おからは豆腐を作るときに、大豆から豆乳をしぼったあとの、残った部分。大豆の風味や、たんぱく質、食物繊維などが豊富で、安価で栄養満点の優良な健康食品として注目されている。水分が少ないため、多めのだし汁と合わせて煮ものにすると、しっとりして口当たりがよくなる。また、パン粉の代わりにハンバーグのたねなどに加えることもある。
- おからとは?
- おからの栄養価
- 実はスゴイおからの栄養
- おからパウダーの方がカロリーや栄養価が高い?
- 手軽におからを取り入れるなら!
- 栄養豊富なおからはダイエットにもぴったり!
- 栄養豊富だけど食べ過ぎ注意
おからとは?
おからとは、豆腐を作る過程で豆乳を絞ったあとに残る物質のことです。食物繊維や質の良いタンパク質などの栄養が豊富に含まれており、「卯の花」などの材料として使われます。
おからに含まれている食物繊維は胃や小腸で消化・吸収されずに大腸まで届き、腸内環境の改善や便秘の予防など、お腹の調子を整えます。
日本人の食物繊維の摂取量は減少傾向にあります。
食物繊維の一日あたりの目安摂取量は18~64歳の男性で21g以上、女性で18g以上です。しかし、最近の調査結果によると食物繊維の平均摂取量は一日当たり14g前後と推定されており、目安量を下回っています。
健康的な体を維持するために、積極的に食物繊維を摂ることが大事です。
おからの栄養価
このおからは豆乳のしぼりかすですが、食物繊維やカルシウムをたっぷり含んでおり、たんぱく質や炭水化物、カリウムにも富んだ食材として、ヘルシーフーズの中でも大いに注目を集めています。
まず何といっても優れているのが食物繊維の量でしょう。100g中11.5gは、ごぼうの約2倍に当たります。おからの食物繊維は「セルロース」という水に溶けないタイプのもの。
このセルロースは、腸のぜん動運動を促してくれるので便秘の解消にもなり腸内の残留物をそうじしてくれますから、大腸ガンの予防にもつながります。さらにおからには、大豆のカルシウムが多く残っており、さらにゆで大豆の約40%ものたんぱく質が残っているという優れモノです。炭水化物やカリウムもしっかり含んでいます。
この大豆の炭水化物もまた、腸内の健康維持に大きな貢献をしています。大豆の炭水化物に含まれる豊富なオリゴ糖が、腸内の善玉菌のえさになってくれるのです。
そしておからの最大の魅力は、安価でローカロリーなこと。お惣菜だけではなく、最近はクッキーやケーキなどのお菓子にも幅広く使われています。
ローカロリーなのでダイエットにも最適の食材です。
実はスゴイおからの栄養
むくみ解消・高血圧予防「カリウム」
おからはカリウムを含み、むくみの解消や高血圧の予防に役立ちます。
カリウムは余分なナトリウム(塩分)とともに水分を排出する、いわゆる利尿作用があります。
これによりむくみを解消したり、血圧を下げてくれたりするのです。
食事が偏りがちな方は不足しやすいため、積極的に取り入れましょう。
骨の健康づくり「カルシウム」
おからからカルシウムを摂ることで、骨の健康づくりに役立ちます。
成長期の子どもはもちろん、骨粗しょう症を予防したい大人や高齢者まで、幅広い年代で取り入れた栄養素です。
貧血予防「鉄」
鉄は鉄欠乏性貧血の予防に欠かせません。
鉄が不足して貧血の状態になると、全身に酸素をうまく運べなくなるため、疲れやすさや倦怠感、めまいなどの症状のほかに、スポーツのパフォーマンスを落とすなどの影響があることも知られています。
腸内環境を整える「食物繊維」
おからは食物繊維を豊富に含み、腸内環境を整えてくれます。
腸内環境が乱れることで、便秘の原因や肌のコンディションが悪くなる原因となることが知られています。
おからに含まれる食物繊維は排便をスムーズにし、腸の中で善玉菌のエサとなり、善玉菌が増えるのを助けてくれます。
美容面で効果を期待「イソフラボン」
おからに含まれる大豆イソフラボンは、美容面での効果が注目される成分です。
大豆イソフラボンは体内で女性ホルモンに似た働きをすることが知られています。
女性ホルモンは肌や髪のツヤを作る働きをしてくれるため、大豆イソフラボンをとることで、これらの働きを助けてくれるのではないかと考えられています。
抗酸化作用のある「サポニン」
大豆に含まれる大豆サポニンは、抗酸化作用があり健康づくりに役立ちます。
抗酸化作用とは、細胞にダメージを与える活性酸素を除去する働きを指します。
過剰な活性酸素により、動脈硬化やがん、免疫機能の低下、細胞の老化などの原因になることが知られているため、健康づくりにはおからのような抗酸化作用を持つ食べ物を取り入れることが大切です。
おからパウダーの方がカロリーや栄養価が高い?
同じ重量で比較すると、おからパウダーの方がカロリーや栄養価が高くなりますが、これは水分量の違いによる見かけ上の差です。実際に使う場合は使用量が異なるため、どちらを取り入れても栄養面では大きく変わりありません。
おからパウダーは水を加えるとおからに戻りますが、約3.5倍の量となります。
そのため、実際に使う量は10~20gほど。
その場合のカロリーは33~67kcal程度であるため、心配しすぎる必要はありませんね。
手軽におからを取り入れるなら!
生のおからとおからパウダー、どちらを取り入れるか迷う場合は、まずはおからパウダーから取り入れるのはいかがでしょうか?
おからパウダーは日持ちするため、いつでも取りたいときにさっと取り入れられます。
水で戻しておから料理に使うのはもちろん、飲み物やヨーグルトにさっと混ぜる、料理にふりかけるなどのさまざまな使い方ができますよ。
栄養豊富なおからはダイエットにもぴったり!
おからは栄養価の高さだけでなく、ダイエットによいこともおすすめできる点です。
おからがダイエットに向いている理由について、詳しく見てみましょう。
お腹で膨らんで食べすぎを防ぐ
おからは食物繊維が豊富で水分量が少ないため、お腹で膨らんで満腹感を出してくれます。
少量でもお腹いっぱいになるため、食事や間食のとりすぎを防いでくれます。
タンパク質を補給して基礎代謝アップを助ける
おからはタンパク質を含むため、筋肉の材料となり基礎代謝の向上を助けてくれます。運動や筋トレとあわせておからをとるようにすると、ダイエットがスムーズにいきやすいでしょう。
栄養豊富だけど食べ過ぎ注意
おからはよいところばかりでなく、取り入れる際の注意点も知っておいてほしいものです。
目安の量もあわせて、注意点をお伝えします。
食べすぎに注意
おからが体によいとはいえ、食べすぎには注意しましょう。
おからは食物繊維が豊富であるため、食べすぎによりかえって便秘を引き起こしたり、消化に負担をかけてお腹の調子を崩したりすることがあります。
毎日食べるなら1日20~30g(パウダーなら大さじ1)を目安にする
おからを毎日取り入れるなら、生のおからは20~30g、おからパウダーは大さじ1(6g)をひとつの目安とするのもよいでしょう。
日本人の20~50代の食物繊維摂取量は約1~3g不足しており、おから1日20~30g(パウダーなら大さじ1)でこの量をほぼ補うことができます。
あくまで目安の量であるため、体調と相談しながら、自身に合った量を取り入れるようにしましょう。