酢漬け料理の定番である南蛮漬け。あまりに自然に私たちの生活に馴染んでいるので意識したことのない人も多いと思いますが、そもそもなぜ南蛮漬けと呼ばれているかご存知でしょうか。
- 南蛮漬けとは?
- 南蛮漬けの名前の由来は?
- 南蛮漬けとマリネとの違いは?
- マリネ・ピクルスとの違いとは?
- チキン南蛮との関係は?
- 南蛮漬けとは「揚げた魚や肉の酢漬け」のこと!
- アジの南蛮漬けにはどんな栄養があるの?
- 糖質が気になる人でもアジの南蛮漬けは食べられる?
- カロリーオフするアジの南蛮漬けの食べ方
南蛮漬けとは?
南蛮漬けとは、魚や肉を油で揚げた後、ねぎなどの香味野菜や唐辛子と共に甘酢に漬けた料理のこと。フランス料理に食材を酢漬けにする「マリネ」という調理方法がありますが、南蛮漬けはその一種とも言える料理です。
主に豆アジやワカサギ、鶏肉がよく使われ、じっくり味を染み込ませるなら1~2時間は漬け込むのが良いとされています。長く漬ければ骨まで食べられるほど柔らかくなります。
南蛮漬けの名前の由来は?
「南蛮」とは室町時代から江戸時代にかけて付けられていたスペインやポルトガルの呼称。これらの地域ではかねてより「エスカベッシュ」という揚げた魚の酢漬けが食されていました。これが日本に伝わった際に「南蛮漬け」と呼ばれるようになったのです。
16~17世紀ごろ始まった「南蛮貿易」からくる言葉で、当時の貿易相手だったスペイン、ポルトガルの人や物のことを指します。
これらの国から伝わった、揚げた肉や魚を長ねぎや赤唐辛子と一緒に甘酢に漬けるエスカベッシュが南蛮漬けの起源とも言われており、それまで日本になかった調理法だったことから、「南蛮漬け」と名付けられたのです。
宮崎県発祥のチキン南蛮は、揚げた鶏肉を南蛮酢に漬けることから命名されました。また蕎麦屋さんで人気の鴨南蛮は、南蛮酢ではなく長ねぎに注目して南蛮と名付けられています。当時来日した南蛮人たちが長ねぎを好んで食べたことに由来して、鴨と長ねぎ入りの熱い汁をかけて食べる蕎麦を鴨南蛮と呼ぶようになりました。
南蛮漬けとマリネとの違いは?
南蛮漬けとマリネは、どちらも酸味の効いた味わいが特徴です。漬け込む工程は共通していますが、漬け込む前の食材の状態に大きな違いがあります。
南蛮漬けに使う食材は漬け込む前に油で揚げ、マリネに使う食材は生のものか軽く火を通して漬け込みましょう。マリネは漬け込んだ食材を焼いたり煮込んだりすることもあり、料理の下ごしらえとしておこなう場合もあります。
マリネ・ピクルスとの違いとは?
『ピクルス』とは、酢や香辛料などをベースとした調味液に野菜などを漬け込んだものを指します。日本でいうところの漬物で長期保存することが目的です。
『マリネ』とは食材に風味をつけるために調味液に浸すこと。
つまり南蛮漬けはマリネと言えるでしょう。
チキン南蛮との関係は?
居酒屋の定番メニューであるチキン南蛮。南蛮漬けを鶏肉バージョンにアレンジしたもので、宮崎県が発祥と言われています。
実はもともと鶏肉の唐揚げを甘酢で漬けたものを「チキン南蛮」と呼んでいたのですが、次第に現在のようなタルタルソースをかけた料理が「チキン南蛮」として定着していきました。
お店によってはタルタルソースのかかっていない「チキン南蛮」が見られますが、そういった背景があるのでどちらも間違いではありません。
南蛮漬けとは「揚げた魚や肉の酢漬け」のこと!
南蛮漬けの「南蛮」とは、かつてこの料理を日本に伝えた南蛮人(スペイン人やポルトガル人など)から取ったもの。揚げた魚や肉を甘酢で食べる料理で、さっぱりと食べられるのが魅力です。これからの季節、夏にもぴったりのメニューなのでぜひ試してみてくださいね。
アジの南蛮漬けにはどんな栄養があるの?
アジの南蛮漬けはアジに野菜、調味料、油で作られる。どのような栄養が含まれているのが見ていこう。
■たんぱく質と脂質が多い
アジの南蛮漬けはメインの食材が高たんぱくなアジのため、三大栄養素の中ではたんぱく質が最も多い。次に炭水化物、脂質の順となっているが、脂質の量も炭水化物に追いつくほど多く含まれている。
■ビタミンとミネラル
三大栄養素にビタミン類とミネラル類を加えて五大栄養素という。ビタミン類の中ではナイアシンとビタミンB6が多く、ミネラル類ではナトリウム、セレン、モリブデンが多い。
■ナトリウムが豊富
アジの南蛮漬けは、可食部100gあたりに約290mgのナトリウムが含まれています。ナトリウムは体内の水分バランスを調整するために必要な栄養素であり、神経や筋肉の正常な機能にも関与しています。
しかし、摂りすぎると高血圧や腎臓の負担を引き起こす可能性があるため、適度な摂取が重要です。
■マグネシウムが含まれる
アジの南蛮漬けには、可食部100gあたりに約19mgのマグネシウムが含まれています。マグネシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素であり、エネルギー代謝や筋肉の収縮にも関与しています。
また、ストレスの緩和や睡眠の質の改善にも効果があるとされています。アジの南蛮漬けは、マグネシウムを摂取するための良い食材の一つと言えます。
糖質が気になる人でもアジの南蛮漬けは食べられる?
炭水化物量から食物繊維量を除いた分が糖質量となるが、アジの南蛮漬けは食物繊維の豊富な野菜を使わない限り、炭水化物量のほとんどが糖質量となる。もちろん炭水化物自体の割合が多いわけではないため、糖質の高い料理ではない。
糖質が気になる人でも食べられるが、組み合わせには気を付けたほうがよい。アジの南蛮漬けは高糖質のごはんに合う。糖質制限中の場合はごはんを控えてレタスなどの葉野菜と一緒に食べるとよいだろう。
カロリーオフするアジの南蛮漬けの食べ方
アジの南蛮漬けはとくに高カロリーな料理ではないが、脂質が高いところが気になる人も多いだろう。そこで、カロリーオフする食べ方をおさえておくとよい。
■野菜の分量を増やす
手っ取り早くカロリーオフするには、盛り付けの際にアジを少なめに野菜を多めにすればよい。野菜たっぷりの南蛮漬けのため総重量は変えずにカロリーだけ抑えることができるのだ。
■揚げずに焼く
アジを油で揚げることによって脂質が高くなってしまう。揚げずに焼くことで油をカットすることができるので、自宅で作る場合は試してみよう。
■生野菜と一緒に食べる
糖質オフの食べ方と同様に、カロリーオフする場合も組み合わせに気を付けることが重要だ。低カロリーな生野菜を合わせる食べ方がおすすめである。