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japan-eat’s blog

食に関する事や飲食店の運営に関する内容を記載してます。

四字熟語ではない!『河内晩柑』

河内晩柑かわちばんかん)は初夏から夏にかけて収穫できる黄色くて大きな柑橘です。
見た目や大きさはグレープフルーツに似ていますが、グレープフルーツのような苦味は少なく、さっぱりとした甘みのある品種です。
「柑橘類といえば冬」というイメージや生産量があまり多くないこともあり、まだまだよく知られていないのが現状です。

河内晩柑の生い立ち

河内晩柑(かわちばんかん)は、1905年頃に熊本県河内町で見つかった文旦の偶発実生です。 発見された場所の名前(河内)と、収穫時期が春先以降であること(晩生の柑橘)から「河内晩柑」という品種名がつけられています。

外観や大きさが似ているところから、“和製グレープフルーツ”と呼ばれることがありますが、 グレープフルーツのような苦味は少なく、さっぱりとした甘みがあります。

 

■ 偶発実生(ぐうはつみしょう) ■

※偶発実生(ぐうはつみしょう)とは、自然に落ちた種や捨てられた種から種子親を 超える特性(糖度が高い、種が無いなど)を持つ偶然発見された品種のことをいいます。
大雑把に言うと「おのればえ(己生え)」で育った実がおいしかったので品種として広まったということです。

※グレープフルーツには、一部の血圧降圧薬の効果に影響を及ぼす成分が含まれていますが、 河内晩柑の果肉の部分にはその成分はほとんど含まれません。

 

河内晩柑にはいろいろな呼び名があります


河内晩柑は、なぜかいろいろな呼び名を持つ品種です。

たとえば、“愛南ゴールド”は、愛南町が2007年に総称名称として名付けた呼び名です。 

栽培される県や、出荷される農協(共選場)・生産者によって様々に呼び名をつけているため、“美生柑(みしょうかん)” “宇和ゴールド” “ジューシーフルーツ” “灘オレンジ” など いろいろな商品名で販売されています。

熊本県では“天草晩柑”、鹿児島県では“サウスオレンジ”、 高知県では“夏文旦” とも呼ばれていますが、すべて品種は同じ河内晩柑です。

 

河内晩柑って種はあるの?

河内晩柑は(多くはないものの)元々種が入る品種です。
種の多い少ないは、樹齢や個体差によるものにはなりますが、果実がなっている河内晩柑の樹の近くに、別のかんきつ類の樹 (種がたくさん入る甘夏などの樹)があると、風や虫などによって花粉が運ばれて受粉し、河内晩柑の実の中に種がたくさん入ることがあります。

当園には河内晩柑の畑が何箇所かあり、収穫時期や発送日によってどちら畑のどの果実がお客様へお届けとなるかは、その時々によって変わります。 また、種の有無につきましては、外観から判断することができません。

そのため、お客様からご注文時に、「種が入ってないものが欲しい」「種が少ないものを希望します」とご要望がありましても、 お受けすることができかねますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

どんなところで栽培されているの?

河内晩柑は5月に開花して実をつけ、翌年の春以降に収穫時期を迎えるまで、樹上で実をつけたまま越冬しますが、寒さに弱いため、栽培適地は 熊本県の天草地方や愛媛県南部など一年を通じて気温が下がりにくく、霜の降りにくい暖かい場所に限られます。

柑橘類が栽培できる地域であれば、河内晩柑の栽培自体は可能です。
ただ、おいしく食べられるようになる時期(春先以降)まで樹にならせておくことができるのは、冬に暖かい地域ということになります。
河内晩柑は寒さに弱く、初冬~冬になり気温が低くなってくると、へたの部分から実がポトッと落ちてしまいます。 (樹が自らの体力に見合う実の量を残して残りを落とし、負担を軽減させるために行う生理落下の一種です。)

そのため、冬暖かく、実が落ちることなく春を迎えることができる地域が栽培に適した場所となります。

吉田農園のある愛媛県愛南町は年間平均気温が17℃ 年降水量が1,900mmを超え、 温暖多雨な気候を活かした柑橘類(特に春先以降に収穫される晩柑類)の産地です。 なかでも、河内晩柑は全国生産量の約50%以上を占める全国一の産地となっています。

 

木成り栽培って何?どんな特徴?

河内晩柑は、一般に糖が高い3月から5月にかけて収穫し、低温貯蔵で減酸させて4月以降に販売します。 樹への負担を考えて、5月の花の開花を迎える前に、前年の実をすべて収穫してしまうためです。

実をつけたまま花を咲かせることは、樹に大きな負担がかかります。 負担がかかりすぎると木が弱ったり、翌年の実をつけなかったり。 最悪の場合は木が枯れてしまいます。

当園では「木成り」にこだわって河内晩柑を栽培しています。 「木成り栽培」は5月以降も実を木に成らせたまま完熟させ、糖酸比が高くなってから 順次収穫・出荷する栽培方法です。樹勢が強い河内晩柑だからこそできる方法でもあります。

3~5月初めに収穫した河内晩柑は、特別な貯蔵方法でないと 夏まで品質を保つことが難しいのですが、当園の河内晩柑は すべて木成り栽培 (出荷の直前まで木に成ったまま)なので、国産の柑橘類の収穫が少ない 初夏~盛夏に出荷が可能となっています。

 

収穫時期によって変わる味わい

木成り河内晩柑は、収穫時期によって味わいがかわるのが特徴です。

<初夏 5月~6月上旬>
果肉がやわらかく、果汁がたっぷり。糖度も酸味も強く、
河内晩柑の濃い味がお楽しみいただけます。
 
<6月中旬~7月中旬>夏に向かって徐々に糖度も酸味・果汁も減少していきますが食味が変わっておいしく感じられるようになります。果肉の柔らかさ・果汁ともにバランスのとれた時季です。
 
<盛夏 7月中旬~8月>
実が引き締まり、暑い夏にぴったりのあっさりとした味。
後味のすっきりとした甘みで、実のプチプチとした食感もお楽しみいただけます。

寒さに弱い河内晩柑

河内晩柑は冬の寒さに弱く、気温が低くなるとヘタの部分から自然に実が落ちてしまいます。樹に成らせている期間が長いので、収穫の春まで実が落ちずに栽培できる地域が適しています。

 

食べごろ

4月下旬から7月が食べごろです。

河内晩柑には、バレンシアにも見られる現象ですが、気温が高くなってくると一度黄色く色づいた柑橘が少し緑色にもどってしまう「回青現象」があります。
中身はちゃんと熟していますのでご安心を。  

 

河内晩柑の主な栄養素とその働き

ビタミンC

ビタミンCは体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるのに不可欠です。
これより皮ふや粘膜の健康維持に役立ちます。また、病気やストレスへの抵抗力を強めたり、鉄の吸収を良くしたりします。

嬉しい効果がいろいろ

体内の酸性物質の減少や疲労回復、浄血に有効なクエン酸が含まれています。
日々の生活ですすんで摂取したい食物繊維もたっぷり!

 

河内晩柑の皮に含まれる成分

柑橘類の果皮(外側の黄色い皮)の部分に含まれている"オーラプテン"と"ヘプタメトキシフラボン"という栄養分が、
他のかんきつ類に比べて河内晩柑の果皮に特異的に多く含まれていることが分かってきました。
オーラプテンはグレープフルーツの約4倍、ヘプタメトキシフラボンは温州みかんの約2.5倍の含有量があります。

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