フルーツトマトとは品種ではない。
ではどういった種類のトマトをフルーツトマトと呼ぶのか?
一般的なトマトとは違う?
「フルーツトマト」とは品種名ではなく、呼称です。高糖度となるように特別な栽培方法で育てたものをフルーツトマトと呼んでいます。
フルーツトマトとは
フルーツトマトとは、甘さと香りを重視して育てられるトマトのことを表し、規定の糖度8度以上のものがこの名前で呼ばれています。
これは、生産者が自主的に呼称するもので、明確な定義は存在しません。
ただし!
一般的なトマトの糖度は4~5度ですが、フルーツトマトはそれが1.5~2倍になる、つまり8~12度という、非常に甘い味が特徴となります。
その甘さは、食べているとまるで果物を食べているかのような風味を生み出し、その独特な香りが更にその甘さを引き立てます。
さらにサイズも?
そのまま食べても美味しいですが、ジャムやソースなどに加工した際も風味は損なわれず、料理の幅が広がるところもフルーツトマトの魅力です。
フルーツトマトはその甘さと香り、視覚的美しさから、一般的なトマトの代わりとして使用される頻度が増えてきています。
その美味しさを一度味わうと、もとの普通のトマトには戻れないかもしれません。
栽培方法は?
甘みを凝縮するために、様々な方法でトマトにストレスを与えて糖分を蓄えさせます。
例えば、水やりを抑える、根が伸びる範囲を制限する、土壌中の塩類濃度を高める、肥料の吸収を抑えるという方法があります。
フルーツトマトとは、その名が示す通り柔らかな甘みとさわやかな酸味が特徴の高級トマト種類です。
種まきは春分頃が適切
選んだ鉢の3分の1程度を高品質な土で埋め、その土の上に種を蒔き、上から薄く土を覆います。その後、温度を一定に保つための暖房器具の準備や、発芽に適した場所を用意してあげましょう。
種が発芽したら
日光がたっぷり当たる場所へと移動します。
その後は土が乾燥しないように水分を確保し、成長に伴ってつるが伸びすぎないように定時的に整理します。
肝心なのは!
「温度」「湿度」「日光」の3つのバランスです。
各々の状態を管理しつつ、フルーツトマトの様子を見ながら調整します。
一生懸命に育てたフルーツトマトからは、一般的なスーパーのものとは違った格別な味わいを楽しめるはずです。
健康的な食習慣の一環として、各々の手作りのフルーツトマトを試してみてください。
特に注目すべきは!
品種は同じでも栽培方法によってフルーツトマトと普通のトマトを作り分けることが可能だという事実です。
具体的には、トマトに極限まで水を与えないという手法が用いられます。
これによりトマト内部の水分が流出するのを抑制し、完熟状態へと導きます。
これはトマトにとっては厳しい環境ではありますが、逆にこれが原因で甘みが増し、真のフルーツトマトとしての価値が高まります。
どれくらい甘い?
一般的なトマトの糖度が3~5度程度なのに対して、7~9度以上もあります。
中には、メロン並みの10度以上のものもあります。
発祥の地は?
産地のひとつとして高知県が挙げられます。1970年に台風で農地に海水が流れ込み、土壌に強い塩分が残ったため、本来大玉に育つはずだったトマトが、ピンポン玉くらいにしか育ちませんでした。
ところがその小玉のトマトは、濃厚でミネラルバランスが良い甘いトマトに。これが高知県でのフルーツトマトの始まりといわれています。
どんな種類がある?
フルーツトマトの生産が多い高知県ではいろいろな種類が栽培されています。
その一部を紹介します。
・徳谷トマト
糖度10度以上で、「果物より甘い」といわれています。
・乙女の涙(スウィーティア)
涙の形が特徴的なトマト。糖度は11~12度あります。
その他、「シュガートマト」「夜須(やす)フルーツトマト」「四万十くろべえ」などがあります。
フルーツトマトの栄養価
高い健康効果も期待ができるフルーツトマト
フルーツトマトはビタミンCやリコピンが豊富で、抗酸化作用にも効果があるので、健康にも良いとされています。
その他にも、カリウムやビタミンKなどの栄養素も含んでいるので、むくみ解消や血圧を下げる効果にも期待ができます。
さらに、グルタミン酸やアスパラギン酸などの旨み成分が、一般的なミニトマトよりも多く含まれていることがわかっています。
抗ストレス作用があるGABAを豊富に含む
フルーツトマトには、気持ちを落ち着かせる抗ストレス作用があると言われるGABAが豊富に含まれています。
リラックスできて緊張がほぐれたり、ストレスの緩和、睡眠の質向上、肌の弾力の維持などの効果が期待できます。
夏バテ予防もできるトマト
「トマトが赤くなると医者が青くなる」という諺があるほど、健康に良いことで知られるトマト。
カリウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富で、夏バテ予防に期待ができます。
また、トマトに含まれるリコピンは、夏バテや紫外線から身体を守ってくれる効果もあるそうです。
トマトには暑さで火照った身体を冷やす効果もあると言われているので、暑い日こそトマトを食べると良いそうです。
夏バテには予防には、トマトと油を合わせると良いそうです。オリーブオイルをかけたり、炒めたりして食べるのがおすすめです。