生の鯖と違って面倒な下処理が必要なく、味噌味や醤油味など、味のバリエーションもあります。なかでもシンプルな水煮は、主菜だけでなくパスタやサラダ、おつまみまでアレンジの幅も広いことから人気です。
サバにはさまざまな栄養が含まれますが、なかでも健康への効果が期待できるDHAやEPAの含有量が多いのが特徴です。最初に代表的な栄養と期待される効果を紹介。
- 体を構成する「タンパク質」
- 貧血予防に「鉄分」
- 骨の健康や免疫機能の低下を防ぐ「ビタミンD」
- 血栓を予防、中性脂肪を減らす「EPA」
- 動脈硬化予防や記憶力をアップ「DHA」
- サバの種類やサバ缶との栄養成分を比較
- 独特の臭みを消す方法3つ
- 同じような缶詰で値段が違う理由は?
- 缶詰のアブラの使い方 原材料を見て確認!
- 非常食におすすめ!
体を構成する「タンパク質」
サバは必須アミノ酸をバランス良く含む良質なタンパク質を含有しています。
必須アミノ酸とはタンパク質を構成するアミノ酸のうち、体内で作れない種類のこと。
食事から摂取する必要があります。またタンパク質は筋肉や骨、皮膚や血液などのもとになり、特に成長期の子供や筋肉を付けたい方に欠かせません。
貧血予防に「鉄分」
鉄分は赤血球を作るために欠かせないミネラルであり、筋肉内に酸素を取り込む働きもあります。鉄分を摂ることは貧血予防に効果的です。
逆に不足すると筋力低下や疲労の要因に。鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があり、サバには体に吸収されやすいヘム鉄が豊富です。
骨の健康や免疫機能の低下を防ぐ「ビタミンD」
ビタミンDは魚介類やキノコ類に多く含まれ、タイセイヨウサバ100gで成人男女に必要な1日の目安量を補えます。
血栓を予防、中性脂肪を減らす「EPA」
EPA(エイコサペンタ塩酸)も不飽和脂肪酸の一種です。
血栓の予防や高血圧の予防に効果がみられます。善玉コレステロールを増加させ、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす効果もあります。
動脈硬化予防や記憶力をアップ「DHA」
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、サバを始めとする青魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種です。
動脈硬化の予防改善や、脳を活性化させて記憶力を良くする効果があるとされます。
サバの種類やサバ缶との栄養成分を比較
流通しているサバは主に「タイセイヨウサバ」「マサバ」「ゴマサバ」の3種類あります。
タイセイヨウサバ(ノルウェーサバ)
主にノルウェーから輸入され、ノルウェーサバとも呼ばれます。
日本で販売されているサバの約半数以上がノルウェー産といわれています。背中に入った「くの字型」の縞模様が特徴です。
脂がのっていて、他の種類よりカロリーが高く、ビタミンDやDHA、EPAが豊富です。
塩サバや干物、しめサバといった加工品に多く使用されています。
マサバ
国産で最もポピュラーなサバ。ホンサバ、ヒラサバとも呼ばれます。
秋に旬を迎え、よく脂がのります。サバの中ではビタミンB1、B12が豊富です。
ゴマサバ
ゴマサバも国産のサバで、おなかに黒い斑点があることが名前の由来です。
断面が丸いのでマルサバとも呼ばれます。
タイセイヨウサバやマサバに比べ脂質が少なく、タンパク質や鉄分が豊富です。
サバ節の原料にも使われます。
サバ缶
サバ缶は、サバをぶつ切りにして骨ごと調理、缶詰にしたもの。生のサバに比べ、DHAやEPAの含有量が多いです。
また骨を丸ごと食べられるので、カルシウムも豊富に摂れます。
サバ缶には塩で味付けされた「水煮」、醤油で味付けされた「醤油煮」、味噌で味付けされた「味噌煮」などがあります。
独特の臭みを消す方法3つ
サバは独特のクセがある青魚です。下処理を工夫して臭みを和らげれば、より食べやすくなります。塩焼きや煮物など調理内容によって使い分け、ネギなどの香味野菜も上手に活用しましょう。
熱湯に通す
サバの味噌煮など煮物を作るなら、熱湯に通すのもおすすめ。サバに80~90度ぐらいのお湯をかけ、表面が白っぽくなったら冷水に取ります。血合いなどを取り、水気を切りましょう。
沸騰したてのお湯をかけると皮が縮むので、温度には注意してください。
塩を振って酒で洗う
サバの表面に塩を振りかけ、水分が出てくるまで5分程度置きましょう。水分が出たら酒で洗い流して水気を拭き取ることで、臭みが和らぎ、サバの身に旨みが加わります。サバの切り身を塩焼きにする際におすすめです。
白ネギやショウガを使う
ネギやショウガといった香りの強い野菜を使うのも効果的。ネギには香りの成分「硫化アリル」が含まれます。硫化アリルは青い部分よりも白い部分に多いので、ネギの中でも白ネギがおすすめです。
ショウガには殺菌効果や臭み消しに効果があるとされる成分「ショウガオール」が含まれます。すりおろしでも刻んでもOKです。
同じような缶詰で値段が違う理由は?
中に入っている魚の値段が違います!脂がのっていて大きなサバを使った缶詰は高め。
小さめのサバで油が少ない原料の缶詰は安め。
筋肉をつけたい人、毎日DHAを取りたい人、目的によってどちらがいいかは人それぞれですが、一度食べ比べをしてみて自分好みの缶詰を探してみてください。
缶詰のアブラの使い方 原材料を見て確認!
まさか流して捨てる人はいませんよね???
原材料を見て、魚由来の油なら、DHA,EPAの宝庫です。飲んでしまってOK!
ツナ缶のように「大豆油」とあれば、飲むには大変ですが、炒め物、ドレッシングとすれば無駄なく使えます。
水を汚さず、環境に配慮した形でさらにお財布にも優しいので、試してみてくださいね。
昔ながらの缶詰も、色々な味付けで楽しめるようになっているので、素敵な缶詰を楽しみながら食べてください!
非常食におすすめ!
生の魚を缶に入れて密閉してから高温高圧調理するため、常温で長期保存できるため、災害時の保存食としても注目されています。2年程度毎に入れ替えるローリングストックの定番品になりつつあります。
賞味期限(おいしく食べられる目安)が切れても、缶が膨らんだりしていなければ食べられます。むしろ期限が切れてからの方が味がしみ込んで好きだ!という方もいます。