春雨(はるさめ)と聞いて、最初に思いつくのはどんなものでしょうか。お鍋などに入れて「食べる」春雨でしょうか、それとも「春に降る」春雨の方でしょうか。実はこの二つは密接な関係があり、「春に降る」春雨は「食べる」春雨の由来になっているのです。
- 春雨(はるさめ)とは
- 「春に降る」春雨と「食べる」春雨
- 春に降る雨の名前
- 春時雨(はるしぐれ)
- 小糠雨(こぬかあめ)
- 桜雨(さくらあめ)
- 春霖(しゅんりん)
- 春雨とは
- 春雨の栄養価
- 春雨の効果
- 乾燥状態の春雨のカロリー
- ゆでた春雨のカロリー
- 疲労回復
- むくみの予防、改善
- 解熱効果
- 牛肉と春雨のピリ辛炒め
春雨(はるさめ)とは
春雨(はるさめ)とは、春に降る雨のことを指します。春雨の別の読み方として「菜種梅雨
(なたねづゆ)」がありますが、その字が表すとおり「菜の花が割く時期に降る梅雨のような雨」つまり3月下旬から4月上旬にかけて雨や曇りが続くぐずついた天候のことをいいます。
「春に降る」春雨と「食べる」春雨
春雨は天候の呼び名であると同時に、食べ物のことを指す名称でもあります。天気と食べ物の名称が同じなんて、ちょっと不思議ですよね。
このようになったのは、「春に降る」春雨が食べる「春雨」の由来になったためです。春雨は春に降る「しとしとと降る細い雨」のことを指します。一方で「食べる」春雨は、小さな穴の開いた機械に生地を流し込み、高いところから熱湯に落とすことで作られる食品です。
その生地の落ちていく様子が、細く静かに降る春の雨のようだといわれるようになり、春雨という名前が付けられてといわれています。こうした由来を知ると、お鍋などでいただく春雨にも、どこか情緒を感じられるようになりますね。
春に降る雨の名前
「春に降る雨」ということで名づけられた春雨ですが、春に降る雨にはほかにもさまざまな呼び名があります。季節の移り変わりや天候についてここまで細かく言葉で表現するのは、日本人ならではです。
春時雨(はるしぐれ)
春時雨(はるしぐれ)は、春に降る時雨のことで、晴れたと思ったら振り出したり、降り出したと思ったら止んだりを繰り返す雨のことを指します。雷を伴っている春時雨は、「春雷(しゅんらい)」とも呼ばれます。
小糠雨(こぬかあめ)
小糠雨(こぬかあめ)は春先にしとしとと降る雨のことを指しています。特に、雨粒が霧のように細かい雨のことを小糠雨と呼びます。
桜雨(さくらあめ)
桜雨(さくらあめ)とは、桜が咲く3月下旬から4月上旬にかけて降る雨のことです。桜の花にかかってしまう雨なので、桜の花が散ってしまうかと心配になりますが、このように呼ぶと情緒深くなりますね。
春霖(しゅんりん)
春霖(しゅんりん)の「霖」は長雨を表す漢字で、春霖とは春の長雨を表しています。数日雨が続くような場合には、春霖または春霖雨と呼ぶこともあります。
あれ?食べ物の話では?
春雨とは
春雨とは、緑豆やじゃがいも、さつまいもなどのデンプンから作られた乾燥食品です。
作り方はというと、とても手間がかかっており、デンプンを熱湯で練り上げ、更にデンプンと熱湯を加え練り上げ生地を作っていきます。
その後、穴が空いた容器から熱湯中に押し出し煮沸し、冷やしてから凍結させます。
更にそれを天日干しし、乾燥させてやっと春雨が出来上がります。
また、春雨の歴史は意外と古く、1,000年以上も前から中国で食されていたと言われています。
春雨の栄養価
ダイエッターにも人気の春雨ですが、春雨のカロリーや栄養価はどの程度なのでしょうか。
茹でた春雨100gあたり、約78kcalです。
ごはん100gあたり165kcalに比べると、はるかに低カロリーなのがわかります。
ちなみに炭水化物は約20g
ごはんは約30gを超えるため、炭水化物を見ても低いことがわかります。
低カロリーかつ低糖質。
春雨がダイエッターに人気なのは一目瞭然ですね。
もちもちしていて食べ応えもあるので、満腹感を得やすいのも特徴です。
しかし、春雨の良いところはこれだけではありません!
春雨の効果
カロリーや糖質、GI値が低いだけでなく、春雨はその他の効能も嬉しいことだらけです。
乾燥状態の春雨のカロリー
ゆでた春雨のカロリー
疲労回復
春雨の主成分炭水化物は、疲労回復に有能です。
炭水化物が不足すると、体内にあるたんぱく質が分解されてしまい、疲労感が増してしまいます。
程よい炭水化物を摂取することで、疲労を感じにくいと言われています。
むくみの予防、改善
春雨の原材料である緑豆には、利尿効果があることから、体内の余分な水分を排出し、むくみを予防、改善してくれると言われています。
春雨によっては、じゃがいもやさつまいものデンプンのみで作られたものもあるため、原材料を見て購入するようにすると良いでしょう。
解熱効果
暑さを和らげ、熱を体外に逃す働きがあるそうです。
発熱時や夏バテ対策にもおすすめです。
夏はさっぱりと、冷んやり冷たい春雨サラダにすると良いですよ!
牛肉と春雨のピリ辛炒め
材料 (4人分)
牛薄切り肉 200g
春雨 1袋(約100g)
ねぎのみじん切り 2/3本分
にんにくのみじん切り 1かけ分
しょうがのみじん切り 1かけ分
白いりごま 大さじ1
豆板醤 小さじ2
スープ
鶏ガラスープの素 小さじ1
しょうゆ 大さじ2強
砂糖 大さじ1
酒 大さじ1と1/2
塩 少々
ごま油 お好みで
作り方
1、春雨は熱湯に4~5分つけてもどし、水で洗ってざるに上げ、水けをきって長さを半分に切る。牛肉は一口大に切る。ねぎのみじん切りは飾り用に少し取り分けておく。ボールに水1/2カップとスープの材料を入れて混ぜ合わせる。
2、中華鍋を中火で熱し、ごま油大さじ2と1/2を入れてなじませる。豆板醤を入れてさっと炒め、ねぎ、にんにく、しょうがを加えて香りが立つまで炒める。牛肉を加えて菜箸で広げながら炒め、肉の色が変わったらスープを加える。
3、煮汁が煮立ったら春雨を加え、焦げつかないようにときどき混ぜながら煮る。汁けがほとんどなくなったら、仕上げにごま油大さじ1/2を加えて全体をさっと混ぜ合わせる。器に盛り、白いりごまと飾り用のねぎのみじん切りを散らす。
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