12月25日のクリスマスといえば、イエス・キリストの生誕を祝う日として知られていますよね。きっと多くの人が12月25日はキリストの誕生日だと思っていることでしょう。しかし事実は異なるようです。いったい、どういうことなのでしょうか?
- クリスマスにキリストが生まれたのはウソだった?!
- クリスマスイブの由来とは?
- 説1:イブは夕方を意味する説
- 説2:イブは前日を表すちなみに、「イブ(eve)」には前日という意味もあります。
- もともとはローマの冬至の日だった!
- 「待降節(たいこうせつ)」には何が行われていた?
- 日本とクリスマスの歴史
- 日本でのクリスマスの始まりは、1552年
- 1900年(明治33年)
- 1926年(大正15年)
- クリスマスツリーの意味
「クリスマスはキリストの誕生日」だということを聞いたことがあるという方は、多いのではないでしょうか。
しかし、聖書などではイエス・キリストの正確な誕生日についての記述は、残されていないのだそうです。
そして、クリスマスについては「キリストの誕生をお祝いする日」とされているそう。
ポイントは「誕生日」ではなく、「誕生をお祝いする日」と記載されていることです。
同じようにも思いますが、正確には誕生日ではないということが分かりますね。
さらに、古代のキリスト教ではキリストの誕生日よりも、「十字架にかけられた後に復活した日」を重視されていたと言われています。
一方、重要とされなかったキリストの誕生日は、特に何かに記されることもなく、今日に至るまで不明なままとなっています。
では、「なぜ12月25日をキリストの誕生をお祝いする日にしたの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
実は、様々な説があり正確なことはわかっていないのだそう。
多くの人が知っている記念日・イベントになっているクリスマスですが、12月25日であることの由来が明確でないのは、少し驚いてしまいますよね。
様々な説の中には、もともとはゲルマン人が冬至に行っていたお祭りがキリスト教に取り込まれ、現在の形となったという説や、ローマ帝国もともとの土着の祭りとして農耕の儀式の日にしたという説などがあるようです。
クリスマスにキリストが生まれたのはウソだった?!
12月25日はイエス・キリストの生誕を祝う日でありながら、誕生日ではないといわれています。なぜなら、キリストの誕生日は「新約聖書」にも記載がなく、実際、いつ生まれたかは誰にも分からないからです。ある説によれば、キリストの誕生日は10月1日か2日なのではないかといわれています。
毎年、クリスマスを祝いながら、キリストの誕生をイメージしていた人は、きっと拍子抜けしてしまったのではないでしょうか。
では、なぜクリスマスのお祝いをする日が12月25日に定められたのでしょうか?
クリスマスイブの由来とは?
クリスマスのことは、先ほどご紹介しました。
では、クリスマスの前日である「クリスマスイブ」には、どんな由来があるのでしょうか。
ここからはプレゼントがもらえるかドキドキしてしまう、クリスマスイブについてお伝えしようと思います。
クリスマスイブの由来・意味を考える時にポイントとなるものは「クリスマスイブ」の「イブ」の部分です。
「イブ」の意味は主に2種類の説があるので、ここで2種類ご紹介しようと思います。
説1:イブは夕方を意味する説
クリスマスイブの「イブ」とは英語で夕方などを表す「イブニング(evening)」の古語に当たる「イーブン(even)」のことなのだそうです。
「イーブン(even)」が省略されて「イブ」になったのですね。
すなわち、クリスマスイブは、クリスマスの夕方という意味になります。
クリスマスイブはクリスマスの前日である24日ですが、意味はクリスマス当日の夕方(25日の夕方)ということになります。
これはいったい、どういうことなのでしょうか。
実はこの日付のずれには、使われている暦(こよみ)に原因があります。今私たちが使っている暦は、午前0時から新しい日付に変わりますよね。
しかし、キリスト教のルーツとなったユダヤ教で使われていたのは、ユダヤ暦なのです。
ユダヤ暦は、日没が一日の変わり目になります。
そのため、12月24日の日没から25日の日没までが「クリスマス」となるのです。
現代の暦では24日の夕方に当たりますが、同時にユダヤ暦では25日にあたり、クリスマスの当日ということなのですね。
説2:イブは前日を表すちなみに、「イブ(eve)」には前日という意味もあります。
もしかしたら、こちらの説の方が一般的かもしれません。
このイブは英語で他のイベント・記念日を表す時にも使われています。
例えば、大晦日は「New Year’s Eve」であり、戦争直前の状態であることを意味する時は「on the eve of war」となります。
もしかしたら、歴史の番組などで「on the eve of World War II(第2次世界大戦前夜に)」というフレーズを聞いたことがあるという方も、いらっしゃるかもしれません。
もともとはローマの冬至の日だった!
そもそも12月25日がキリストの生誕を祝う日と定められたのは、4世紀半ば頃のローマ、教皇ユリウス1世の時代からだといわれています。元々12月25日はローマの冬至の日であり、この日付近には冬至祭などの大きなお祭りが行われていました。冬至は長くて暗い、実りのない冬が終わり、新しい世界がはじまる日と考えられていたのです。
もともと、キリストはこの世を照らす「光」とされていたこともあり、この時期にキリストの生誕を祝うのがふさわしいのではないかと考えられ、12月25日がキリスト生誕を祝う日に定められたのです。
「待降節(たいこうせつ)」には何が行われていた?
日本でクリスマスといえば、12月24日と25日の2日間でお祝いするのが一般的ですが、カトリックでは、25日のちょうど4つ前の日曜日からクリスマスの準備に入ります。この準備を含めた時期を「待降節(たいこうせつ)」と呼びます。始まる日は宗派によって異なり、11月中旬から11月30日くらいといわれています。
「聖ニコラウスの祝日」12月6日は、とくにドイツ、オランダ、スイスにおいて、子どもたちが贈り物をもらえる日となっています。つまり「聖ニコラウス」=「サンタクロース」というわけです。この習慣がいつしか12月24日と25日にずれこみ、サンタクロースはクリスマス当日にやってくることになったといわれています。
日本とクリスマスの歴史
今では一般的となったクリスマスですが、日本でクリスマスが楽しまれるようになったのは、いつからなのでしょうか。また、日本でのクリスマスの始まりは何県だったのかなど、ここでは日本とクリスマスの歴史についてご紹介しようと思います。
日本でのクリスマスの始まりは、1552年
約470年ほど前から、日本でのクリスマスは始まったのですね。
ちなみに当時は、クリスマスではなく「ナタラ」と呼んでいたそうですよ。
現在の日本では宗教にとらわれることなく、クリスマスを楽しんでいることも多いですが、初めは、キリスト教の信者のためのものだったのですね。
それにより、明治時代に入るまでの間クリスマスは、日本では途絶えることになってしまったのです。明治時代に入り、しばらくは一般的ではなかったクリスマスが注目されたのは、「明治屋の銀座進出」でした。
1900年(明治33年)
その当時は、まだ珍しかったクリスマスツリーが店頭に飾られたことが、話題になったのだそう。
今まであまり馴染のなかったクリスマスですが、この明治屋銀座店をきっかけとしてクリスマス商戦が始まったとされています。
その後、他のお店でもクリスマスに関連した商品が販売されたり、飾り付けがされるようになり、徐々に日本でもクリスマスが認知されたとされています。その他に、一気に日本でクリスマスが広まったきっかけとなったのが、当時の休日法「休日ニ関スル件」が改正されたことと言われています。
1926年(大正15年)
お伝えしたように大正天皇祭は12月25日であり、クリスマスでもありました。
ちょうどクリスマス当日が祝日になったことで、家族や友達と過ごすクリスマスの習慣が普及していったのかもしれませんね。その後、第二次世界大戦が起こりクリスマスは自粛され、1948年には国民の祝日に関する法律の施行と同時に、12月25日は休日から外れることとなりました。
クリスマスツリーの意味
クリスマスを象徴するものといえば、クリスマスツリーですよね。
ショッピングセンターで大きなツリーが飾られていたり、ポスターやメッセージカードでもクリスマスツリーが描かれていたりするところを、見たことがあるという方が、ほとんどではないでしょうか。
そんなクリスマスに欠かせないツリーの多くは、常緑樹であり古くから「永遠の象徴」を表現した存在とされています。
他に「神の永遠の愛や神が与える生命を象徴する」といった意味も込められているのだそうです。
そして、ツリーの1番上に飾られている星型のオーナメントは、イエス・キリストの降誕を知らせたベツレヘムの星を表現していると言われています。
改めてツリーを見てみると、ツリーの頂上には星の飾りが付いていることが、ほどんどではないでしょうか。
ツリーを見かけた際は、星型のオーナメントにも注目してみてくださいね。
また、ツリーの飾りにリンゴを見たことがある方も、多いのではないでしょうか。
このリンゴのオーナメントも、かわいらしいという理由だけではないのだそうです。
あのリンゴの意味は「創世記」に登場する「知恵の樹」の実(禁断の果実)とされている「リンゴ」であると言われています。
アダムとイブが食べた禁断の果実(リンゴ)を、イメージしたものだったのですね。