管、調理時にこの温度帯を外すことが重要です。
加熱工程では、O157対策は食材の中心温度で75℃1分加熱、ノロウイルス対策は90℃90秒加熱をし、確実に殺菌しましょう。毎年発生するするカンピロバクターによる食中毒事故は、鶏肉の加熱不足が主な原因です。また、加熱した食材を冷却する際、常温で冷却すると食中毒菌は爆発的に増えます。冷却機を使用したり、清潔な場所で調理品を小分けするなどの工夫をして、30分以内に中心温度を20℃付近(または、60分以内に中心温度10℃付近)まで下げるようにしましょう。
時間に注意(増やさない)
加熱工程、冷却工程では、温度と合わせて時間も管理しましょう。
加熱工程
75℃1分加熱(O157対策)、90℃90秒加熱(ノロウイルス対策)
冷却工程
30分以内に中心温度を20℃付近、または、60分以内に中心温度10℃付近
作業時間が長くなるほど食中毒のリスクは高まるので、食材を冷蔵庫・冷凍庫から取り出したあとは、速やかに調理、提供をしましょう。特に、テイクアウト・デリバリーを始めた事業所に関しては調理から喫食までの時間が普段より長くなるので、より時間と温度の意識をしましょう。
タイミング4|器具の洗浄が不十分
器具の洗浄が不十分だと、器具についていた菌やウイルスが食材に移り、食中毒事故に繋がるおそれがあります。器具の洗浄マニュアルを作成し、常に清潔な器具を使うようにしましょう。
また、生肉を切った後の包丁でサラダ用の野菜を切るといった行動も大変危険です。包丁、まな板などの器具は、用途や食材別(魚介類用、生肉用、野菜用、加熱調理済み食品用など)に専用のものを用意し、混同しないようにしましょう。
器具に傷が付いていると、洗浄しても汚れが残ることがあります。傷を直すことは難しいため、新しい器具に買い替えるといった定期的な「リセット」も必要です。同様に、洗浄器具も定期的に取り替えましょう。
タイミング5|トイレの汚染などによる感染
ノロウイルスは感染者の糞便、嘔吐物に非常に多く含まれまれるので、ノロウイルスによる食中毒事故のほとんどが、トイレ後の手洗い不足が原因です。用便後は、想像以上の範囲まで汚染が広がります。
トイレ掃除を行うときは、手すりなどの汚染度の低い場所から始め、便器のような汚染度の高い場所の順に行うのがポイントです。反対の順で実施すると、逆に汚染を拡げてしまうおそれがあります。
ノロウイルスの特徴
ノロウイルスによる食中毒は、感染者の糞便、嘔吐物から排出されたノロウイルスを口から取り込むことで発生します。そのため、トイレが最もノロウイルスが潜んでいる可能性が高く、感染者がトイレで用便した際、手洗いが不十分だと、調理場にノロウイルスを持ち込んでしまいます。
ノロウイルスは感染力が高く、ウイルスを数個取り込んだだけでも感染してしまう場合があります。しかも、ノロウイルスはアルコールでは効果が低く、次亜塩素酸ナトリウムなどの特定の薬剤か、90℃90秒加熱をしなくては除去できません。ただし、食材に付着しても増殖することはありません。
そのため、食中毒予防の三原則のうち、「つけない」を徹底する必要があります。また、ノロウイルスは一定の割合(※100人に1~2人程度と言われています)で、感染しても症状の発生しない、「不顕性感染者」が存在します。
全員が「ノロウイルスにかかっているかもしれない」という気持ちで手洗いを実施しましょう。
タイミング6|体調不良者が調理に従事する
体調不良者が触れたところは全て汚染源となり、食中毒のリスクが急激に高まるので、体調不良者が調理場内に入ることは絶対に禁止してください。実際に、体調不良を隠して調理作業に従事したことが原因で起きた食中毒事故も多数あります。
また、手に傷がある人も黄色ブドウ球菌によるおそれがあるため、調理作業に従事させないでください。出社時に下痢・嘔吐・発熱の症状はないか、手に化膿した傷はないかなど確認を行い汚染リスクを低減しましょう。
その他に、身だしなみが乱れている場合も食中毒や異物混入クレームのおそれがあります。汚れは菌のエサです。汚い調理服は菌の温床となりますので、常に清潔な身だしなみを心がけましょう。
タイミング7|手洗いが不十分
手洗い不足が原因の食中毒事故は非常に多いです。
食中毒菌やウイルスは、食材にもともと存在しているか、人の手を介して付着する場合が多いです。手洗いをしっかり行うだけで、食中毒リスクは格段に下がります。
調理開始前やトイレの後、生肉を触った後などは確実に「衛生的手洗い」を行い、菌を「つけない」ようにしましょう。また、手洗いの大切さや正しい手洗い方法などを定期的に従業員に教育し、全員がもれなく行える環境を整えましょう。
上記はあくまでも当たり前のことではありますが、実際多発している。
問題はどこにあるのか!
『店長の資質!』
『危機管理能力!』
問題意識や未来への危機管理を指導していない経営陣にも問題がある。
日々の営業のみに重視している企業と店長(料理長)。
*おそらく?もしかしたら?想像できないのかもしれない!
一番大事な料理をしっかりとみていない。