普段なんとなく使っている言葉を改めて考えてみると、どういう意味かわからないことってありますよね。今回は、そんな言葉たちのなかから、「お肉のランクを表すアルファベット」をピックアップしてお届けします。
- 牛肉にはランクがある
- お肉のランクを表すアルファベットの意味は?
- A5ランクだからおいしい?
- 牛肉ランクのルールとは
- A1ランク、C5ランクも存在するの?
- A5ランクなら美味しい?お肉の美味しさはどう決まる?
- おいしさを決めるキーワードの一つ「オレイン酸」
- 海外の牛肉も同じようにランクされている?
- 肉質等級とはどのような等級?
牛肉にはランクがある
牛肉には「格付け」というものが存在していて、ランクの高い牛肉ほど高い値段で売られていますよね。よく耳にするのが「A5ランクの最高級和牛!」といったような表現ですが、実はこのランク、「おいしさ」で測っているものではないのです。
お肉のランクを表すアルファベットの意味は?
お取り寄せグルメで人気のお肉。なかでも「A5ランク」のお肉は、最高級で贅沢品のひとつと言われています。スーパーでもA5ランクのお肉が並べられていますね。
さて今回の本題、この「A5」の「A」は、どんな意味か知っていますか? 実はおいしさのランクではないのです。
さて、このアルファベットの意味は何でしょうか?
答えは
「取れるお肉の量」
正解は、「取れるお肉の量」でした。
実は、牛肉に使われるアルファベットはA〜C(歩留等級)まであり、それぞれ5段階(肉質等級)にわかれています。よって、全部で15通りの評価。
厳密な評価基準はありますが、ざっくり言うと、アルファベットで表すAは「脂身が少なく、食べられる部分が多いもの」、Cは「脂身が多く、食べられる部位が少ないもの」と覚えておくと◎。
また、肉質等級は霜降り度合いのことを指し、1は低く、5は高いという意味です。
つまりA5ランクの牛肉は、「生産性の高い牛から取れた、霜降り部分が多いお肉」ということになります。
A5ランクだからおいしい?
というワケではないのですね。
霜降り肉が好みであればA5やB5、ヘルシーな赤身肉が食べたいときはA3やA4を選ぶと良いかもしれません。
お肉の世界は奥深く、霜降りの評価の他にも、美味しさの基準のひとつに「オレイン酸の含有量」や「色合い」による評価もあり、プロでも判断するのは難しいとも言われています。
ただ、格付けが低いからと言って品質そのものは変わりません。調理法や食べ方によっても、さまざまな味わいが楽しめるので、ランクに捉われすぎないようにしたいですね。
ちなみに、A5といった評価は日本独自のものです。アメリカやオーストラリアでは違った評価基準があるので、気をつけて。
いかがでしたか? 牛肉を深掘りをしてみると、おいしい焼肉屋さんは、一定のクオリティを出すために、とてつもない努力をしていることがわかります。これは飲食に携わる方たちにも言えること。感謝しながら食事をしたいですね。
牛肉ランクのルールとは
牛肉のランクはアルファベットのA〜Cからなる「歩留(ぶどまり)等級」と、1〜5で表される「肉質等級」の2種類を並べてA5やB3などと表記します。
「歩留」+「肉質」で評価を行うのは日本独自のやり方です。
「歩留等級」とは
「その牛の枝肉(※)から取れる、食用の牛肉の量」を評価したものです。Aが最も高く、「たくさんの食用の牛肉が取れる、生産性の高い牛」となります。
「肉質等級」とは
肉質等級とは、下記の4項目を総合的に評価したものです。
・脂肪交雑(サシの入り方)
・脂肪の色沢と質(脂身がきれいかどうか)
・肉の締まり及びきめ(お肉がしまっていてきめ細かいかどうか)
・牛肉の色沢(お肉の色がきれいかどうか)
「脂肪交雑」は12段階に分かれる
肉質等級の評価ポイントの一つ「脂肪交雑」はB.M.S.(Beef Marbling Standard)とも呼ばれ、サシの少ないNo.1から最も多いNo.12までの12段階に分かれています。
No.1:1
No.2:2
No.3〜4:3
No.5〜7:4
No.8〜12:5となります。まれに「A12ランク」などA5ランクを超える表現を見かけることがありますが、これはB.M.S.の数字と肉質等級を混同しているためと考えられます。※枝肉・・・牛一頭から骨や皮、内臓などを取り除いた状態の呼び方
A1ランク、C5ランクも存在するの?
● 霜降りの度合いを表す「BMS」がNo.6以上
● 可食部分の割合(歩留等級)がA・B等級
● 枝肉重量が499.9kg以下
● 肉質のきめ細かさ、しまり具合がすぐれている
A5ランクなら美味しい?お肉の美味しさはどう決まる?
おいしさを決めるキーワードの一つ「オレイン酸」
海外の牛肉も同じようにランクされている?
肉質等級とはどのような等級?
牛肉のランクを決めるもう1つの等級、「肉質等級」について。
肉質等級を決定する4項目について
- 5:かなり良いもの
- 4:やや良いもの
- 3:標準のもの
- 2:標準に準ずるもの
- 1:劣るもの