パッションフルーツはつる性の多年生、トケイソウ科の果実で、アメリカ大陸亜熱帯に自生していたものでブラジルが原産と言われています。
果実は長さ5~10cmの円形または楕円形で、紫色系と黄色系の2種類がよく出回っています。正式な標準和名は果物時計草(クダモノトケイソウ)とされています。これは、パッションフルーツは果実がなる時計草の一種だからです。
個人的にはあまり食しませんが、気になるフルーツ!ジュースだと飲むんですけどね!
- パッションフルーツとは?
- パッションとは「情熱」ではなく「キリストの受難」を意味しています
- 時期(旬)
- 主な産地
- 種類
- パッションフルーツはどんな味?
- パッションフルーツの栄養や効能
- パッションフルーツのおいしい食べ方
- パッションフルーツの保存方法
- パッションフルーツを食べることのリスクは?
パッションフルーツとは?
パッションフルーツは南米が原産のつる性の熱帯果樹でトケイソウ科トケイソウ属の果物です。日本には明治時代中期に導入されました。
その名前から「パッション=情熱」のフルーツと思われがちですが実際は花の形がキリストの受難(パッション)に似ていることに由来しています。
花が時計の文字盤を思わせることから和名では「クダモノトケイソウ」といいます。最近では夏の節電対策として人気のグリーンカーテン作りに、花や果実も楽しめる植物としてパッションフルーツが注目されています。
パッションとは「情熱」ではなく「キリストの受難」を意味しています
パッションという言葉から日本人は「情熱」という意味をイメージしがちですが、このパッションフルーツの場合は「キリストの受難」を意味しているそうです。
パッションフルーツは時計草と呼ばれている植物に分類されていて、この時計草の事をパッション・フラワーと言います。これは、16世紀に南米に布教しにやってきた宣教師らが、この時計草の花をみてその花の姿形がキリストの受難を象徴する形をしている事に気づき、布教に用いたのが元になっているようです。
それによると、花の子房柱は十字架、3つに分裂した雌しべが釘、副冠は茨の冠、5枚の花弁と萼は合わせて10人の使徒、巻きひげはムチ、葉は槍に見立てたそうです。
そして、このパッションフルーツはその時計草=パッションフラワーになる果実と言う事でパッション・フルーツと呼ばれるようになりました。
時期(旬)
輸入もされているので一年を通して手に入りますが、国産のものはハウスなど早いもので2月あたりから収穫が始まります。6〜8月にもっとも多く出回ります。
主な産地
鹿児島、沖縄を中心に東京の小笠原や千葉の館山など温暖な地域で作られています。
種類
パッションフルーツには流通量の多い紫色種の他に黄色種があります。その他にも海外では形が丸いものや縦に細長いものなどさまざまな品種があります。
パッションフルーツはどんな味?
パッションフルーツは甘酸っぱく南国のフルーツらしいトロピカルな味がします。マンゴーやパインとも異なり芳醇で華やかな香りです。
追熟させることで酸味が抜け甘さが増します。
夏と冬の年に2回、収穫を迎えるパッションフルーツですが、酸味が控えめで甘みがよく乗る夏果に比べ、冬果は酸味が強くなります。
収穫時期によっても甘みと酸味のバランスが異なります。ハワイではパッションフルーツのことを「リリコイ」といい「リリコイパンケーキ」のソースとして食べた事があるという方も多いかもしれません。
パッションフルーツの栄養や効能
β-カロテン
パッションフルーツにはβ-カロテンが豊富に含まれており100g当たり1100μgとフルーツの中ではトップクラスの多さを誇ります。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を健康に保つ働きや、免疫力を高めて風邪を予防するなどの効果が期待できます。
カリウム
カリウムには体内の塩分濃度を調整して、余分な塩分を排出する働きがあります。利尿作用があり、むくみ解消や高血圧予防にも有効とされています。
ビタミンA
パッションフルーツは、ビタミンAの含有量が抜群に多いと言われています。ビタミンAとはレチノールなど3種の脂溶性化合物の総称で、健康維持に欠かせない成分。
ビタミンC
ビタミンCには強い抗酸化作用があり、ガンや脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病を予防する働きがあります。さらにハリのある肌へ導くコラーゲンの生成を促し、シミの原因となるメラニンの生成を抑えるなど美肌づくりに欠かせない栄養素です。
ビタミンB6・葉酸
アミノ酸の合成と代謝に大きな役割を持ち、脂質の代謝や貧血、肌荒れ予防をサポートするビタミンB6と、同じビタミンB群の一つで胎児の健全な発育や、貧血、認知症の予防に不可欠な葉酸など、パッションフルーツには女性に欠かせない栄養素が多く含まれています。
抗酸化物質の源
パッションフルーツは、さまざまな抗酸化物質を含んでいます。この抗酸化物質とは、体の細胞をフリーラジカルから守ってくれるもの。
フリーラジカルは不安定な原子・分子団で、体内に有害な作用を与える可能性があり、蓄積されると酸化ストレスと呼ばれる状態になります。体の脂肪組織やDNA、タンパクにダメージをあたえ、これががんや心臓病、アルツハイマー病などの病気と関係があると考えられているのだとか。また、酸化ストレスは老化にも関係しているそう。
食物繊維
腸の健康に欠かせないのが食物繊維。1日に摂るべきとされる30g(日本では20g前後)を、きちんと摂取できていない人が多いそう。
パッションフルーツを1つ食べると2gの食物繊維が摂れますが、そのほとんどが水溶性繊維、つまり消化の過程でどろっとした粘着性のある状態になるもの。消化のペースをおだやかにして、血糖値が急上昇するのを抑えてくれるのだとか。
水溶性繊維は体が吸収する脂質の量を抑え、食事から摂取したコレステロールの一部が分解・消化されるのを防ぐ働きがあるそう。
栄養
パッションフルーツは驚くほど栄養が豊富。食物繊維やビタミン、ミネラルの宝庫で、特に抗酸化物質であるビタミンCやAが豊富。18gのパッションフルーツ1個(可食部)に含まれる栄養素は以下のとおり(注:1日の摂取量はすべてイギリス基準)。
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カロリー:17kcal
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炭水化物:4.2g
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食物繊維:2g
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タンパク質:0.4g
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ビタミンC:1日の摂取量の6%
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ビタミンA:1日の摂取量の5%
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鉄:1日の摂取量の2%
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銅:1日の摂取量の2%
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カリウム:1日の摂取量の1%
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マグネシウム:1日の摂取量の1%
パッションフルーツのおいしい食べ方
そのままでもおいしいパッションフルーツですが、さまざまな食べ方で楽しむことができます。
生食
上下に半分にカットすると切った時に果汁がこぼれてしまうため、上から7ミリ位の部分を包丁でカットするのがお勧めです。スプーンでかき混ぜ果肉をタネごといただきましょう。外皮は硬くて食べられませんが、器として使うこともできます。
パッションフルーツソース
中の果肉をそのままソースとしてヨーグルやアイスにかけたり、ドレッシングに使ったりと活用方法はさまざまです。また果肉と砂糖を弱火で煮詰めればジャムとしても楽しめます。
パッションフルーツジュース
炭酸水やサワーで割り飲み物としても楽しめます。甘さが欲しい時はハチミツや砂糖を入れて調整します。タネが気になる場合はザルで裏ごししてタネを取り除きピューレを使います。またスムージーならミキサーでタネは粉砕されるので気になりません。
パッションフルーツゼリー
パッションフルーツの果肉を取り出した後の皮をカップにして、ゼリーを作るのもおすすめです。ゼラチンパウダー1袋、水100ml、砂糖大さじ2を耐熱の器に入れ電子レンジ(500W)で1分加熱します。
そこにパッションフルーツ2個分(100g)の果肉をタネごと加えよくかき混ぜます。皮のカップに注ぎ冷蔵庫で冷やし固めれば完成です。パッションフルーツは半分に切って果肉を取り出したらカップに残った薄皮を取り除き、底になる部分は1円玉位の大きさで薄くカットしておけば底が平らになり安定します。
パッションフルーツの保存方法
表面にシワがない状態のパッションフルーツは甘酸っぱくておいしいですが、常温(20〜30℃がベスト)において追熟させるとフルーティーな香りが漂い酸味がやわらぎます。
すでに追熟させたものを保存する時や、追熟前の状態で食べたい時は密封袋に入れて野菜室で保存します。
そのまま冷凍保存することも可能です。食べる時は少し解凍してから包丁でカットし、スプーンですくって食べます。シャーベット状もおいしくてオススメです。
パッションフルーツを食べることのリスクは?
ごくまれに、パッションフルーツにアレルギー反応を起こす人もいるよう。特にラテックスアレルギーのある人が、パッションフルーツに反応しやすいのだとか。これは、ラテックスに含まれるタンパク質と、パッションフルーツのタンパク質の構造が似ているためと考えられています。
また、パッションフルーツはごく少量ですが、毒性のある青酸配糖体を含んでいます。特定の品種のパッションフルーツの皮や、未成熟のものに特に多く含まれているのだとか。青酸配糖体は多量に摂取するとシアン化物中毒を起こす可能性もあります。未熟な果実をたくさん食べるのは避けて、サプリメントとして抽出した場合を除き、皮は食べないほうがいいでしょう。